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特集・コラム 2023-03-16

医療介護福祉士とは?その他介護福祉士のキャリアアップにつながる資格と申し込み方法をご紹介

医療介護福祉士は、資格取得の過程を通じて医学的知識を習得できることから、介護福祉士のキャリアップの方法のひとつとして取得を検討している方もいるかもしれません。

今回の記事では、医療介護福祉士の資格に加えて、介護福祉士のキャリアアップにつながる資格をご紹介します。自身のキャリアを形成していくために、ぜひ参考にしてください。

医療介護福祉士で学べること

医療介護福祉士は、一般社団法人日本慢性期医療協会が認定している民間資格です。2010年に開始された資格制度のため、介護福祉士と比べると新しい資格です。医療介護福祉士の資格は、事故防止や緊急時の対応などに必要な医学的知識を有している証明になります。

医療介護福祉士は、一般社団法人日本慢性期医療協会が開催する講座を受講する必要があり、講座は主に慢性期医療を学ぶためのカリキュラムが組まれています。

新しく取得することはできない

医学的知識を学ぶことができる医療介護福祉士ですが、一般社団法人日本慢性期医療協会は講座の開催を終了したため、今後、新たに資格を取得することができません。そのため、介護福祉士からキャリアアップをするためには、別の資格に取り組む必要があります。

しかし、医療介護福祉士以外にどのような資格があるのかわからない方もいるかもしれません。そこで、介護福祉士のキャリアアップにつながる資格を次でご紹介します。

介護福祉士のキャリアアップにつながる資格4つ

介護福祉士からキャリアップを目指せられる資格は、医療介護福祉士だけではありません。介護に関連する資格は、職種によりさまざまで、それぞれ専門性のある知識やスキルなどが異なります。

そのなかから、介護福祉士のキャリアアップにつながる資格を4つご紹介します。受験資格・受験費用・申し込み方法などをご紹介しますので、ぜひ確認してみてください。

1.認定介護福祉士

認定介護福祉士は、日本介護福祉士会が認定する民間資格で、介護福祉士の上級資格として位置づけられています。

認定介護福祉士の養成研修を受講するためには、要件は以下の4つを満たさなければいけません。受講要件について認定介護福祉士認証・認定機構のホームページに記載されているものを引用します。

・介護福祉士資格を有している
・介護福祉士の資格取得後、実務経験5年以上
・介護職員を対象とした現任研修の100時間以上の研修歴を有している
・研修実施団体の課すレポート課題または受講試験において一定の水準の成績を修めている(免除される場合もある)

以上の要件を満たしたうえで、認定介護福祉士養成研修Ⅰ類とⅡ類のカリキュラムを修了、機構による審査を経て認定証を受け取ることができます。

全カリキュラムを修了するためにかかる費用の目安は、会員が30万円・非会員が60万円ほどで、受講を申し込むためには、各実施団体のホームページから問い合わせが必要です。

実施団体については、認定介護福祉士認証・認定機構のホームページを確認しましょう。

引用元:日本介護福祉士会:認定介護福祉士になるには

2.社会福祉士

社会福祉士は、身体や精神上などの理由で日常生活に支障がある利用者からの相談援助を行うために必要な福祉・介護知識を有した証明になる国家資格です。

社会福祉士の受験資格は、一般大学や短大・福祉系の大学や短大・相談援助の実務経験など、取得ルートが全部で12個にわかれています。詳細の受験資格は厚生労働省のホームページを確認するようにしてください。

受験費用は、試験の数や免除などで異なります。参考のために、公益社団法人社会福祉振興・試験センターのページに記載されている令和5年度の社会福祉国家試験の受験手数料を引用します。

・社会福祉士のみ受験する場合:19,370円
・社会福祉士と精神保健福祉士を同時に受験する場合:36,360円(=社会16,840円+精神19,520円)
・社会福祉士の共通科目免除により受験する場合:16,230円

社会福祉国家試験を申し込むためには、公益社団法人福祉振興・試験センターの申し込みページから行います。なお、初めて社会福祉国家試験を受験する場合は、インターネットではなく、郵送による申し込みになるため注意してください。

引用:公益社団法人社会福祉振興・試験センター:社会福祉国家試験

3.ケアマネージャー(介護支援専門員)

ケアマネージャーは、介護保険法にもとづき、介護保健制度の利用者やその家族から受ける介護サービスの相談受け、利用者に合ったケアプランを作成することが主な仕事です。

資格を取得することで、介護保険のスペシャリストとして必要な知識を有している証明になります。ケアマネジャーは、各都道府県で試験が実施されおり、受験資格はそれぞれ異なります。東京都を例に、令和5年度に実施された試験の受験資格を公益財団法人東京都福祉保健財団のホームページを引用してご紹介します。

1.受験地が東京都であること
2.対象となる資格及び業務内容で一定の実務経験を満たすこと(下表)

※別表1
※別表2

試験の申し込みは、各都道府県の担当課の指示に従い行う必要があります。担当課の一覧は、公益社団法人福祉振興・試験センターのホームページから確認できます。

ケアマネージャーの試験費用についても、各都道府県で異なるため確認するようにしましょう。

引用:公益財団法人東京都福祉保健財団:令和5年度東京都介護支援専門員実務研修受講試験

4.社会福祉主事

社会福祉主事は、都道府県や市町村の福祉事務所で社会福祉にかかわるサポートをおこなう職員のことで、就業するためには社会福祉法第18条および第19条で定義されている資格である社会福祉主事任用資格が必要です。

社会福祉主事任用資格を取得するためには、4つの取得方法があります。4つの方法について、社会福祉法人全国社会福祉協議会に記載されているものを引用します。

1.大学、短期大学において、厚生労働大臣の指定する社会福祉に関する科目を3科目以上修めて卒業した者
2.厚生労働大臣の指定する養成機関又は講習会の課程を修了した者
3.厚生労働大臣の指定する社会福祉事業従事者試験に合格した者
4.上記1.から3.に掲げる者と同等以上の能力を有すると認められた者として厚生労働省令で定める者

上記の方法のうち、最も自身に適した方法で取得するようにしましょう。社会福祉主事任用資格の取得にかかる費用は、それぞれの方法によって異なるため、自身の取得方法に沿って確認するようにしてください。

引用:社会福祉法人全国社会福祉協議会:福祉の資格

介護福祉士におすすめの研修

資格を活かしたキャリアアップの他に、介護士として専門性を高めるための研修があることをご存知でしょうか。

介護福祉士におすすめの研修を2つご紹介します。

ファーストステップ研修

ファーストステップ研修は、介護現場における小規模チームのリーダー養成を目的にケア・連携・運営管理基礎を学ぶためのカリキュラムが組まれています。研修を修了することで、現場の介護チームのなかで、リーダーして仕事を任される機会が増えるかもしれません。

ファーストステップ研修は、主に各都道府県の介護福祉会で実施されており、研修の対象者・参加にかかる費用・申し込み方法は、各都道府県により異なります。実施場所については、公益社団法人日本介護福祉会のホームページで一覧を見ることができるため、確認しておきましょう。

喀痰吸引等研修

喀痰(かくたん)吸引等研修は、一部の医療行為を行うために必要な資格です。介護職は、原則として医療行為を行うことができません。しかし、資格を得ることで一部の医療行為に携わることができ、利用者に提供できるサービスを増やすことができます。

喀痰吸引等研修の試験に合格したあとに、都道府県から認定証を交付してもらうことで、2つの医療行為を行うことができます。以下、厚生労働省のホームページに記載されているものを引用します。

・たんの吸引(口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内部)
・経管栄養(胃ろう、腸ろう、経鼻経管栄養)

喀痰吸引等研修を受講するために、必須となる資格や要件はありません。この研修は、基本研修と実地研修にわかれており、さらに、実施する治療法や担当する患者の病状によって基本研修が第一号・二号・三号にわかれています。詳細は、厚生労働省のホームページを確認しましょう。

費用についても、研修を実施する自治体や登録研修機関などで異なるため確認しておく必要があります。

引用:厚生労働省:介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度について

資格勉強を始める前の注意点

介護福祉士と併せて別の資格を取得すれば、介護だけでなく別の専門分野の知識も合わせて仕事で活かすことができるほか、資格手当で給料がアップする可能性があるなど、得られるメリットはさまざまです。

これから、キャリアアップに向けて資格勉強に取り組む方もいるかもしれません。資格勉強を始める前に2つ注意点があります。最後に、資格勉強を始める前の注意点をご紹介します。

受験要件をよく確認する

まず、受験要件をよく確認するようにしましょう。これは研修においても同様です。資格によっては、介護福祉士の資格やある程度の実務経験が必要とされている場合があります。また、各都道府県などの自治体や各団体で試験が実施されている場合は、それぞれ要件が異なることがあるため、要件が満たせない可能性もあります。

そのため、資格の勉強や研修に参加する前に、要件をきちんと満たしているかを確認しましょう。

スクールや通信講座で学習する際は自分に合うものを選ぶ

資格の勉強をするうえで、独学で進めていくことが難しく、スクールや通信講座の利用を検討している方もいるかもしれません。スクールや通信講座を選ぶ際は、自分の環境に合う方を選ぶといいでしょう。

たとえば、通学が必要な資格であれば自宅や職場に近いスクールを選ぶなど、資格に応じた選び方も大切になります。

スケジュールに無理がないようにしよう

スクールや通信講座を受講するか独学かに関係なく、スケジュールに無理がないように勉強しましょう。試験日から逆算してゆとりを作り、通える日数が充実しているコースを選ぶことで、無理なくスケジュールを組むことができるでしょう。

自分のペースで資格勉強に取り組んでキャリアアップを目指そう

今回の記事では、医療介護士のほか、介護福祉士のキャリアアップにつながる資格と研修をご紹介しました。医療介護士は講座が開催されないため、今後は新たに資格を取得することができません。

介護福祉士からキャリアアップを目指すためには、医療介護福祉士以外の資格、または研修を受けるといいでしょう。資格や研修のなかには、細かい受験要件が課せられている場合や、各実施機関によって詳細が異なる場合があるため、受験先のホームページをよく確認しましょう。

また、勉強に取り組む際は、無理をせず自分のペースで学習できるようにすることがポイントです。合格したあとは、介護福祉士と合わせてキャリアアップを目指しましょう。

引用元
一般社団法人認定介護福祉士認証・認定機構:認定介護福祉士になるには
一般社団法人認定介護福祉士認証・認定機構:認定介護福祉士養成研修について
公益社団法人社会福祉振興・試験センター:社会福祉士国家試験資格制度の概要
公益社団法人社会福祉振興・試験センター:社会福祉士国家試験受験資格(資格取得ルート図)
公益社団法人社会福祉振興・試験センター:受験トップ
公益社団法人社会福祉振興・試験センター:社会福祉国家試験
社会福祉法人全国社会福祉協議会:福祉の資格
中央福祉学院:講座一覧
厚生労働省:社会福祉主事任用資格の取得方法
東京都福祉保健局:介護支援専門員実務研修受講試験
公益社団法人社会福祉振興・試験センター:介護支援員
公益財団法人東京都福祉保健財団:令和5年度東京都介護支援専門員実務研修受講試験
公益財団法人東京都福祉保健財団:受験資格コード
公益財団法人東京都福祉保健財団:相談援助業務に従事する者
厚生労働省:喀痰吸引等研修 研修過程
厚生労働省:喀痰吸引等研修 修得程度の審査について
公益社団法人日本介護福祉会:介護福祉ファーストステップ研修
公益社団法人日本介護福祉会:ファーストステップ研修ガイドライン

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