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ヘルスケア 2023-04-17

地方は通いやすさとホスピタリティで口コミ&リピートにつながる!【Private salon Rin 村田弥穂さん】#2

地方でヘルスケア事業に携わっている方に、事業運営のための取り組みについてインタビューする本企画。前回に続き、佐賀県佐賀市を拠点に活動しているヨガインストラクターで看護師の村田弥穂さんにインタビュー。

後編では、前編でお伺いした「地方で活動するための心得3か条」の詳細や、集客面での取り組みについて、詳しくお話をお聞きしました。

お話を伺ったのは…
Private salon Rin 村田弥穂さん

大手エステサロンに18年勤務後、看護師に転職。その後、ヨガインストラクターの資格を取得。看護師の仕事と並行しながら、自宅サロン「Private salon Rin」にてマッサージやヨガ、デトックスを提供。地域のフィットネスジムやヘルスケア施設での出張教室も。

Instagram:@miho.murmur

コミュニティや年代に合わせ、喜ばれることを提供していく

40代以上の主婦が多いという村田さんのヨガ教室。
その年代やコミュニティによって求められるものも変わるそう

――前編で伺った「地域でヘルスケアのお仕事をするうえで大切なこと」について教えてください。

まずは「地域やコミュニティに合った方法で取り組む」ことです。佐賀県でも、市内と市外では違った感じがあります。それぞれに柔軟に視点をあわせて提供するものを変えていくことが大切だと思っています。

また2つめに挙げたのは、「年代に合わせて、わかりやすく伝える」ということ。私が市外で開いているヨガ教室は40~60代と年齢層が高めなんです。だからその年代に合ったアドバイスはもちろん心がけていますし、テーマがわかりやすいように教室の名前を「健康ヨガ」にしたり、ヨガの導入に紙芝居を取り入れて何故このポーズをするのか伝えるようにしたりと、「わかりやすさ」にはこだわっています。

――紙芝居はおもしろいし、絵があると伝わりやすそうですね。

そうですね。言葉だけで伝えていたときは、とくにヨガ哲学などの話は「何それ?」という方もいらっしゃいました。やっぱり言葉だけだと伝わらない部分はありますよね。でも絵があることで集中して聞いていただけるんです。

今ではレッスンの前に5~10分ほど、その日に取り組むヨガにまつわるお話を紙芝居3枚でお伝えしています。

――では、3つ目の「喜んでもらえることを提供する」というのは?

せっかく来ていただいた方には、やっぱり喜んでいただきたいですよね。ヨガをしてすっきりしたというだけでなく、マッサージでアロマを使ったり、お誕生月にいらっしゃったら500円オフでヨガを受けられたり。

生徒さんたちのなかでお誕生月が重なったりすると、みなさんで「おめでとうございます」と言いあったりするんです。そんなコミュニティのなかで会話のきっかけになるような取り組みは、とても喜んでいただけますし、通っていただけるきっかけにもなっているなと感じます。

通いやすい価格設定、親身な接客がリピートにつながる

ヨガやマッサージは都度払い制で価格もリーズナブル。
主婦層も通いやすい設定がリピートにもつながっています。

――他にも地域の方に通ってもらうための取り組みを教えてください。

通いやすいように料金は都度払い制にしていて、ポイントカードを作っています。また6回通うと値引きをするという特典も。ポイントをためて何か嬉しいことがあるのって、やっぱりみなさん好きですから。自宅サロンのマッサージも通いやすい価格帯にしています。

あとはこれまでの経歴そのものが、他の方との差別化にもなっているのかなと思いますね。とくに看護師の資格を持っていることで、日々の健康についてのアドバイスを求められることも多いです。ヨガ教室の生徒さんも「ここが痛いんですけど、どんな動きをしたらいいですか」とか「痛みが取れない場合は何科に行ったらいいですか」と聞いてくださったりします。

そういったお話ができるというのを、クチコミで聞いて来てくださるんですよね。集客の入り口は、ほとんどクチコミです。

――リピートにつなげるための取り組みはされていますか?

自分で言うのもおこがましいですが、リピートしてくださる方は私の何かしらを気に入ってくださっているんだと思います。でも正直、自分では何を気に入っていただけているのかわかっていなくて。

ただ私は気になると、いろいろ考えずにやっちゃうところがあるんです。「今日はちょっと疲れている」と言われたら、決めていたレッスンメニューから強度の弱いものにすぐに組み立てなおしたり、自宅サロンなら軽くマッサージをしてから始めたり。言われなくても「疲れてそうだな」と思ったら、帰り際に声をかけたりして。そういうところを見ていただけているのかなと思います。

――そういった声掛けがあると「ちゃんと見てくれている」と感じられますね。

エステティシャン時代が長かったせいか、お客様に対する接客が自分で厳しくなっている面もあります。こうしたらお客様が離れていくというのも、やっぱりわかっていますから。

お客様が言わなくても、希望されていることを察知する。そして、その方に合ったものを提供するというのは、いつも心がけています。

――提供するものとしてヨガ、マッサージと引き出しが多いのもメリットですね。

そうですね。ヨガの予約で入っていた方が、疲れているからマッサージにできますか?ということもたまにあります。そこですぐに対応できるのは、いいところだと思います。

ヨガをしている方って健康志向ではあるんですが、ほとんどが仕事をされていて、精神的な疲れを抱えている方がすごく多いんです。だからヨガでもマッサージでも、私ができることで癒やせたらなと思います。

これからも地域の健康寿命をのばす一助になりたい

看護師としての経験や立場が、自宅サロンや教室での活動にも
役立っているという村田さん。今後も兼業を続けていきます。

――今後の展望を教えてください。

これまで以上に手ごろに通ってもらえるように、都度払いだけでなくパッケージ売りで少しお安くできるような方法も考えていきたいなと思っています。

また今は自分が居住している地域をメインに活動していますが、今後は自分が生まれ育った地域でも活動したいです。自分の親がいるというのもあるんですが、公民館などで健康ヨガをしたり、健康に生きていくためのお話を伝えていきたいです。

あとは、今後も看護師と並行してやっていきたいですね。インストラクターのお仕事も増えてきたので1本にしたら?と言われることもあるんです。でも、病院に勤めていることで健康にまつわる最新情報が入ってきますし、アバウトに知っていることをより詳しく伝えられるという利点もあります。

やっぱりみなさん、健康寿命を長くすることを目指していると思うんです。病院で目の当たりにしている年配の方の大変な様子を伝えていくと、「そうなりたくない」と思われる方は多い。そういう思いに、私も答えていきたい。みなさんの求めることを提供し、健康のお手伝いをしていきたいなと思っています。

――最後に、これから地方で開業する方へのアドバイスをお願いします。

今はオンラインなどで遠くの方ともやりとりできますが、健康にまつわる仕事をするなら、まずは自分の周りからアプローチして欲しいです。やっぱり看護をしているなかでも、声をかけるだけじゃなく、触ったほうが安心してくれるんです。だからやっぱり、自分と近い人から、触れられる範囲から取り組んで欲しい。それが広がっていくのが理想的なんじゃないかと思います。

取材・文/山本二季

Information

Private salon Rin
住所:佐賀県佐賀市八戸溝
ご予約、お問い合わせはInstagramをチェック

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