人気レッスンの秘密は体の動きに対する探求心! ヨガインストラクター・Wakanaさん
ヘルスケアに携わるさまざまな方たちに、仕事内容や活躍のコツを伺うこの企画。今回ご登場いただくのは、ヨガインストラクターであり、2022年からは骨格ベクトレインストラクターとしても活動を始めたWakanaさんです。
前編ではWakanaさんがどのようにして、ヨガインストラクターになったのかを伺います。健康になりたいとの思いから、ヨガインストラクターを目指したWakanaさん。ハワイでのRYT200取得のため、それまで勤めていた会社を辞めてしまったそうです。またWakanaさんのレッスンの核ともいえる体の動きに対する探究心が、どのように活かされているかも掘り下げます。
今回、お話を伺ったのは…
Wakanaさん
ヨガインストラクター/骨格ベクトレインストラクター
一般企業に勤めていた2015年にヨガインストラクターになることを決め、退職後ハワイでRYT200を取得する。その後、数々のヨガスタジオで経験を積み、人気のインストラクターに。体の細かな動きにも着目し丁寧に説明するヨガレッスンにより、体に効果的にアプローチできると人気を集める。現在は「骨格ベクトレインストラクター」としても活躍中。
WakanaさんのInstagram:@wakayoga119
自分を健康に保てる仕事がしたいという気持ちから、ヨガインストラクターの道へ
――Wakanaさんがヨガインストラクターとして活動を始めたきっかけを教えてください。
ヨガインストラクターになる前は、一般企業で働いていましたが、デスクワークの仕事でした。肩こりも強かったですし、生理がだんだんと重くなってきたりして、自分が健康ではないということが大きなコンプレックスになっていたんです。その当時、週に1、2回のペースでホットヨガに通っていて、整体やマッサージに行くのとは違う、自分で自分をほぐすヨガの心地よい感覚にハマっていて。ヨガインストラクターの先生たちがみなさんとても健康そうだったこともあって、ヨガに憧れもありました。そこで思い切って、仕事をやめてヨガインストラクターの資格をとることにしたんです。
――それは思い切りましたね…!
当時、RYT200は海外で取るのが主流でした。私は1カ月ハワイに行って、そこで資格を取得したのですが、仕事を続けながら1カ月海外に行くのはなかなか難しいと思ったんです。1カ月みっちりヨガ漬けの日々を過ごし、生活スケジュールも早寝早起き、食事もすべて用意してもらったものを食べるので、体が一気に健康になった気がしました。このときにしかできなかった、いい経験ができたと思っています。
仕事がなかなか決まらない苦悩の日々。雇用形態を広げてチャンスをつかむ
――そこからどのようにして、ヨガインストラクターの仕事をつかんだのでしょうか?
資格取得後はすぐに日本に帰国して、ヨガインストラクターとして働ける場所を探したのですが、最初の仕事をつかむまでにとても苦労しました。私自身が未熟だったことももちろんあるのですが、そもそもヨガインストラクター歴1年未満の場合は応募もできないというところも多くて…。
オーディションを受けては落とされるというのを何度も繰り返したあと、吉祥寺にあるヨガスタジオで、アルバイトスタッフとして採用をしてもらえました。これがヨガインストラクターの仕事の第一歩です。ヨガスタジオ運営の仕事をしながら、空いている時間でインストラクターの勉強をさせてもらい、半年後にインストラクターとしてデビューをすることができました。吉祥寺は自分の活動拠点からは少し遠かったですが、とにかく1本目の仕事をつかまないとその先はないと思い、範囲を広げて探したのと、雇用形態にこだわらなかったことが功を奏したかもしれません。その後はいくつかのスタジオと契約させていただき、今に至ります。
――その後はそこまで苦労なく、いろいろなスタジオと契約ができるようになったのでしょうか?
もちろんすべてのオーディションに受かったわけではないですが、吉祥寺のスタジオで実践を積んでいくことで私も自信がつき、落とされることはかなり少なくなりましたね。スタジオ探しをする際に、少し気を付けていることがありました。それはとにかくどこでもいいから働くのではなくて、スタジオの姿勢、インストラクターさんや生徒さんの雰囲気、プログラム内容を見て、自分に合う場所を選ぶようにすることです。インストラクターの3年目くらいまではとにかくいろいろなスタジオで経験を積みたいとは思っていましたが、自分に合っていないところでは力を発揮できませんし、長く活躍することもできないと思ったので、その見極めは心がけていました。
スタジオを決める際のもうひとつのポイントとして、すべてのプログラムがしっかり決まっているスタジオではなく、自由度の高いスタジオと契約をするようにしています。以前はプログラムが決まっているスタジオと契約していたこともあったのですが、プログラムの流れのなかでひとつのポーズでも疑問が生まれると、伝えるのが苦しくなってしまうことがあって…。自分もいろいろな学びを通して成長をしていきたいと思っているので、そのときに伝えたいことを伝えられる環境の方がレッスンがしやすいと思っています。
学びを止めず、生徒さん1人ひとりに充実したヨガレッスンを提供
――スタジオとの契約が続いているということは、生徒さんの反応もいいということかと思います。インストラクターとしてどんなことを心がけてきましたか。
元々、高校生くらいまでクラシックバレエを習っていたため、体の細かな動きや、筋肉の使い方には興味がありました。そこでレッスンの際も、体のラインをきれいにするにはどうしたらいいかということにフォーカスをあてて、ポーズの説明を細かくしていくようにしています。
たとえばひとつのポーズに対して、そのポーズの形を真似すればいいのではなくて、どこに効いているかを意識することで初めて効果が出ると思っています。なので「これがウエストにきくポーズです」と伝えるのではなくて、「今、体重がどこにのっていますか?前足のももに力が入っていたらそれはウエストには効きません。お腹に効かせましょう」とかなり細かく説明します。ポーズをテンポよく進めていくというより、じっくりひとつひとつのポーズにアプローチしますね。それを生徒さんたちから、「新たな発見がありました」とか、「体の細部まで意識が向くようになりました」と仰っていただくことが多いです。
――ヨガインストラクターとして成長するために心がけてきたことはありますか?
とにかくさまざまな先生のレッスンを受けて、学びを止めないようにしました。そうやってバリエーションを増やしていくなかで、レッスンに幅を持たせることができるようになったと思います。
というのも最初の頃は、ひとりの生徒さんに要望されるとその方だけに合わせたレッスンを提供していることがありました。たとえばですが、「もっと強度の強いレッスンをしてほしい」と言われる方がいたら、言われるままに強度をあげてしまい、ついていけなくなる生徒さんがクラスから離れてしまうこともあったんです。ヨガは基本的には習熟度や求めるものが違う方がひとつのクラスにいる、グループレッスンになるので、みなさんに充実したレッスンを提供するのがなかなか難しくて、落ち込むこともよくありました。
でもほかの先生のレッスンを受けていくうちに、ひとつのポーズに対してもバリエーションがつけられるようになっていったんです。足を開くポーズだとしたら「まずここまでやってみましょう。もっとがんばれる人はここまでやってみてください」というような形で。そういう工夫をできるようになったら、生徒さんが離れていくことはそんなになくなりました。
後編では、今年からWakanaさんが取り入れ始めたという「骨格ベクトレインストラクター」について伺います。体の細かな動きに興味があったというWakanaさんが、可能性を感じた「骨格ベクトレ」。さまざまなメディアでも取り上げられるようになり、話題を集めているこの施術は、がんばらず、無理をしないことでボディメイクを実現する夢のようなメソッドだったといいます。後編もお楽しみに!