ヘルスケア&介護・看護・リハビリ業界の応援メディア
ヘルスケア 2022-08-13

スタッフの個性を大切にして、一人一人が輝ける現場を作りたい【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事Vol.68 /ドライヘッドスパ専門店 脳のリゾートAmeri 岡部百絵さん】#1

「ヘルスケア業界」のさまざまな職業にフォーカスし、その道で働くプロに、お仕事の魅力や経験談を語っていただく連載企画「もっと知りたい! ヘルスケアのお仕事」。

今回お話を伺ったのは、「ドライヘッドスパ専門店 脳のリゾートAmeri」の岡部百絵さん。「眠らす森の美女」というYouTubeチャンネルも運営し、どんな人でも数分で眠ってしまうほどリラックスできる施術が話題になっています。

前編では、お店の特徴やYouTubeの活動について伺います。

お客さまに非日常の空間を感じてもらいたい!
スタッフみんなで手作りしたインテリアにはこだわりがいっぱい

――まずは、お店の特徴について教えてください。

ドライヘッドスパ専門店なのですが、ヘッドスパだけでなく、小顔矯正や整体などもやっています。施術は全て、指圧ではなく筋肉を引き上げるようなストレッチをベースにしていて、揉み返しが少ないのが特徴です。

――ストレッチをベースにした施術だと、揉み返しがきにくいんですか?

そうですね。じつは私自身、揉み返しがきやすいタイプなんです。揉み返しがきやすい人、きにくい人っていうのは、皮膚の厚さだったり、筋肉の厚さだったり、いろいろ原因があるんですが、多くの場合、単に押しすぎ。ピンポイントで圧がかかると、筋肉が緊張して硬くなってしまうんです。すると、痛みが出る。逆にその痛みが心地よくて、繰り返し通う方もいらっしゃいますが。

ストレッチの場合は、筋肉を伸ばすことでコリや緊張をほぐします。力をかけて押さないので、痛みも出にくい。筋肉の可動域が広がって、体が軽く感じたり、動きやすくなったりします。

――なるほど!

お店のコンセプトに「卒業」とあるのですが、これはお客さまに痛みや悩みから卒業してほしい、っていう思いを込めています。お店としては寂しいですが、お店に来て施術をしなくても、いいコンディションを保てる体になってほしい。そのためにも、繰り返しのケアが必要になる施術はできるだけ避けたい。なので、揉み返しの少ない方法を選びました。

――施術の他に、日常生活でのアドバイスもしているんですか?

はい。お客さまの体を触ると、「この人、こういう性格なんだろうな」とか、「ここに疲れが溜まっているな」っていうのがわかるので、その状態に合わせて、簡単なセルフケアをお伝えしています。

――触るだけで性格までわかっちゃうんですか⁉︎

定期的に通ってくださる方は、「前回と疲れている場所が違うな。いつもと違うことをしたのかな?」とか、「最近、嫌なことがあったのかな?」とかもわかりますよ。なので、その時の状態に合わせて施術したり、アドバイスしたり。みなさんの疲れやストレスをリセットできる場所になりたいと思っています。

――すごいです! お店のインテリアもこだわってらっしゃいますよね。

お客さまに非日常を感じてもらいたくて。私たち自身の理想の癒し空間をみんなで一緒に考えて、他にないようなオリジナルのデザインにしました。

コンセプトは森と海。森も海も自然のものなので、癒し効果があります。あと、青はリラックス効果が期待できるので、青いライトも多く使っていますね。

じつはほとんどDIYで作っています。どうしても難しいところは職人さんにお願いしたのですが、棚を配置したり、壁を塗ったり。その時、隠れキャラならぬ隠れ文字も入れました! すごく思い入れがありますね。

「やるなら本気で!」と、一から勉強したYouTube。
今後は大掛かりな企画にも挑戦していきたい!

――YouTubeもやってらっしゃいますよね。「眠らす森の美女」っていうワードがすごくキャッチーです。

ありがとうございます! 「寝ちゃうぐらい気持ちいい」っていうのをどうやって伝えようかと考えた時に、「美女を寝かせる」ってところから、童話の「眠れる森の美女」が思い浮かんで。でも「眠れる」じゃないな、私たちが「眠らせる」んだよな……ってことで、「眠らす森の美女」になりました。

毎回ワード選びにはすごく苦労していて、客観的に気になるワード、思わず手を止めるワードを考えて、書いては消し、書いては消し……の繰り返し。最終的に決まるまで、結構時間がかかります。

YouTubeは動画の内容だけじゃなく、タイトルやテロップも重要なんです。なので、普段からジャンル問わずいろんなYouTubeを見ていますね。もともとそんなにYouTubeを見る方ではなかったのですが、最近はテロップを入れるタイミングや色使いも細かくチェックして、参考にしています。

――そもそも、YouTubeを始めたきっかけは何だったんですか?

ヘッドスパのYouTube動画って少ないな、と思ったんです。お店もそうですが、「ドライヘッドスパ専門店」というもの自体を、もっとたくさんの知ってもらいたかった。正直、YouTubeに詳しいスタッフが一人もいなかったので、やるなら本格的に勉強しようと講習にも通いました

あと、スタッフ一人一人の個性を紹介したかった。お客さんにはお店だけじゃなく、スタッフ一人一人のことを好きになってもらいたいんです。なので、みんなの個性が生きるような内容を意識しています。

――ちなみに動画のネタはどうやって考えているんですか?

じつは、私たちの動画には台本がないんです。あらかじめ大枠や結末だけ考えておいて、あとは直前で決めたり、成り行きで撮ったり、基本アドリブ。よく言えば、「自然体の私たちを見ていただく」っていうのがテーマですね。

というのも、台本を作ると、それ以外できなくなってしまって。みんな緊張してわざとらしくなってしまうんです。なので、スタッフの個性や私たちの仲の良さを伝えるには、アドリブが一番かなと。

――人気の動画には、子どもが出ているものも多いですよね。

「マッサージ×子ども」の組み合わせってなかなかないので、チャレンジしてみたら人気が出たんです。子どもの寝顔って癒されますからね。

あと、ドッキリ企画も人気です。もともと施術だけの動画も出していたんですが、ずーっと同じ絵が続いてしまうので、見せ場が少なくて。何かキャッチーなことを……と考えた時に、「寝ちゃったらドッキリ」を思いつきました。寝ないように頑張っていても寝ちゃうぐらい、リラックスできて気持ちいいっていうのも伝わればいいなと思います。

――これからやってみたい企画はありますか?

もう少し大掛かりなこともやってみたいです。例えば「屋外で施術しても5分で寝かせられるのか?」というような、検証企画ですね。公園や海とか、屋外でのモニタリングです。

よく動画を見た人に、「本当に5分で寝ちゃうの?」と聞かれるのですが、リアルです! ヤラセなしです! なかには、本人ですら寝てしまったことに気づかなくて「今私、寝てましたか?」って聞かれる方もいらっしゃるのですが、いびきかいて寝てましたよ、と(笑)。

――これからYouTubeを始めようと思っている人にアドバイスをお願いします。

やるなら本気で取り組まないと、あまり意味がないと思います。

というのも、初めは本当に視聴率が伸びないんです。伸びないとやっぱり落ち込みますし、やる気も出ない。始めたのはいいけどすぐ辞めちゃった、っていう人も結構多いみたいです。

だからこそ本気で取り組んで、めげずにコンスタントにアップし続けること。うちのチャンネルは週3〜4本アップしていますが、それぐらいは必要だと思います。

――ちなみに、YouTubeを見て、来てくれるお客さんは増えましたか?

そうですね、近場に住んでいる方は、YouTubeを見て興味を持ってくれたお客さんが多いです。

ただ、みなさん初めから「YouTubeを見て来ました」って教えてくれないんですよ! 恥ずかしいんでしょうか? 何回か通ってくださったあと「じつは……」って教えてくれるんです。

――スタッフさんとしては、堂々と最初に教えてくれた方が嬉しいですよね?

もちろんです! 一生懸命投稿しているので、励みになります!

「お客さまの施術もYouTubeの投稿も、本気で向き合って取り組んでいます」と岡部さん。前向きで一生懸命な姿こそ、人気の秘訣かもしれません。スタッフ一人一人の個性も大切にしていて、みなさん本当に仲が良さそう。「おばあちゃんになっても仲良くやっていこうね、と話しているんです!」と聞いて、なんだかほっこりしました。

後編では、1日の働き方やこの仕事のやりがい、今後の目標などを伺います。

取材・文/児玉知子
撮影/喜多二三雄

information

ドライヘッドスパ専門店 脳のリゾートAmeri
住所:千葉県船橋市本町3-33-13フォートリス船橋3F
電話:047-409-7221
1
2

この記事をシェアする

編集部のおすすめ

関連記事