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特集・コラム 2022-06-22

柔道整復師の資格を取得するには? 柔道整復師になるまでの流れや専門学校・大学についても紹介

柔道整復師は事故やケガなどで発症した捻挫や打撲、骨折などに対し、自然治癒力を生かして治すスペシャリストです。柔道整復師は国家資格であり、資格を生かして開業することも可能となります。

ここでは、柔道整復師の仕事内容や国家資格取得までの流れ、専門学校や大学、ダブルで取得したいおすすめの資格などについて解説します。

柔道整復師はどんな仕事?

柔道整復師は事故やスポーツによるケガで発症した骨折や脱臼、捻挫、打撲などの症状に対して、手術をせずに手技を用いて治療をするスペシャリストです。また、治療後のリハビリテーションやケガ予防のための指導も一貫しておこないます。

仕事に際して、専門的知識や技術が求められ、国家試験に合格する必要があります。近年、整骨院や接骨院にとどまらず、幅広いフィールドで活躍できる資格のひとつです。高齢化社会にともない、介護や福祉の現場でも必要とされる人材となっています。

柔道整復師の施術内容

柔道整復師はどのような施術をおこなうのでしょうか。ここでは、柔道整復師の施術内容についてご紹介します。

・整復
骨折やケガなどに対して手技で治す方法です。捻挫や脱臼など、ずれたところを手技で元の位置に戻します。外科的な手術が不要なので、心身の負担が少なく済むのが特徴です。

・固定
骨折やケガの部分が動かないように固定する方法。手技で元の位置に戻した部分はまだ不安定なので三角巾、包帯、テープなどで固定をおこないます。

・後療法
損傷した組織の回復を目指して後療法をおこないます。後療法に該当するのは光、電気、水や熱を使った物理療法、体を動かし可動域を広げるための運動療法、手技による刺激で患者の方の自然治癒力を高める手技療法などです。

整骨院、接骨院以外にもある!柔道整復師が活躍できる分野

柔道整復師はどのような分野で活躍しているのでしょうか。ここでは、接骨院や整骨院以外で柔道整復師の資格を活かして活躍できる職場についてご紹介します。

・介護施設
デイサービスや老人保健施設などの介護施設で資格を活かし、レクリエーションやリハビリを担う機能訓練士として活躍できます。高齢社会が進み、介護施設での役割がますます重視されている職種です。

・病院やクリニック
病院やクリニックの整形外科やリハビリテーション室などで働けます。

・スポーツジム
柔道整復師はケガの応急処置や予防のための指導というスキルを活かして、スポーツジムやフィットネスクラブで働けます。なかには、柔道整復師からスポーツトレーナーに転職する人もいるようです。

柔道整復師になる流れ

柔道整復師を目指すには、年に一度おこなわれる国家資格に合格する必要があります。また、国家資格の受験資格を取得するためには、指定の養成学校に通うことが必須です。

ここでは、柔道整復師になるまでの流れをご紹介します。

最低3年、学校に通わなければならない

柔道整復師になるには、養成施設に指定されている4年制大学、養成課程のある3年制短大や専門学校で解剖学専門など指定の科目を履修して、実技演習などで実践的スキルを身につけます。そして、年に一度の国家試験を受験し、合格すると資格を取得することが可能です。

そのため柔道整復師を目指すのであれば、指定の学校を探すところからはじめましょう。通信教育では受験資格を取得できません。学校へ通い、専門的な知識や技術を体系的に習得する必要があります。

柔道整復師になるには国家試験の受験が必要

柔道整復師は国家資格であり、年に一度おこなわれる試験に合格する必要があります。国家試験の合格率は6割程度であり、理学療法士やはり師・きゅう師、あん摩マッサージ指圧師の試験の合格率が8割前後なので、比較すると合格率は低めです。

そのためほかの資格と比べて難易度は高い傾向にあるといえ、なんの対策もなしに試験を受けると不合格となる可能性も少なくありません。授業の内容をきちんと理解し、傾向と対策をつかんで試験勉強をおこなうことが大切です。

柔道整復科で学ぶ内容とは?

柔道整復師科で学ぶのは、解剖学・運動学・生理学・衛生学・公衆衛生学・病理学概論・一般臨床医学・外科学概論・整形外科学・リハビリテーション医学・柔道整復理論・関係法規です。

さらに柔道の実技、整復の実技も学びます。武士の時代に、柔道の怪我を治すことからはじまった整復術ですから、これらの実技を修得することも大切です。

柔道整復師になるには専門学校と大学どちらがよい?

柔道整復師を目指すには、専門学校と大学という選択肢がありますが、どちらに通うのがよいのでしょうか。

それぞれの特徴を知っておくと、自分に合った学校を選ぶ際に役立つでしょう。ここでは専門学校と大学の特徴について解説します。

専門学校の特徴

ここでは専門学校の特徴や通うメリットについて解説します。

・実践中心のカリキュラム
専門学校は専門的分野の授業がメインとなるため、演習や施設での実習などで実践的内容を集中して身につけられます。就職したときに、現場の即戦力として活躍しやすいのがメリットです。

・夜間部がある
専門学校では、昼間部だけでなく夜間部を設置しているところが多くあります。そのため、昼間は学費を稼ぐためにアルバイトをしながら通いたい場合、社会人として別の仕事に就いている人でも仕事と両立しやすいのがメリットです。

・3年で受験可能
大学が4年で単位を取得するのに対して、専門学校は1年短く、3年で単位を取得し、受験資格を取得できるのが魅力です。

大学の特徴

ここでは大学の特徴や通うメリットについて解説します。

・自分でカリキュラムを組み教養も学べる
大学は専門学校とは異なり、教養科目なども含まれ、自分でカリキュラムを組みます。一般教養を学ぶことで、幅広い視野や考え方を身につけられる点がメリットです。

・4年間なので受験勉強の時間も確保しやすい
大学は4年制なので、実習期間を終え、残りの期間は受験勉強や模擬試験対策などの時間を確保しやすくなります。

・大学院への進学も可能
専門学校の場合、ほとんどの生徒の進路が就職となりますが、大学の場合には大学院へ進み、より専門的な知識やスキルを身につけることも可能となります。

柔道整復師の資格を取ることができる大学・学校

柔道整復を、学ぶことができる学校を調べてみました。どこが魅力なのか、自分に合っているか、よく考えて決めましょう。

柔道整復を学ぶことができる専門学校

福島医療専門学校

昼夜2部制なので、1日の時間を有効利用しながら通学できます。学生寮も完備しています。

仙台接骨医療専門学校

清潔感あふれる附属接骨院を持ち、道場やトレーニングルームも充実しています。柔道整復師の王道として、柔道の精神を大切に指導しています。駅から徒歩3分の立地です。

東日本医療専門学校

従来のカリキュラムに、コンディショニングやスポーツ栄養学などのスポーツ科学を取り入れ、医療だけではなく介護やスポーツなど幅広いフィールドで即戦力として活躍できる、ワンランク上の医療人を育成します。

新宿医療専門学校

卒業後に即戦力として活躍できるカリキュラムが魅力です。

東京メディカル・スポーツ専門学校

医療現場はもちろん、スポーツ現場でも活躍できる医療人を育成します。将来スポーツ業界で働きたい人には、スポーツ界とのつながりの深いこの学校を選び、実践的な知識と技術を身につけるとともに業界との人脈を作ることが早道です。

東京医療福祉専門学校

1950年開校という伝統があり、卒業生は幅広いジャンルで活躍しています。

日本医学柔整鍼灸専門学校

スポーツの本場・フロリダでトレーナー研修を行っています。プロフェッショナル教育の一環として、独立開業サポート制度もあります。

米田柔整専門学校

創立は1960年で、医療法人米田病院を母体としており、徹底した実技教育を行っています。平成29年度の国家試験合格率は92.8%と、平均を大きく上回っています。

大阪ハイテクノロジー専門学校

新大阪駅の近くという地の利の良さもあり、スポーツと医療とテクノロジーの最先端を学ぶことができます。

東洋医療専門学校

知識技術はもちろん、患者さんから「この先生にみてほしい」と思われるような人材育成を目指しています。

森ノ宮医療学園専門学校

1年次から実技や演習に取り組む時間が多いのが特徴です。現場で活きる力を育むカリキュラムを用意しています。

美作市スポーツ医療看護専門学校

2018年4月に開校した新しい学校です。サッカー、ゴルフ、テニス、モータースポーツなどのプロスポーツの現場での実習を行い、現役トレーナーとともに行動して実践的なスキルを学ぶことができます。

前橋東洋医学専門学校

平成13年に北関東初の柔道整復師養成校として開校し、充実した教育内容で数多くの柔道整復師を輩出し、信頼と実績を培ってきました。専門知識・技術だけでなく人間の心まで育成いたします。

関西医療学園専門学校

スポーツ医学分野の先進国であるアメリカにおいて、トレーナー養成の課程から実際の現場までを見ることができます。テクニカ・ガビラン(手技療法)セミナー、カリフォルニア州立大学フラトン校でのトレーナー研修、スポーツ選手理学療法専門施設でのリハビリ研修、メジャーリーグ球団スプリングトレーニング参加があります。

了徳寺学園医療専門学校

病気の根源といわれる「ストレス」に着目した 新しい治療法「ストレスフリー療法」の技術を 習得できる教育をスタートしました。

札幌青葉鍼灸柔整専門学校

はり師・きゅう師・柔道整復師の国家資格をもつ卒業生が北海道リラ・コンサドーレ、北海道コンサドーレ札幌バトミントンチームトレーナーとして活動しています。高校を卒業する人はもちろん、社会人のリスタート組も大歓迎です。

明治東洋医学院専門学校

創立90余年と卒業生15,000人を輩出したという歴史があり、その多くが鍼灸師・柔道整復師として臨床の第一線で活躍しています。在学中に、プラスアルファでさまざまな資格取得に挑戦できるカリキュラムもあり、スポーツ・美容・老年医学・慢性疼痛などの専門領域を決めて「○○に強い柔道整復師」になることができます。

近畿医療専門学校

本当に大切なのは、学校を卒業し社会に出てからであるから、教育の現場から見つめ直そうというコンセプトで始まった学校です。現場を熟知した柔道整復師や医師、第一線のスポーツトレーナーを講師に迎え、プロとして信頼される施術の手順などを直接学生に伝えています。

関東柔道整復専門学校

「校内・校外模擬試験」「国家試験対策講座」を実施し、学生一人ひとりの実力に合わせてきめ細かい学習支援を行い、資格取得に向け全面的にバックアップします。また、現役合格できなかった卒業生に対し、講義や国家試験対策講座を履修できる制度を設け、再チャレンジにも徹底してサポートします。

東京柔道整復専門学校

国家資格取得はゴールではなくスタートラインに立つことです。66年の歴史で育んだ数多くの卒業生が、様々な分野の第一線で活躍しており、卒業後3年までの人を対象にした卒業研修を実施し、治療技術の向上もサポートします。

専門学校琉球リハビリテーション学院

病院と同じ設備を使用して実習授業を行う日常動作実習室や機能訓練実習室、治療実習室などの充実した専門教室を整備しています。

その他

札幌スポーツ&メディカル専門学校、北海道メディカル・スポーツ専門学校、東京医療専門学校、大阪行岡医療専門学校長柄校、等。

柔道整復を学ぶことができる大学・短大

帝京科学大学

「生命環境学部」、「教育人間科学部」、そして柔道整復科のある「医療科学部」があり、実習やフィールドワークを豊富に取り入れた実践的なカリキュラムが特長です。

上武大学

「雑草精神」のもと、時代や環境に左右されず実社会で即戦力となる人材を育成します。

東京有明医療大学

都心のキャンパスで、鍼灸・柔道整復、看護が学べる大学として、進化する現代医療に対応できる確かな知識と技術を持った医療人を育成します。

帝京平成大学

臨床の現場を身近に体験できる附属医療施設を持っています。

日本体育大学

127年の歴史を持ち、身体に関連する文化と科学を学び、多方面で活躍する人材を育成しています。

帝京短期大学

「実学」を重視し、社会的需要の高い多様な資格取得に向けたカリキュラムが充実しています。

常葉大学

10学部19学科の総合大学でありながら、きめ細かな少人数制が魅力です。

宝塚医療大学

「全国柔整鍼灸協同組合」を母体に持ち、長年受け継がれてきた伝統医療と科学的根拠を基盤とした西洋医学を理解するとともに、豊かな人間性も身につけ、これからの医療に貢献できる人材の育成を目指しています。

明治国際医療大学

創立100年に迫る歴史と経験に育まれた「高い教育力」が強みです。キャンパス内の附属病院で「チーム医療」を実践的に学びます。

環太平洋大学

「挑戦と創造の教育」を掲げ、教育とスポーツの融合を特長としています。留学制度があり、就職にも強い大学です。

東亜大学

学科の枠を超えて授業を受けることができる少人数教育がポイントです。

関西医療大学

「セルフプロモーション整復学科」では、単位取得により卒業と同時に「日本体育協会公認スポーツリーダー」(財団法人日本体育協会が認定する資格で、地域におけるスポーツグループやサークルなどのリーダーとして、基礎的なスポーツ指導や運営にあたることができる資格)も取ることができ、多彩な活躍の場を得られます。

その他

帝京大学等。

合わせて取りたい、スキルアップのための資格

柔道整復師の資格と合わせて取得することで、スキルアップや自信につながる、働く場の選択肢が増えるなどのメリットがあるようです。

ここでは、柔道整復師の資格と合わせて取得しておきたい、おすすめの資格についてご紹介します。

鍼灸師

鍼灸師の仕事は人間の自然治癒力に着目して、ツボや筋肉を刺激することで、体の内面やメンタル面にアプローチするのが特徴です。

ケガや外傷などにアプローチする柔道整復師の資格と合わせて取得することによって、心身両方へのケアのスペシャリストとして活躍の場を広げられます。

鍼灸整骨院やスポーツジムなど、就職先の選択肢も増えるのがメリットです。また、両方の資格を生かして独立開業も目指すことができ、療法取得して損はないでしょう。

アスレティックトレーナー

アスレティックトレーナーとは、スポーツ選手やアスリートのケガや外傷の予防や応急処置、リハビリなどをおこなうスペシャリストです。スポーツトレーナーと比べて、医療的側面が強い職業であり、メディカルトレーナーと呼ばれることもあります。

柔道整復師の仕事と重なる側面もあり、ダブルライセンスで取得することで、学校やフィットネスクラブ、福祉施設など、働く場を広げられる資格です。柔道整復師とアスレティックトレーナーの両方の資格取得を目指せるスクールも全国に見受けられます。

介護福祉士

介護福祉士は、介護施設などで身体介護、生活援助、通院介助、メンタルケア、指導や相談などの業務をおこなう職業です。

ホームヘルパーなど、介護にはさまざまな資格がありますが、介護福祉士はそのなかで唯一の国家資格となります。そのため、介護福祉士の資格を持つ人が現場でリーダー業務を担っているところも少なくありません。

高齢社会が進んでおり、介護の現場で活躍する柔道整復師も多いのが現状です。介護福祉士の資格を取得して、専門的知識やスキルを身につけることで老人ホームや介護施設で現場の実践に役立てられるでしょう。

理学療法士

理学療法士は運動機能の回復や維持のために、「立つ」「歩く」「座る」といった日常生活における基本的動作についてリハビリを実施。おもに病院やクリニック、老人保健施設などで活躍しています。

柔道整復師はケガから受診、治療、復帰までを一貫してサポートしますが、理学療法士は治療後、機能回復や復帰を目指して個別的なケアをおこなうスペシャリストです。理学療法士の資格も合わせて取得することで、治療後のリハビリから復帰までのサポート力を強化できます。

自分にあった学校を選んで柔道整復師の資格を取ろう

柔道整復師は国家資格であり、指定の養成学校である大学や専門学校を卒業することが条件となります。またダブルライセンスの取得でスキルアップや働く場のフィールドを広げることも可能です。

理学療法士などほかの有資格者と異なり、柔道整復師は開業権を持つことができます。専門的な知識や技術を提供するプロであり、責任は大きいですが、その分やりがいのある仕事です。

さまざまな大学や専門学校があるので自分に合った学校を選び、柔道整復師の資格取得を目指しましょう。

引用元サイト
公益社団法人日本柔道整復師会 柔道整復師とは

日本医学柔整鍼灸専門学校 柔道整復師には通信教育でなれるの?

日本医学柔整鍼灸専門学校 柔道整復師について柔道整復師のスキルアップに役立つ資格とは

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