介護職員初任者研修は無料で取得できる!お得な支援制度やメリット、注意点を解説
介護職員初任者研修は、介護職としてより専門的で幅広い業務に従事していくために、取得したいと考える方が多い資格です。
資格取得に興味関心をもっている方の中には、できれば無料で資格を取得したいと考えている方も多いのではないでしょうか?
本記事では、介護職員初任者研修を無料で取得する方法や注意点について解説します。介護職員初任者研修を無料で取得したいと考えている方は、参考にしてみてください。
介護職員初任者研修を無料で取るには?働きながら取れる?
介護職員初任者研修の資格を取るためには指定の学校に通ったり、講座を受けたりして、3〜12万円程度の費用がかかるのが一般的です。他方で、本業と並行して講座に通いながら、無料で資格取得を目指せる方法も存在します。
金銭的な負担をできるだけ少なくして、本業もやりながら試験合格を目指したい方は、これから紹介する方法を試してみてはいかがでしょうか?
ハローワークの職業訓練を利用して無料で受講する
ハローワークの求職者支援制度には、公共職業訓練(主に雇用保険の対象者向け)と求職者支援訓練(主に雇用保険の対象外の方向け)の2種類があります。この章では、それぞれの求職者支援制度の支援内容や受給要件、支援を受けるまでの流れについて見ていきましょう。
公共職業訓練|雇用保険を受給している方向けの支援
公共職業訓練(離職者訓練)は、主に雇用保険を受給している方向けの就職支援です。対象者や支援内容、訓練期間、就職成功率については、下記のようにまとめられます。
受給要件を満たし、雇用保険に加入している対象者に対して、無料で職業訓練の機会を与えてくれる求職支援です。
求職者支援訓練|雇用保険を受給していない方向けの支援
求職者支援訓練は、主に雇用保険を受給していない方向けの就職支援です。受給対象者は、大きく分けて下記の通りに分類されます。
雇用保険を受給していない方の中でも、離職者と在職者、給付金を受けられる方と受けられない方など、受給要件が複雑な点に注意しましょう。
また、支援内容や就職実績については、下記のようにまとめられます。
無料で職業訓練が受けられるだけでなく、月額10万円の給付金や通所手当て、寄宿手当なども支給される可能性があります。
ハローワークで支援を受けるまでの流れ
ハローワークで求職者支援制度を利用する際の流れは下記の通りです。
1.ハローワークで制度の説明を受け、就労の意思を伝える
2.職業訓練のコースを選択する
3.ハローワークで受講申し込みをする
4.訓練実施機関で面接・筆記などの選考を受ける
5.選考に合格したら、ハローワークが訓練をあっせんしてくれる
6.職業訓練を受けてから3カ月間、月に一回、ハローワークで職業相談を受ける
このような流れで職業訓練を受け、給付金をもらい、就職までのサポートを受けます。
資格取得支援制度のある事業所に就職する
介護職の求人の中には、介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修・介護福祉士など、介護系の資格取得を支援している事業所もあります。
支援の内容は事業所によってさまざまですが、教材や講座の費用を肩代わりしてくれたり、試験日前後のシフトを融通してくれたりすることが多いです。
資格取得支援制度のある事業所で資格を取得するメリット
資格取得支援制度のある事業所のメリットは、以下の3点にまとめられます。
・無料か、非常にコスパよく資格取得を目指せる
・自分自身のスキルアップ・キャリアアップになる
・実務経験を積みながら、資格取得を目指せる
事業所から資格取得支援を受けられるので、本業をしながら効率的に資格取得を目指したい方におすすめ。具体的には、テキスト代や受講料の何割かを支給されたり、全額が補助されたりします。
事業所で働きながら資格取得を目指せるので、本業で職業のスキルを着実にレベルアップしながら、将来のキャリアに役立つ有益な資格の取得を目指せるでしょう。
自治体の制度を利用する
厚生労働省が管轄しているハローワークの求職支援制度以外にも、各地方自治体が実施している介護職員向けの資格取得支援制度を利用することもできます。この章では、東京都・埼玉県・神奈川県の資格取得、就職支援制度について見ていきましょう。
東京都|介護職員資格取得支援事業
東京都の介護職員資格取得支援事業は、社会福祉士協議会が実施する介護施設での職場体験を経験した方を対象として、平日や土日、祝日に無料で介護職員初任者研修の講義を受講できる制度です。通信制や通学制など、好きな受講スタイルを選べるのも魅力です。
ただし、例年定員が決まっているので、東京都社会福祉士協議会のホームページにて、受講できるかどうかの有無や、講義のスケジュールについて確認してみましょう。
埼玉県|介護職員資格取得支援事業
埼玉県の介護職員資格取得支援事業は、受講費用の2分の1(上限3万円)が給付される制度です。給付金の対象者は、下記の要件を満たす必要があります。
1.埼玉県内にある介護事業所で勤務している
2.給付金を受けようとする年度内に研修を受講し、修了している
3.研修を修了して1カ月以内に就職した
4.就職してから1カ月以上、継続して勤務した
もしくは、下記の条件を満たしていることが条件です。
1.研修の受講を開始した日に、介護職員として勤務していた
2.研修を修了した
3.研修を修了した日から数えて1カ月以上、継続して週20時間以上勤務した
4.給付金を受けようとする年度に1~3までの条件を満たしている
条件を満たしていれば、介護職員初任者研修の受講費用を約半分もカバーしてくれるので、埼玉県に勤務している方は利用を検討してみましょう。
神奈川県|訪問介護等資格取得支援事業
神奈川県の訪問介護等資格取得支援事業は、最大70,000円の給付金をもらえる制度です。
給付金の対象者は、例えば令和4年度の場合は下記の条件を満たしている必要があります。
1.申請時の住所が横浜市内にある
2.研修の受講が令和3年4月1日以降
3.資格取得から助成金納付期限(令和5年2月28日)までに、横浜市内の訪問介護事業所等で訪問介護職員として就業して1カ月以上経過し、10日以上従事している方
4.3を満たしていない場合は、横浜市内にある介護保険事業所で常勤の介護職員として就業して1カ月以上経過し、10日以上従事している方
5.他に国や自治体から給付金をもらっていない方
テキスト代を含めた受講料に適用され、受講料が70,000円を下回る場合には、受講料が全額カバーされることになります。
スクールの無料で取得できる制度を利用する
介護職員初任者研修の資格取得に向けたコースを提供しているスクールによっては、国やスクールからの補助金が適用されることで、無料でコースを受講できることも。
具体的には、以下の2種類の補助金が代表的です。
・一般教育訓練給付金制度
・全額支給制度・割引
それぞれの補助金・給付金制度について見ていきましょう。
特定一般教育訓練制度
一般教育訓練給付制度は、厚生労働大臣が指定した訓練施設・教育機関のコースを受講することで、受講費用の一部に補助金を利用できる制度です。指定のコースを受講した方が、後日ハローワークに申請することで、受講費用の一部が返ってきます。
介護職員初任者研修の場合は受講費用の40%(最大20万円)の補助を受けることができます。
全額支給制度や割引
介護職員初任者研修のコースを提供しているスクールによっては、期間限定で割引・無料キャンペーンを実施している場合もあります。割引適用の条件は友人紹介や限定割など幅広いので、受講を検討しているスクールに直接確認してみましょう。
介護職員初任者研修を働きながら無料で取得するときの注意点
介護職員初任者研修を働きながら取得しようと考えているなら、以下の3点に気をつけておかなければなりません。
・テキスト代やその他の費用がかかる
・補助金や給付金には条件がある
・受講のスケジュール管理が重要
この章では、それぞれの注意点について詳しく見ていきましょう。
テキスト代やその他の費用がかかる場合がある
スクールやコースによっては、テキスト代や入学金、補講にかかる授業料など、一見すると受講料が安く見えても、その他の費用を考えると高くなる場合もあります。受講料自体が無料になる求職者支援制度を利用していても、テキスト代は自己負担になる場合も。また、あまりに自宅から離れていると、交通費が負担になる可能性もあるでしょう。
受講料だけでなく、通学する際にかかる全体の費用を考えながら、どのスクールやコースを受講すべきかを検討することが大切です。
支援の対象となるにはそれぞれ条件がある
職業訓練支援をしてもらうにしても、給付金をもらうにしても、対象者となる人の基準があり、所定の手続きをする必要があります。そのため、無料で資格取得をするためには、お得な支援や給付金の詳細について、自分自身で調べなければならない点に注意が必要です。
受講のスケジュールをしっかり確認しよう
介護職員初任者研修は決して取得が難しい資格ではありませんが、決められた日数を受講しないと、試験に合格できない仕組みになっています。
最短1カ月程度で修了できる介護職員初任者研修ですが、求職者支援制度のサポートを受けるためには、数カ月間にわたって受講しなければならないケースもあるでしょう。
本業や急用で講座に参加できない日が続いてしまい、資格取得できなくなってしまうことがないように、スケジュールは事前に組むようにしましょう。
介護職員初任者研修を無料で取得できる方法を知って、キャリアアップに活かそう
介護職員初任者研修は、ハローワークや各地方自治体、スクールが提供する割引や無料キャンペーンなどをしっかりと調べて利用すれば、無料でも受講できます。
ただし、受講料以外の部分で費用がかかったり、支援制度を利用するために特定の条件を満たさなければいけなかったりと、情報を確認しなければならないことも多いです。
介護職員初任者研修を無料で取得するための方法や条件を知って、資格を取得し、自分自身のキャリアアップに活かしていきましょう。
引用元
厚生労働省:ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)
厚生労働省:ハロートレーニング(離職者訓練、求職者支援訓練) について知る
厚生労働省:求職者支援制度のご案内
公益財団法人 かながわ福祉サービス振興会:令和4年度横浜市訪問介護資格取得支援事業案内