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介護・看護・リハビリ 2020-02-08

知りたい!ケアマネジャーとして働く魅力とは

介護の現場で活躍するケアマネジャー。「人の役に立ちたい」「介護職の中心的な仕事に携わりたい」という気持ちから、将来はケアマネジャーになりたいと考え、現在学校に通い勉強をしている方も多いのではないでしょうかそこで、ケアマネジャーの仕事はどういった点が魅力的なのかをまとめてみました。実際にケアマネジャーとして働いてみないとわからない魅力をここでお伝えします。

ケアマネジャーの仕事とはどういうもの?

ケアマネジャ-は、平成9年にスタートした介護保険制度の中核を担う存在としてできたまだ歴史の浅い職種です。ちなみに正式名称はケアマネジャーではなく「介護支援専門員」といいます。

ケアを必要とする高齢者とその家族、そして介護サービスを提供する施設や業者との間に立つ橋渡し的な存在となっています。主に高齢者からの相談を受けながらその人にとって最も良いと考えられるケアプランを作成し、要介護認定に関わる書類の作成を行うなど、施設や業者との調整をも行います。

ケアマネジャーになるには資格が必要です。そして介護保険や医療・福祉サービスの仕組みについてもよく理解しておかなくては務まりません。大変ではありますが、ケアマネジャーが問題解決に動きだせば、利用者が苦しんでいる状況をより良い方向へと導かせることができる、非常にやりがいのある仕事であるといえます。

利用者の方の喜びを実感することができる

ケアマネジャーの仕事のやりがいは、自分が行ったことによって高齢者本人やその家族が悩みを解決して、喜びを感じてもらえたと実感できるところにあります。介護を必要としている高齢者や、その家族は大きな不安や悩みといったものを抱え、困っている状態であることが多いものです。

そして、時には利用者本人から、また時には地域包括支援センターより相談依頼が寄せられる場合があります。ケアマネジャーはこれらの悩みに耳を傾け、じっくりと向き合ったうえで問題を解決へ導き、高齢者本人や家族が前向きに毎日を過ごしていけるように働きかけることができる立場であるのです。

高齢者ひとりひとりのみならず、必要であれば家族や関係者とも関わり合いながら、どのようなケアが最適であるか長期的に寄り添い考えてきた立場であるからこそ、それだけ高齢者やその家族の喜びそして安心感を心から実感できるのだといえます。

ケアマネジャーは責任を感じながら働くことができる

ケアマネジャーの仕事は、利用者の相談を聞き、それを解決することですが、実際の業務は多岐に渡ります。高齢者やその家族のことをよく知ることから始まり、実際に介護サービスを受けるための手続きを行ったり、時には住宅改修についての意見を述べたりもするなど介護業界において重要な役割を果たしています。

また、資格試験の合格率も非常に難易度が高く、社会的な地位も高く位置づけられているといえます。実際に自分の判断で行動を起こしていくことが求められる場面も多く、自分の知識や対応がそのまま利用者の状況に反映されるため大変な部分もあります。

けれど、それは逆に言えば、自分の行動次第で利用者を笑顔にしてあげることができるということでもあります。ケアマネジャーでないと行うことができない業務は多々あり「私がこれをしなければ、問題は解決しない」「私が利用者を笑顔にケアプランをたてる」という責任感をもって仕事を進めることができるという点もケアマネジャーの仕事の魅力であると言えるでしょう。

ケアマネジャーの仕事はとても重要な仕事であり、ケアマネジャーがうまく機能していなくては、介護サービスは成り立たないと言っても過言ではありません。利用者である高齢者やその家族と、介護サービスを行う施設や業者との橋渡しという難しい立場ゆえ、すぐに答えが出ない難しい問題に直面する場合もありますが、それだけに利用者の喜びを1番実感できるやりがいのある仕事なのです。

居宅ケアマネか在宅ケアマネ 職場によって変わるケアマネジャーの仕事内容

ケアマネジャーの仕事は利用者やその家族の介護についての相談をしたり、利用者にとって適したサービスが受けられるようケアプランを練ったり介護サービスと利用者をつなぐこと。

サービスを提供する事業所はもちろん看護師や担当医などを含む医療機関や地域包括支援センターなど複数の機関と連携して業務を行います。ケアマネジャーは居宅ケアマネジャーと施設ケアマネジャーの2つの働き方に分けることができます。

居宅ケアマネジャーとは居宅介護支援事業所など在宅で介護サービスを受ける利用者を対象とした事業所に勤務する場合であり、対して施設ケアマネジャーは特別養護老人ホームなどの介護保険施設に勤務して働く場合をさします。働くスタイルによって業務内容はもちろん1日の仕事の流れも変わってくるので、自分の生活スタイルに合わせて働き方を選ぶと良いでしょう。

居宅ケアマネジャーの1日

居宅介護支援事業所に勤務して働く居宅ケアマネジャーは在宅で介護を必要とする人々のサポートします。居宅ケアマネジャーは利用者の元を定期的に訪問し、サービスを受けるスケジュールの調整や要介護認定の申請など事務処理を担当します。

居宅ケアマネジャーの1日は9時ごろ居宅介護支援事業所へ出勤し、まずスケジュールや連絡事項の確認。午前中は電話対応やケアプランの作成、事務処理を行います。

昼食をとった後はかかりつけの医師やデイサービスセンターの相談員など複数のスタッフを交えてサービス担当者会議を行います。また必要な介護支援を受けられているかどうかモニタリングのため利用者の自宅を訪問したり、時には要介護認定の申請書類を提出しに区役所を訪れたりすることもあります。

16時頃居宅介護支援事業所に戻り、書類業務など事務処理や電話対応をこなした後、18時頃終業となります。急な業務がなければそのまま帰宅しますが、訪問のアポイントメントによっては残業したり利用者の急変などで駆けつけたりすることもあります。

施設ケアマネジャーの1日

施設ケアマネジャーとして働く場合は、ある程度施設のスケジュールなど決まった流れの中で仕事をすることになります。

まず出勤したら制服に着替え、9時頃の朝礼に参加します。24時間対応の施設の場合は夜勤スタッフからの申し送りを受け、入所者の健康状態など情報を共有。午前中は電話対応やケアプランの作成、要介護認定申請などの書類を作成など事務仕事をします。12時入所者の食事介助を行った後、スタッフと交代しながら昼食。

午後は入所者の居室を訪れてモニタリングを実施し、看護師や介護職の担当者を交えながらサービス担当者会議を行います。17時頃にケア記録を記入しケアプランの見直しなど事務処理を行い、ミーティングを行った後終業です。

施設ケアマネジャーは介護やレクリエーションなどの実施などさまざまな業務を兼任することが多く見られます。居宅ケアマネジャーの利用者の担当件数が35件程度なのに対し施設ケアマネジャーは100件程度と担当する件数が異なるのも特徴です。

それぞれ事業所や施設によって業務やタイムテーブルが異なるためあくまで一例ですが、ケアマネジャーの1日の仕事の流れを紹介しました。居宅ケアマネは利用者をトータルでサポートするフットワークの軽さが求められるのが特徴。しかし利用者宅の訪問などはある程度は裁量に任されているので、施設ケアマネよりはスケジュールに自由がきくのが魅力です。兼任する業務があったり職場によってそれぞれの特色があったりするので、生活スタイルや仕事内容など自身の希望に合った働き方を選ぶことが大切です。

ケアマネジャーの現状

ケアマネジャーの資格設立当初は、人員確保の意味合いもあり、比較的簡単に取得できる資格でした。しかし、年々合格率は低下し続け、近年では20パーセントを下回る合格率で難易度の高い資格となりました。介護職員がキャリアアップ先としてケアマネジャーを視野に入れていることも少なくありません。

ですが、介護職員とケアマネジャーの仕事は同じ畑でこそあれ、必要な技術が異なるため、このギャップに悩む人もいるのが現状です。ケアマネジャーに必要な技術とは、事務的な作業能力はもちろんのこと、交渉力も不可欠です。

また、また5年に一度、介護保険制度の見直しが行われるため、その都度新しい制度に対応すべく常に新しい知識を求められる厳しさがあります。また仕事量に対しての収入面において満足していない、という人は多いといいます。例えば、高収入を目指して独立しようにも、ケアマネジャー一人当たりにおける利用者数に制限があるため、おのずと収入面にも制限が見えてきてしまうのです。

ケアマネジャーの将来性

介護保険制度が始まり、幾度となく改正を加えられながら少しずつ制度が定着してきました。今後続いていくであろう超高齢化社会において、需要は増加の一途をたどりそうです。近年介護施設も増加しており、活躍の場も増えるでしょう。

しかし、直接介助に携わる介護職員に比べて、ケアマネジャーは施設ごとの必要人員が決まっているため、求人も介護の仕事と比較して少なめではあります。また、超高齢化社会に向けてケアマネジャー資格取得希望者、また資格保持者の求職者数も増加していますので、引く手あまたの売り手市場とも言い難いのは事実です。

そこで、ケアマネジャーに強く求められるのは「質の高さ」でしょう。増える求職者の中から、優れたケアマネジャーを求められるのは当然のことです。前職が看護師であるなど、ケアマネジャー+αがあれば、大きな強みになります。他のケアマネジャーにはない専門性の高い実務体験や知識は、仕事の幅をひろげ雇用の可能性も高まるのです。

ケアマネジャーの今後の課題

前項で看護師経験がケアマネジャーの強みになると述べましたが、実際のところ看護師のケアマネジャー受験者は近年減少の傾向にあります。その裏で、介護福祉士など、介護業界からの受験希望者が増えているのです。

ここから生じる問題点として挙げられるのは、今後ケアマネジャーとなる人材が、医療知識や経験に乏しいということです。実際、ケアマネジメント業務を行うにあたって、ある程度の医療知識はどうしても必要となります。例えば、高齢者の疾患について医療職者からの説明を受けた時に、その内容について理解しうる程度の知識は不可欠です。

そして、その内容について高齢者のケアの関係者に対し噛み砕いて説明できるだけの能力も必要になります。福祉、医療、保健サービスと介護を必要とする人を結ぶ架け橋となることがケアマネジャーの役割ですから、豊富な医療知識は介護が必要な人にも、その家族にも、非常に心強い助けとなることは間違いありません。

2025年には3,657万人となる予測の65歳以上の高齢者。2042年には3,878万人となり、ピークを迎えるとの予測です。高齢者の数に比例して、介護が必要となる人も増加するでしょう。今後はさらに、ケアマネジャーの認知度があがること、そして社会的な地位の確立が期待されます。命を繋ぐその重要な仕事内容に見合う収入も、今後ぜひ期待したいものです。

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