ケアクラークとはどんな資格なの? 介護事務管理士とはどこが違う?
介護事務に関する資格の1つに「ケアクラーク」というものがあります。名前だけ聞いてもどんな資格なのか、仕事内容などわからない人もいることでしょう。また、ケアクラークの資格を取得するにはどうすればいいのでしょうか。
そこで、今回はケアクラークの資格や試験について詳しく解説します。申し込みや試験時の注意点などもお伝えするので、受験したい人はしっかり活用してください。
ケアクラークとはどんな資格なの?
はじめに、ケアクラークとはどのような資格なのかを解説します。
介護事務職の普及を拡大|知識や技能を認定する資格
ケアクラークとは、介護事務業務を行うにあたって必要な、社会福祉関連の制度や介護報酬請求などに関する知識やスキルを認める資格です。介護事務職の能力や社会的経済的地位の向上を目的として設けられ、一般財団法人日本医療教育財団によって実施されています。
どんな仕事に役立つの?
ケアクラークの資格が役立つ仕事は、日常的な介護の事務処理、介護報酬の請求、介護サービス利用者の利用料に関する書類作成、窓口業務などです。
実際に介護サービスを提供する介護士のような肉体労働ではないので、力が強くない・体力に自信がない人でも目指しやすいでしょう。
ケアクラークの資格試験とは?
ケアクラークは、日本医療教育財団が実施する技能認定試験に合格することで取得できます。以下で試験の要項を紹介するので、ケアクラークの資格取得を目指す人はチェックしてみてください。
受験資格|特になし
資格試験では、受験するための条件があったり、必要な資格があったりする場合もあります。しかし、ケアクラークは受験資格や条件は特になく、誰でも受けられます。
試験日程|年3回
ケアクラークの試験は年に3回行われます。実施月は5月・9月・1月です。詳しい日程は年によって変わるので、日本医療教育財団のサイトなどで確認してください。
試験実施方法|在宅受験
資格試験というと、試験会場に人が集まって受けるイメージがあるかもしれません。しかし、ケアクラークの試験は、基本的に在宅で受けられます。学校などに通っている場合は、学校で団体受験できるケースもあるようです。
家でどうやって受験するのかという疑問があると思いますが、後述しますのでご覧ください。
試験内容|筆記・実技
試験は学科と実技の2種類です。学科は筆記(択一式)で、介護事務知識について全25問出題され、試験時間は50分間。実技は2問あり、介護報酬請求に関する事務作業を60分間で行います。
以下で詳しい内容を見ていきましょう。
筆記
学科試験の出題内容は、人間関係・社会福祉・介護概論・医学一般・介護事務業務など全12科目です。幅広い知識が求められるため、まんべんなく勉強しなければなりません。
実技
事務職で実技というと、イメージが湧きにくいという人もいるのではないでしょうか。ケアクラークの実技試験で出題されるのは、居宅サービスと施設サービスそれぞれの介護給付費明細書の作成です。正しく請求書類を作成できるかという能力が問われます。
受験料|6,900円
ケアクラーク試験の受験料は、税込み6,900円です。試験日の2カ月前から3週間前までに、所定の口座に振り込んで納入しなければなりません。必ず明細書も取っておきましょう。
申し込み期間・申し込み方法|振込明細書が必須
ケアクラーク試験の申し込み期限は、受験料の振り込み期限と同じく、試験日の2カ月前から3週間前の間です。
申し込む際は、日本医療教育財団のサイトにある「ケアクラーク技能認定試験 受験申込書」の様式を印刷して記入し、受験料の振込明細を貼付して、指定された宛先に送ります。詳しくは下記のページをご覧ください。
受験票受け取り|試験日の10日前に発送
当該試験日の10日前に、受験票のハガキが発送されます。4日前までに届かない場合は、必ず日本医療教育財団に連絡しましょう。
試験問題の受け取り|試験当日の午前中に到着
試験問題は、原則として試験日当日の午前中に宅配便で届くことになっています。必ず受験者本人が受け取り、万が一届かない場合は、日本医療教育財団に電話で連絡して指示を仰ぎましょう。
試験案内のなかに連絡先が記載されており、決められた受付時間内に電話しなければなりません。
試験問題・解答用紙の返送|簡易書留で返送
試験が終わったら、速やかに問題と解答用紙を返送しなければなりません。試験問題に同封されていた返信用封筒にすべて入れ、簡易書留など記録が残る手段を利用(※普通郵便は不可)して、当日または翌日中に郵便局の窓口から送付しましょう。
なお、試験日の翌日が祝日の場合は、翌々日まででOKです。期限を過ぎて発送すると不合格になってしまうので、必ず期限内の消印で返送してください。
試験結果・合格証の発送|試験結果の約1カ月後
学科・実技ともに、合格ラインは得点率70%以上です。試験結果は試験日の約1カ月後に普通郵便で発送されます。
結果通知は郵送のみで、電話やメールなどで問い合わせても教えてもらえません。万が一試験日から1カ月半経っても通知が届かない場合は、日本医療教育財団に連絡してください。
また、試験に合格した場合、結果発表の約1カ月後に合格証が定形外郵便で発送されます。結果発送日から1カ月半経過しても届かない場合は、財団に連絡しましょう。
介護事務管理士とはどこが違うの?
ここでは、ケアクラークと混同されやすい「介護事務管理士」との違いをお伝えします。なお、介護事務管理士について詳しいことを知りたい人は、下記のページで確認してください。
介護事務管理士とは? 仕事内容を紹介|資格の取得方法と取得のメリット
介護事務管理士とは?
介護事務管理士というのは、介護事業所で介護報酬を請求(レセプト作成)したり、ケアマネジャーの業務を補助したりする介護事務職です。JSMA(技能認定振興協会)が実施・認定を行っています。
ケアクラークとはどこが違うの?
ケアクラークとの違いとして、ケアクラークは人間関係や福祉、介護など介護事務に関する広い知識が求められるのに対し、介護事務管理士は介護報酬に特化した内容です。
窓口対応から事務、レセプトまで幅広く業務をしたい人はケアクラーク、介護報酬請求をメインに、より専門性の高い事務仕事をしたい人は介護事務管理士を目指してはいかがでしょうか。
ケアクラークは介護事務のプロを目指せる資格!
ケアクラークは、介護事務という仕事のスキルや地位の向上を目指して作られた資格で、日常的な事務作業や窓口対応、レセプト請求などの業務を担います。試験内容の範囲は広いですが、誰でも受験できるため、比較的狙いやすい職業です。
介護事務管理士との違いも解説したので、ケアクラークの仕事に魅力を感じた人はぜひ目指してみてください。
引用元
日本医療教育財団:ケアクラーク技能認定試験(ケアクラーク®)
日本医療教育財団:ケアクラーク技能認定試験のご案内