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ヘルスケア 2022-08-14

体を預かる仕事だからこそ、信頼関係をしっかり築いて責任を持った発言を【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事Vol.68 /ドライヘッドスパ専門店 脳のリゾートAmeri 岡部百絵さん】#2

「ヘルスケア業界」のさまざまな職業にフォーカスし、その道で働くプロに、お仕事の魅力や経験談を語っていただく連載企画「もっと知りたい! ヘルスケアのお仕事」。

今回お話を伺ったのは、「ドライヘッドスパ専門店 脳のリゾートAmeri」の岡部百絵さん。「眠らす森の美女」というYouTubeチャンネルも運営し、どんな人でも数分で眠ってしまうほどリラックスできる施術が話題になっています。

前編では、お店の特徴やYouTubeの活動について伺いました。
後編では、1日の働き方やこの仕事のやりがい、今後の目標などを伺います。

平日は事務作業や動画の編集、土日は施術。
忙しいからこそ、自分自身のリフレッシュ時間も大切に

――一日の働き方を教えてください。

基本平日は、自宅で事務作業をしています。書類を作ったり、手続きしたり、動画の編集なども行っていますね。なので、平日のタイムスケジュールはまちまちですが、土日はお店で施術しているので、割と決まったスケジュールで動いています。

朝は7時半に起きて出勤準備。朝ごはんは毎日しっかり食べます。自宅を出るのは9時過ぎ。車の運転が好きなので、車で出勤しています。運転しながら音楽を聴いて気分を上げて、仕事モードのスイッチを入れます。

お店に着くのが10時ごろ。ここからはオープン準備です。スタッフみんな綺麗好きというのもあるのですが、お客さまに気持ちよく過ごしてもらいたいので、掃除は徹底的に行なっています。

11時から施術開始。予約状況にもよるのですが、基本22時までノンストップです。他のスタッフはシフトを組んでいたりするのですが、私は土日しかお店に入っていないので、予約が続いていることが多いですね。

――そんなに長時間施術していると、腕がパンパンになりませんか?

もう慣れましたね。それに、ヘッドスパは力を入れて動かしたり押したりすると頭痛の原因になるので、腕の力を抜いてマッサージするんです。なので、腕がパンパンになったりすることは、あまりないですね。

ただ、施術中はずっと同じ姿勢が続くので、体が固まっちゃって……。仕事が終わるとジムでストレッチしたり、ゴルフをしたりして、体を動かすのが日課になっています。

――お仕事後、今度は自分の体をストレッチ、というわけですね!

はい。そうこうしていると、帰宅するのが24時ごろ。そこからメイクを落として、10分でお酒を飲んで、お風呂に入って寝る! 大体2時ごろです。

――10分でお酒(笑)⁉︎

10分でお酒をグイッと飲みます(笑)。「今日も1日頑張った!」っていう、リセットですね。たくさん飲むと睡眠の質が悪くなってしまいますが、少量ならリラックスさせてくれるので。

――となると、睡眠時間は5〜6時間ですか。ちょっと短めですね。

一般的には7〜8時間がいいと言われているので、そういう意味では少し短いですね。ただ、それはあくまで平均的な理想値なので、一人一人ベストな睡眠時間があるんですよ。

睡眠のタイプって大きく分けて4つあって、
・いわゆるショートスリーパー。2〜3時間の睡眠でOK
・夜型。朝が弱い。睡眠時間は短め(5〜6時間)
・昼型。朝が強く、遅くて寝ても起きられる。睡眠時間は6〜7時間
・規則正しく10~11時ごろには寝て、7〜8時間の睡眠が必要。

遺伝子とかも影響するらしいんですが、こんな感じ。人によっては、短い方がいいパフォーマンスを発揮できたりするんです。一度、自分が「すごくスッキリした!」っていう睡眠時間を測ってみて、参考にするといいですよ。

――睡眠タイプによって、施術方法も変わったりするんですか?

施術自体は同じです。ただ、ここにいらっしゃるお客さまは不眠症の方が多いですね。それでも大体の方が施術を始めて数分で寝ちゃいます。要はそれだけ、ふだんリラックスできていないってことなんです。脳の緊張状態が解けてなくて、気持ちが休めてないから眠れない。なので、ここではそのスイッチをオフに切り替えてあげるイメージです。

スタッフ一人一人が技術者として有名になって、
おばあちゃんになっても続けられるお店にしたい

――お客さまに満足していただくために、心がけていることは?

信頼関係をしっかり築けるように意識しています。みなさん性格はもちろん、会話の内容や話し方も違うので、一人一人に合わせた接客を心がけていますね。

じつはうちのお店は、決まった接客マニュアルを作っていないんです。マニュアルを作ってしまうと、一人一人に合わせた接客が難しいですし、スタッフ自身も、自分で考えて臨機応変に対応するってことができなくなります。私自身も、テンプレートに沿った接客が苦手です。もちろん最低限のことは決めていますが、基本スタッフ自身で判断して接客してもらっています。その方が、スタッフの個性も生かせますしね。

――確かに。この仕事のやりがいは何ですか?

変な言い方をすると、「人が寝ているところを見られること」でしょうか(笑)。というのも、本来寝ている姿ってなかなか他人に見せないですよね。しかも、体を触られているわけなので、警戒心がMAX状態のはずなんです。それでも寝ちゃう。それだけ、その人が信頼してリラックスしてくれていると思うと、「あぁ、この仕事していてよかったな」と思います

あとは、入店した時は暗〜い表情だったのに、帰る時すっきりした表情になっていると、嬉しくなりますね。

――今後の夢や目標を教えてください。

やりたいことはすごくたくさんあるのですが、まずお店としては、もっと店舗を増やしたいです。「ドライヘッドスパ専門店」というのが、もっと広まってほしいですね。

私個人としては、スタッフ一人一人が技術者として有名になってほしい。いつもスタッフ同士で「おばあちゃんになっても一緒に働けるお店にしよう」って話しているんですが、そのためにも、みんながそれぞれ腕を磨いて高めあっていけたらと思います

お客さまの体だけでなく、自分自身の健康も大切に。
自分に自信を持って、いろんなことにチャレンジして

――これからこの業界で働こうとしている人に、アドバイスをお願いします。

まず、自分の健康を大切にしてほしいです。この業界あるあるだと思うのですが、お客さまを思うあまり、どうしても自分のことが後回しになりがちなので。

それに……、少しスピリチュアル的な話になるんですが、セラピストってお客さまの「気」をもらいがち。もちろんもらっているつもりはないんですが、例えばお客さまがすごく疲れていると、疲れた「気」をもらっちゃう。

そもそもこういう職業を選ぶ人は、いい意味でも悪い意味でも相手の影響を受けやすい人だと思います。逆にいうと、相手の影響を受けることができるからこそ、こういう職業に向いているのかな、と。例えば、カウンセラーは相手の「気」を受け止められるからこそ、親身になって話を聞けるんだと思うんですね。

だから、自分のケアも大切にしてほしい。自分自身が元気じゃないと、いい施術はできませんから。

あとは、お客さまに何かアドバイスしたり、おすすめしたりをする時は、必ず自分自身が経験したことを伝えること。口コミ等だけの知識で会話していると信頼度も下がりますし、何より言葉の重みが違います。経験して、自信を持って伝えることで、説得力がアップしますよ。

――最後のまとめとして、この業界で働く人の心得3か条を教えてください!

・お客さまに楽しんでもらうこと
・そのために自分自身も楽しむこと
・自分に自信を持つこと

お客さまに楽しんでもらうために、自分自身も楽しみましょう! そして不安な気持ちで施術していたら、お客さまも不安な気持ちにさせてしまうので、自分に自信を持ってください。

自信を持てば、新しいことにチャレンジする勇気も湧きます。最初から「できない」って諦めていたら、チャンスも逃してしまいますよ。

「私にできないことはない、と思うようにしています。何事も挑戦です」と語ってくれた岡部さん。そのチャレンジ精神が好循環を生み出して、岡部さんだけでなく、お店全体がいい「気」で満ちていくんですね。
貴重なお話をありがとうございました!

取材・文/児玉知子
撮影/喜多二三雄

information

ドライヘッドスパ専門店 脳のリゾートAmeri
住所:千葉県船橋市本町3-33-13フォートリス船橋3F
電話:047-409-7221
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