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特集・コラム 2021-01-14

ケアマネジャーの担当件数とは? 居宅と施設で業務内容はどれくらい違うの?

介護支援専門員はケアマネージャーと呼ばれることもありますが、正式名称はケアマネジャーです。このケアマネジャーには、ひとりあたりの担当件数には決まりがあり、居宅と施設で人数が異なるのです。今回は、居宅ケアマネと施設ケアマネの担当件数やカウント方法をみていきましょう。業務内容についても、それぞれ比較しながらご紹介します。担当件数だけでなく、ケアプランや勤務場所に違いがあるため、ケアマネとして働く場合は注意が必要です。

ケアマネジャー(介護支援専門員)の担当件数とは?

ケアマネジャーの担当件数には、どのような決まりがあるのでしょうか。居宅のケアマネの標準担当件数やカウント方法について解説します。また、施設ケアマネの担当件数も確認しておきましょう。

居宅ケアマネジャーは利用者35人に対して1人配置

居宅ケアマネの標準担当件数は、35人に対して1人の決まりがあります。介護保険施設での常勤はできませんが、ほかの仕事との兼務は可能です。ただし、介護報酬における担当件数は、ケアマネジャー1人あたり40件未満、介護予防支援の場合は20件未満となります。場合によっては担当件数を超えることもあるものの、1人のケアマネジャーの業務に支障をきたすほど負荷がかかると行政指導が入る可能性があり注意が必要です。

取扱件数のカウント方法は、利用者総数を常勤換算方法で算出したケアマネジャーの人数で割って出します。利用者総数は要介護者と、要支援者に0.5をかけた数字です。常勤換算方法は1カ月の勤務実績表で勤務時間を集計し、「常勤者が勤務すべき時間」で割ります。小数点第2位以下は切り捨てで、残業時間は含まれません。仕事を兼務している場合は、勤務時間を合計して計算します。

居宅介護の仕事内容は、居宅の要介護者が居宅サービスを適切に利用できるよう状況判断をおこない、居宅サービス計画の作成やサービス事業者との連絡調整をすることです。居宅の要介護者が介護保険施設への入所を希望する場合は、施設の紹介もおこないます。

施設ケアマネジャーは利用者100人に対して1人配置

施設のケアマネは、利用者100人に対して1人配置しなければなりません。施設とは介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)のことを指し、要介護高齢者が生活します。定員が29名以下の場合は、地域密着型介護老人福祉施設(地域密着型特別養護老人ホーム)と呼ばれるのが一般的です。入浴・排泄・食事のほか、日常生活の世話や機能訓練、健康管理をおこないます。

担当件数以外にも違いはある? 居宅と施設での業務内容を比較!

居宅と施設では、担当件数以外にも違いがあるのが特徴です。それぞれの業務内容を比較しておきましょう。

居宅ケアマネの業務内容は?

居宅ケアマネのおもな業務内容は、利用者の自宅訪問サービスとケアプランの作成です。業務内容を具体的にご紹介します。

居宅介護支援事業所から利用者の自宅へ訪問してサービスをおこなう

居宅介護支援事業所に所属し、担当になった利用者の自宅へ訪問するのが業務内容のひとつです。はじめに利用者や家族と面談をおこない、サービス内容や介護保険制度の説明をします。次に面談をふまえて情報を整理し、必要なサービスを洗い出したうえで自宅へ訪問してサービスをおこないますが、サービス内容は利用者の環境や状態によって異なる点が特徴です。

居宅サービス計画(ケアプラン)を作成する

ケアプラン作成も、ケアマネジャーの仕事です。ケアプランは介護保険サービスの利用方法をまとめた報告書のことで、利用者はケアプランに沿ったサービスを受けます。ケアプランにはサービスの種類や内容、利用回数・利用料金などを記入します。原案を利用者と家族に確認してもらい、問題がなければケアプランの完成です。

サービスを開始したあとも、ケアマネは利用者のもとを定期的に訪れて、ケアプランに不都合がないか確認します。居宅サービスの場合、ケアプランの書類は7枚ほどで構成されていることが多いです。そのうち、5枚の書類が利用者とケアマネジャーで共有されます。1枚ごとに記入する内容は、以下のとおりです。

・1枚目:利用者と家族の意向やサービス内容の方針
・2枚目:利用者の課題と目標、具体的なサービス内容
・3枚目:1週間のタイムスケジュール
・4枚目:事業者の実施計画表
・5枚目:1カ月の介護サービスの利用単位と費用

利用者とケアマネジャーが共有しない2枚については、サービス担当者会議の記録とケアマネジャーとの相談内容の記録が記載されています。

施設ケアマネジャーの業務内容は?

施設ケアマネジャーはどのような業務をおこなうのでしょうか。居宅ケアマネと比較しつつ、施設ケアマネのおもな業務内容について解説します。

施設を訪れる利用者さんに対応して必要なサービスをおこなう

居宅ケアマネは利用者の自宅を訪れて介護サービスをおこないますが、施設ケアマネは施設を訪れる利用者に対してサービスをおこないます。勤務する施設は、特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・グループホーム・介護付き有料老人ホームなどさまざまです。

施設内でおこなえるケアプランを作成する

居宅のケアプランは自宅で自立した生活が送れるようになることを目的としていますが、施設では利用者が施設内で快適に過ごせるかが目的です。施設ケアマネは利用者の様子を確かめつつ、施設内でおこなえるケアプランを作成します。ケアプランの作成がメインの仕事で、施設内サービスと組み合わせてプランを作成しなくてはなりません。

施設が大きいと担当する利用者は100名ほどになるため、かなりの数のケアプランを作成することになります。ほかのスタッフとうまく連携をとりながら、仕事をこなしていく必要があるでしょう。

施設ケアマネは職場によって働き方が違うことも

施設ケアマネは職場によって、働き方が異なる場合があります。特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・グループホーム・介護付き有料老人ホームでの役割を、それぞれみていきましょう。

・特別養護老人ホーム・介護老人保健施設
特別養護老人ホームや介護老人保健施設では、ケアマネ業務だけでなく生活相談員や介護職員の仕事を兼務する場合があります。生活相談員は利用者や家族から話を聞き、介護職員は食事や入浴の介助をするのが仕事です。介護老人保健施設は、ケアマネジャーの仕事に支障をきたさなければ、ほかの業務へ従事することができます。ただし、人員配置基準は満たす必要があるので、勤務先の就業時間も計算にしっかりいれなければなりません。

・グループホーム
グループホームも同様に、介護職員の仕事を兼務することがあります。場合によっては管理職を兼務し、施設のマネジメントをおこなうことになるでしょう。

・介護付き有料老人ホーム
介護職員と兼務をする場合があるでしょう。民間企業が運営していることもあり、施設ごとに独自のサービスが存在します。介護職員といっても、業務内容はさまざまです。ただし、施設ケアマネと同時におこなえない職務については、兼務をおこなえません。

ケアマネジャーは居宅と施設で担当件数や働き方が違う

ケアマネジャーは、居宅と施設で担当件数が違うことがわかりました。居宅ケアマネは利用者35人に対して1人配置、施設ケアマネは利用者100人に対して1人配置です。働く場所やケアプランの作成目的にも違いがあり、居宅の場合は利用者の自宅を訪れますが、施設の場合は各施設で利用者とかかわります。施設ケアマネは、特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・グループホーム・介護付き有料老人ホームなど働く施設によって役割が異なるので注意しましょう。居宅と施設の違いを理解したうえで、業務にあたることが大切です。

参照元:
厚生労働省 居宅介護支援
厚生労働省 介護老人福祉施設

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