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ヘルスケア 2023-03-13

生徒から受けた人生相談が転機になり、ヨガ人生が充実 ヨガインストラクター・浦西千織さん

大手ヨガスタジオで12年キャリアを積み、その後フリーランスとして活動するなかでのべ8万人にレッスンを提供してきたという、ヨガインストラクターの浦西千織さん。前編ではインストラクターとしてどのようにキャリアを築いてきたか、また大事にしてきたことを伺いました。生徒さん1人1人に向き合うようになり、ヨガインストラクターとしての充実度が変わったと話す浦西さん。その転機となったのが、ある生徒さんから受けた人生相談だったといいます。

今回、お話を伺ったのは…

浦西千織さん

ヨーガ指導者/チネイザンセラピスト/気功愛好家

パン職人として働いていたときに、過労で腰痛を起こし仕事を辞めざるを得なくなった経験から、身体の調整の為にヨガを始める。初めて受けたヨガのクラスで大号泣するという浄化を経験し、ヨガに可能性を感じて、ヨガインストラクターの道へ。大手ヨガスタジオにてのべ8万人に向けてレッスン講師を担当したほか、12年間トレーナーとして1000人以上のインストラクターの採用、教育、査定、資格取得講座を担当した経験を持つ。2017年にはフリーに転向し、現在は 主に陰(いん)ヨガ指導者をメインに、チネイザンセラピストとしても活動中。

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自分の感情が解放される体験をし、ヨガインストラクターになることを決意

ヨガインストラクターの浦西千織さん。最初にヨガに触れたときから、将来を通してヨガを届けようと心に決めたそう

――ヨガインストラクターとして、どのようにキャリアをスタートさせたのでしょうか?

大手ホットヨガスタジオに所属し、ヨガインストラクターとして活動を始めました。ヨガインストラクターを目指したのは、初めて体験したヨガで号泣するという経験をしたからです。そのときはなぜ泣いたのかよく分からなかったのですが、ヨガのなかで自分と向き合い、自分のなかの消化できていない気持ちがあふれだしたのではないかと思います

ヨガインストラクターになる前にパン職人をしていたのですが、腰を悪くしてしまい辞めざるを得なくなってしまって。体を整えるためにヨガに通い始めたのですが、自分が大好きだったパン作りの仕事を辞めることにまだ折り合いがついていなくて、泣くという形で感情が現れたのだと思います。ヨガは単なる運動ではなく、自分に向き合える最強のツールだということに気が付き、これを広めていきたいと決意。すぐに大手ホットヨガスタジオに就職しました

その頃、会社は全国に店舗拡大をしていこうと動いていたところだったので、未経験者でも積極的に採用をしていました。私もヨガを始めてからまだ2カ月ほどでしたが、研修制度が充実していたので、安心して働くことができたと思います。その会社で10年ほどキャリアを積みました。

――大手ヨガスタジオで働くことには、どんなメリットがありましたか?

うちの会社は、最初の研修時だけでなくキャリアを積んでからも、積極的に研修を受けることを推奨していたので、海外研修などを受けさせてもらう機会にも恵まれました。また働き始めてから1年ほどするとインストラクターの育成も任せてもらえるようになり、日本各地の店舗を周るようになったんです。これも旅好きの私にはメリットでしたし、自分が指導に携わったインストラクターが活躍していくことにやりがいを感じていました。

生徒さんからの人生相談が気付かせてくれた、1人1人と関わるということ

どんなにレッスンの人数が増えても、1人1人と丁寧に関わることを心がけているという浦西さん

――ヨガインストラクターとして心がけてきたことはどんなことでしょうか?

ある時点から、どんなに大人数のクラスでも生徒さん1人1人と関わることを意識するようになりました。当時は1度に20~30人の生徒さんを相手にレッスンをしていたので、常に1対大勢という気持ちで接していたんです。そんなときにある生徒さんから人生相談を受ける経験をして。それが自分にとっては、なぜ私を頼ってくれたんだろうと驚きだったんです。そのように驚くというのは、1対1で接することができていなかったという証拠。そこからは、1対1の関係性を築きたいというより、そうしなくてはならない、と思うようになりました

――なぜ、そうしなくてはならないと思ったのでしょうか。

ヨガインストラクターを始めて1年目くらいから、仕事に少し物足りなさを感じていました。毎日忙しいし、充実も感じていました。ただその当時は会社が決めた通りのプログラムを1日に何クラスも提供していたので、生徒さん1人に接する時間が少なく、毎日同じことの繰り返しのような気がしていたんです

でもその生徒さんとのやりとりがきっかけで、人と深くかかわることこそがヨガを通して実現したいことなんだと再認識することができました。気持ちが変化すると、レッスンに取り組む姿勢も変わり、毎日が充実するようになってきたんです。

――気持ちが変わることで、レッスンの内容も変わりましたか?

はい。自分の気持ちに変化が訪れたタイミングで、会社が新たな形態のヨガスタジオをオープンすることになりました。そこではこれまでのような会社提供のプログラムではなく、インストラクターがプログラムを考えて提供するレッスンを担当することになったんです。しっかり動くクラスがメインのスタジオではありましたが、その時に私が現代人に必要だと感じていた陰ヨガを提供する機会を持つことができまして。陰ヨガは1つのポーズに3分くらいかけるスタイルで、生徒さんの体に長く触れます。

体に触れながらその方の気と自分の気を循環させていくと、表面的には元気に見えているような方でも、疲れている部分が見えてきたりすることもありました。生徒さんについてより深く知ることができ、よりそれぞれの生徒さんあったレッスンの提供が可能になったと思います。

会社に在籍しながら外部ヨガスタジオでも学び続け、陰ヨガを習得

外部のヨガスタジオで学び続けていたことが、フリーランスの転向をスムーズにしたと浦西さん

――会社ではホットヨガのプログラムを提供されていたにも関わらず、途中から陰ヨガを提供することができたのは、なぜでしょうか?

自分のヨガの練習のために、別のスタジオにも通い続けていたんです。会社とは違う外の世界で、決まったプログラムではないレッスンに自分の身を置いたときに、ヨガの世界とはなんて広く、深いのだろうと思いました。そのときに会社以外の場所でも学び続けるべきだろうと思い、陰ヨガのほかにも太極拳や氣功、チネイザンという内臓セラピーなども学び始めたんです

その後、会社を退社するのですが、会社に在籍にしていたときからさまざまなヨガを学んでいたことで、フリーランス転向後に提供できるレッスンの幅を広げてくれたのかなと思います。

――フリーランスに転向されたあとも、集客などはスムーズでしたか?

そうですね。会社に在籍していたときからFacebookが推奨されていまして、生徒さんとつながっていたので、卒業の報告や、新しいレッスンの案内などもすることができました。


後編では、現在の浦西さんがヨガと同じくらい力を入れているチネイザンの施術について詳しく伺います。ヨガとは違い、チネイザンは人を介して客観的に自分を知ることができるツールだと話す浦西さん。また会社に所属した経験がある浦西さんだからこそわかる、フリーランスの魅力やメリットについてもお聞きします。後編もお楽しみに!

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