介護職をきつい、やってられないと思う理由とは? 大変さを抱えたときの対策方法を紹介
基本的に介護職は体力仕事のため、「仕事がしんどい」「きつい」と感じる人は多いといわれています。しかし、介護の仕事はほかの仕事では感じることのできないやりがいやメリットがあるのも事実です。
そこで今回は、介護職がきついといわれている理由や大変さを抱えてしまったときの対処法などをご紹介します。
介護職はきつい? 大変と感じる理由とは?
介護職がきついといわれている理由には、一体どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、その理由をくわしくご紹介します。
1. 給料が安め
2021年に厚生労働省が発表した介護職員の全体の平均月給は、31万6,610万円となっています。平均月給だけでは安いとは感じないかもしれませんが、この年度時点での平均勤続年数は8.7年となっており、比較的長く介護職を続けていても昇給が少ないと感じる人も多いようです。
また、介護職は体力仕事であり、人の命に関わる仕事でもあります。仕事の大変さや責任のわりに、給料が低いと感じてしまうこともありようです。
2. 人材不足で忙しい
介護業界は長年、人材不足に悩まされ続けています。そのため、ごく一部の介護施設では一人当たりの業務量が多くなってしまい、じゅうぶんな休憩時間や休みを取れないところも存在しているようです。
このような施設の場合だと、人が足りず、つねに忙しい状況に陥ってしまうため、大変だと感じてしまうことがあります。
3. 心身ともに疲れる
介護職は身体介助や入浴介助などをする際に、利用者さんの体重を支えるために体力を使うことが多いです。そのため、業務中に腰や膝を痛めてしまうことがあります。
また、利用者さんのなかでもとくに高齢の方の場合、体調が急変してしまうことも少なくありません。このことから、精神的に気をつかい、疲れ切ってしまうことがあるようです。
4. 人間関係がうまくいかない
介護職は基本的にチームで勤務にあたる仕事のため、チームとしての連携が必要です。このことから、スタッフ間のコミュニケーションも非常に重要となります。
しかし、職場でも上下関係や同僚などとのコミュニケーションがうまくいかず、人間関係に問題が起きてしまうことも少なくありません。このような状況が発生した場合、つらいと感じることがあるといわれています。
5. 労働環境に問題がある
介護業界は前述したように、まだまだ人材不足に悩まされているため、それに伴って労働環境が整っていない施設もまだ存在しています。たとえば、人手不足で休憩時間がじゅうぶんでなかったり、シフトがきつかったりするなどの問題です。
このような労働環境がよくない状況の施設で働いている場合に、介護職をきついと思ってしまうことがあるといいます。
6. 将来性に不安を感じる
介護職の将来性に不安を感じている人も少なくありません。介護職員の処遇面は年々改善傾向にあり、給与面に関しても毎年上昇していっているものの、まだ少ないと感じる人がいるのも事実です。
また、仕事の忙しさのあまり、キャリアアップをするための時間を割けないなどの理由で将来に不安を感じてしまうといわれています。
大変さを抱えたときにはどうする? 対処法を紹介!
介護職が大変だと感じてしまう理由をご紹介しましたが、実際に働いていて大変、きついと感じてしまったときはどうすればよいのでしょうか。ここでは、介護職で「つらい」「きつい」「大変」と感じてしまったときの対処法をご紹介します。
1. 上司や同僚、家族などに相談する
介護の仕事をしていて、きつい・しんどいと感じたら、まずは施設の上司や同僚、家族などに相談して話を聞いてもらいましょう。同じ施設の同僚であれば、適切なアドバイスをもらえる可能性があります。
また、自分がしんどいと感じていることを家族に話すだけでも気持ちが楽になったり、頭の中の整理ができたりすることもあります。自分一人で抱え込まずに、誰かに話してみることが大切です。
2. 資格を取得する・スキルアップを目指す
介護職の待遇の低さに大変さを感じたのであれば、資格取得やスキルアップをすることで昇進を目指せます。今持っている資格の上位資格の取得やスキルの向上によって役職に就ければ、必然的に給与アップにもつながるでしょう。
また、専門的な資格や知識を身につけられれば、今働いている施設よりもよい条件の施設へ転職する際にも有利です。
3. 配置換えやシフト変更をしてもらう
人間関係に悩みを抱えている場合には、配置替えやシフト変更が可能かどうか上司に相談してみましょう。人間関係の悩みは、自分ひとりでは解決できない場合も多いです。
配置換えやシフトの組み方によって、苦手な相手との接触を減らせれば、人間関係の悩みも減らせるでしょう。
4. 自分の行動を振り返って改善点を探す
介護の仕事がきついと感じた際に職場への改善を求めることも重要ですが、自分自身が自分の行動を振り返り、改善できるところは積極的に改善していくことも重要です。
普段の仕事の姿勢を客観的に見て、反省点があれば改善に努めましょう。反省点を意識して今よりも効率的に働ければ、仕事のストレスも軽減する場合もあります。
5. 自分なりのストレス解消法を探す
介護の仕事でストレスがたまったときには、趣味に打ち込んだり、運動したりと自分に合ったストレス解消方法を見つけることも重要です。
たとえば、運動は心身ともによい効果をもたらすので、軽いウォーキングなどでもストレス発散になるでしょう。
6. より条件のよい事業所・施設に転職する
上司に勤務環境の改善を求めたり、自分自身で自分の仕事ぶりを改善してみたりしてもなかなか仕事のつらさが変わらない場合は、よりよい条件の施設に転職するという方法もあります。
どうしても転職したい場合には、自分の仕事の価値観や生活スタイルに合った施設を探してみるのもよいでしょう。
介護職を続ける3つのメリットとは?
きつい、つらいといわれることの多い介護職ですが、働き続けるメリットもあります。ここでは、介護職を長く続けていくメリットを確認しておきましょう。
1. 長く働き続けることができる
介護職は、老人ホームやデイサービス、訪問介護などさまざまな勤務形態があります。そのため、需要も多く、勤務時の年齢による体力を考慮して職場を選ぶことが可能です。つまり、年齢を重ねても長く続けられ、なおかつ経験を活かせる仕事といえます。
2. 給料が上がっていく可能性がある
介護職の給料や職場環境は、国が率先して改善していくように舵を切っています。これまでにも処遇改善加算やキャリアパスなどの制度を新設しているため、今後も介護職の待遇は改善されていく可能性は大きいでしょう。
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3. 普段の生活でもスキルが活かせる
介護職で働いて得た技術は、介護施設を利用する利用者さんだけではなく、家族などの介護にも活かせます。
そのため、将来的に家族などの身近な人に介護が必要になったときに介護の経験やスキルを活かせるなど、役に立つこともあるでしょう。
一人で悩まずにできることから始めてみよう!
介護職は、給与の安さや人手不足、体力的な大変さから「きつい」「大変」というイメージを持たれがちです。しかし、その一方で年齢を気にせず、長く続けられたり、普段の生活にも知識や技術を活かせたりするなどの介護職にしかないメリットもあります。
万が一、介護の仕事をしていて「きつい」と感じたときにはひとりで悩まずに、周りの人に相談しながら解決を目指すことが大切です。
引用元サイト
厚生労働省 令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果