【介護○×クイズ Vol.7】心理学の基礎知識をおさらい! 社会福祉士の基本問題5
高齢者や障害者、児童など社会的に弱い立場にある人がサポートを必要とするとき、相談にのり、ニーズに合った援助を行う社会福祉士。多岐に渡る業務のため幅広い知識が求められますが、その一つに「心理学」の知識も必要とされます。
そこで今回は心理学の基礎知識から○×クイズを出題。これから社会福祉士目指す方に役立つ問題をピックアップしました。
社会福祉士向け ○×クイズ 5問
まずは「欲求の段階説」より出題
【第一問】マズローは、人間の欲求を優先度により3段階に階層づけた。
正解は……
【解答】×
【解説】アメリカの心理学者であるマズローは、人間の欲求を5つに分類し、それらの欲求には出現する順位があると考えた。これを欲求段階説と呼び、より高次の欲求が出現するには、低次の欲求が満たされる必要があるとマズローは考えている。マズローの欲求段階説は、上位の欲求から順に、自分が持つ能力を発揮したい、自分らしく精一杯生きたいという「自己実現の欲求」、他者から村営されたいと願う欲求と、自尊の欲求が含まれる「承認の欲求」、家族や地域、学校や社会といった集団に属したい、愛情に包まれたいという「所属と愛情の欲求」、安心や安定を求め、恐れや混乱のないことへの欲求「安全の欲求」、生命の維持に関わる「生理的欲求」の5段階に階層づけられる。
続いて「動機づけと行動」を問う問題!
【第二問】お小遣いを貰えることが嬉しくて、お風呂の掃除を毎日行うのは、内発的動機づけによる行動である。
正解は……
【解答】×
【解説】動機づけは、一般的に「目標に向かってある行動を起こし、方向づけ、それを持続させるために欲求を操作すること」と定義されている。動機によって引き起こされた行動を方向づける目標や、あるいはその目標のもつ魅力のことを誘因と呼ぶ。動機づけは2つあり、外部からの報酬や罰による動機づけを外発的動機づけといい、対して、行動や活動することそのものが喜びや満足となるような行動の動機づけを内発的動機づけという。
次は「原因帰属」から出題!
【第三問】試験に失敗したときに、勉強不足に原因があるとするのは、原因帰属の内的帰属に該当する。
正解は……
【解答】○
【解説】原因帰属とは、行動の成功や失敗に対する原因のとらえ方を意味する。達成動機*の高い人は、成功や失敗の原因を内的要因(自己の努力)に求める傾向がある。これに対し、低い人は、外的要因(運や課題の困難度)に求めやすい傾向がある。原因を何に求めるかによって、その後の行動に違いがみられるようになる。
*達成動機とは何かを成し遂げようとする欲求
「知覚の体制化」をおさらい!
【第四問】形として知覚される部分を地、背景となる部分を図という。
正解は……
【解答】×
【解説】感覚から得た情報に基づいて過去の経験や知識に照らし合わせながら、外界や事物や現象を知ることを「知覚」という。知覚の特徴の一つに、まとまりある全体として秩序づけ、意味づける働きをする「知覚の体制化」がある。知覚の体制化の基本的な現象として、図と地の分化(分離)があり、視野の中で形として浮き出て見える部分を図といい、背景となって見える部分を地という。
・ルビンの杯(図地反転図形)
一つの図形でありながら、図と地が反転すると2通りの見え方があり、「二人が向かい合っているところ」もしくは「壷」が見える。壷と二人が同時に見えることはなく、壷が見えるときは、壷が「図」になり、周りは「地」になる。二人が見えるときは、二人が「図」であり、ほかは「地」になる。このように、注意を向けている「図」は感じられるが、その対象を浮き上がらせる「地」は感じられなくなる。
最後は「知的の特徴」の基礎知識!
【第五問】中空にある月より地平線に近い月の方が大きく見える。これは錯視による。
正解は……
【解答】○
【解説】錯視とは、実際には同じ大きさや長さのものが異なっているように知覚される現象(目の錯覚)。設問の記述は「月の錯視」と呼ばれるものである。なお、知的の特徴には、知的選択制、知覚の恒常性、錯視、知覚の補完、知覚の体制化、群化がある。
・ミューラー・リヤーの錯視図形
同じ長さの線の両端に矢羽を付けた場合、内向きに付けると線は短く見え(上図)、外向きに付けると線は長く見える(下図)。
・エビングハウスの錯視図形
中央のオレンジ色の円の大きさは同じだが、大きい物が周りに置かれると小さく(左図)、小さい物が周りに置かれると大きく見える(右図)。
文:長井まき
参考:
「2020年版 ユーキャンの社会福祉士 これだけ!一問一答&要点まとめ」ユーキャン自由国民社
「福祉教科書 社会福祉士・精神保健福祉士 完全合格テキスト 共通科目 2021-2022年版」翔泳社