介護職員初任者研修試験落ちたらどうすればいい?試験に合格するためにするべきことや勉強の注意点もご紹介
介護の仕事をするうえで、知識を身につけたい・仕事の幅を広げたい・資格手当をもらいたいなどといった理由で、介護職員初任者研修試験を受ける方は多いのではないでしょうか。
資格を取得することでさまざまなメリットを得ることができますが、もしも試験に落ちた場合、どうなるのでしょうか。今回の記事では、介護職員初任者研修試験に落ちた場合の対処法や、試験に合格するためにするべきことをご紹介します。
介護職員初任者研修試験に落ちた場合どうすればいい?
介護職員初任者研修試験に挑んでも、合格できずに悩んでいる方もいるかもしれません。しかし、安心してください。介護職員初任者研修試験に合格できなかった場合も追試や再試験が実施されることが多いです。
追試や再試験は、講座を受講したスクールで受けることができます。ただし、スクールによって、追試や再試験に受験料がかかる場合があるため、自身が利用しているスクールで確認しましょう。
介護職員初任者研修試験について
介護職員初任者研修試験をすでに一度受験した方もいれば、これから試験に臨む方もいるでしょう。初めて介護職員初任者研修試験を受験する方のために、概要をご紹介します。
まず、資格を取得するためには、介護関連スクールに通学または通学と通信でカリキュラムを受けます。通信学習は、厚生労働省の定めにより最大で40.5時間の実施に制限されているため、介護職員初任者研修に必要な130時間を満たすことができません。そのため、スクールでは、通学または通学と通信のどちらかの方法で受講します。カリキュラムは、以下の通りです。
カリキュラムを修了した後は、試験に挑みます。スクールによって異なりますが、基本的に試験時間は1時間、出題形式は、記述式問題と選択問題で、32問以上が出題されます。試験の範囲は、カリキュラムで学んだものを基に出題されるため、日々の学習は大切になるでしょう。
合格率は公表されていない
介護職員初任者研修試験の合格率は、残念ながらどこのスクールでも公開されていません。しかし、介護職員初任者研修試験は、介護職の入口に位置する研修であることに加えて、再試験を受けられることから、一般的に合格率は高いとされています。
試験に合格するために、復習を怠らず理解を深めるようにしましょう。
試験の難易度
介護職員初任者研修試験の合格ラインは、試験を開催するスクールによって多少異なりますが、一般的に100点中70点が合格ラインとされています。
この試験は、受験者を落とすことが目的ではなく、カリキュラムの内容をきちんと理解しているかどうかを確かめる試験のため、難易度はそれほど高くありません。
介護職員初任者研修試験に合格するためのポイント
介護職員初任者研修試験は、カリキュラムの内容を理解しているどうかをチェックする試験のため、介護資格のなかでは、比較的難易度が低いといえるでしょう。だからといって、勉強を怠ってしまうと合格はできません。
また、勉強をどう進めていけばいいのかわからないという方もいるでしょう。
そこで、介護職員初任者研修試験に合格するためのポイントを3つご紹介します。
1.勉強時間を確保する
講座の受講以外に、自発的に予習や復習をするための時間をある程度確保しなければいけません。もしも、働きながら資格勉強をしているのであれば、計画的な予定を組む必要があるでしょう。
介護職員初任者研修の合格までにかかる期間は、平均で4ヶ月程度です。講座を受ける頻度によっては、取得までにかける期間を短くすることもできます。しかし、極端に詰め込み過ぎると知識が定着しないかもしれません。試験勉強に取り組む際は、期間にゆとりを持ち、計画的に勉強時間を確保するようにしましょう。
2.授業内容を理解して復習もする
介護職員初任者研修試験では、カリキュラムで学んだ内容から出題されます。そのため、学んだ箇所は理解しておかなければいけません。分からない箇所をそのままにしてしまうと、試験に出題された場合、解くことができません。
分からない部分はそのままにせず、復習する、または先生に聞くなりして理解できるようにしておきましょう。
3.模擬試験や過去問で苦手分野を確認する
授業で学んだことをある程度理解して、知識が身についたあとは、模擬試験や過去問題に取り掛かりましょう。模擬試験や過去問題を解くことで、試験の傾向を知り対策を練ることができます。また、模擬試験や過去問題は、自分の苦手な分野を知る機会にもなります。
苦手分野を把握して克服することで、合格に必要な得点を稼ぐことができます。模擬試験は、アプリやインターネットで公開されているほか、利用しているスクールが公開していることもあるため、積極的に活用しましょう。
模擬試験や過去問題に取り組む際の注意点
模擬試験や過去問題を解くことは、本番の試験を想定した対策になります。しかし、模擬試験や過去問に取り組む際に、注意するべきことがあります。それは、問題や解答を暗記しないことです。過去問の得点を目的にしてはいけません。
過去問を解くうえで大切なことは、試験を通じて介護の理解を深めることです。問題や解答を暗記してしまうと、なぜその解答になるのかを理解しないまま終えてしまいます。模擬試験や過去問題に解く際は、理解を深めることを心がけて取り組みましょう。
介護職員初任者研修試験に合格するメリット
介護職員初任者研修試験に合格することで、さまざまなメリットを得ることができます。得られるメリットを4つご紹介します。メリットを知り、今後の活動に活かしてください。
1.訪問介護が行える
介護職員初任者研修を取得することで、訪問介護の業務を行うことができます。訪問介護の仕事は、身体介護・生活援助・通院介助などを行うことです。
施設での身体介護と生活援助については、無資格でも行うことはできますが、訪問介護による身体介護や生活援助のサービスなどを提供することができません。
2.応募できる求人の幅が広がる
求人のなかには、未経験や無資格でも応募できるものがあります。一方で、介護職員初任者研修の取得を条件としてる求人もあります。たとえば、先ほどご紹介した訪問介護は、介護職員初任者研修を取得していなければ就くことができません。
このように、介護職員初任者研修を取得しておくことで求人の幅がひろがり、選択肢を増やすことができます。
3.資格手当がつく場合がある
介護職員初任者研修を取得することで、資格手当を受け取れる場合があります。厚生労働省が公表した令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果によると、介護職員初任者研修の資格保有者の平均給与額(月給・常勤の者)は、300,510円です。一方、保有資格なしの場合は、271,260円で、約27,000円もの差があります。
しかし、職場によっては資格手当が無いことがあるため、求人のを探す際は、資格手当の欄を見ておくといいでしょう。
4.キャリアアップにつながる
介護職員初任者研修を取得したあとは、上位資格となる介護福祉士実務者研修や、介護資格唯一の国家資格である介護福祉士の資格を得ることで、キャリアップに繋がります。介護福祉士実務者研修は受験資格に制限がありませんが、介護福祉士は、介護福祉士実務者研修を修了していないと、試験を受けることができません。
一人で勉強することに行き詰った時はサポートを活用しよう
ひとりで試験勉強をしている時に、行き詰まってしまってどう対処すればいいかわからず、困ってしまったといった経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか。
そんな時は、ひとりで悩まず、積極的に周りの方に助けてもらいましょう。もしも、ハローワークを活用しているのであれば、介護職員初任者研修に関する質問を受け付けています。
また、資格スクールのニチイでは、講座とは別に復習セミナーの開催やWebサイトから質問を送るシステムなどを提供しています。
試験に落ちても再試験が可能!諦めずに挑戦しよう
今回の記事では、介護職員初任者研修の概要や合格できなった場合の対処法、試験に合格するためにするべきことをご紹介しました。介護職員初任者研修は介護職の入り口として基礎知識や技術を習得することができるため、取得して損はしないでしょう。
もしも、試験に合格できなかったとしても再受験ができます。試験に合格するためには、時間確保・復習・苦手分野を確認しましょう。落ちてしまっても、諦めずに勉強を続けて試験に挑んでみてください。
引用
ニチイ:介護職員初任者研修のよくあるご質問
三幸福祉カレッジ:よくあるご質問
ベネッセスタイルケア:よくあるご質問
厚生労働省:介護職員・介護支援専門員
厚生労働省:令和3年度 介護従事者処遇状況等調査結果
厚生労働省:介護員養成研修の取扱細則について