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ヘルスケア 2023-05-18

看護師とセラピストのWワーク。その働き方とは?【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事Vol.97/チネイザンセラピスト・倉田純子さん】#1

「ヘルスケア業界」のさまざまな職業にフォーカスし、その道で働くプロに、お仕事の魅力や経験談を語っていただく連載企画「もっと知りたい! ヘルスケアのお仕事」。

今回お話を伺ったのは、チネイザンセラピスト・倉田純子さん。

倉田さんは看護師として働きながら、チネイザンセラピストとしても活動されています。前編では、そんな倉田さんの働き方や、この仕事のやりがいを伺いました。

「持病のケアに」と思って学び始めたチネイザン。
想像以上の感動に、シェアサロンでWワークを開始

――現在、看護師とチネイザンセラピストのWワークをされているとのことですが。

進路を決める高校2年生の頃、入院している祖父のお見舞いに行った時に、母が言った「看護師さんもいいよね」という一言がきっかけで、看護師を目指しました。

あとから母に聞いて知ったのですが、保育園の頃に書いた「将来の夢」にも「看護師」と書いていたんです。当時、流行っていたアニメの「キャンディキャンディ」に憧れていたようです(笑)。意外にも、夢を叶えていたんですね。

――チネイザンに出会ったきっかけは?

一緒に病院で働いていた看護師の友人が、チネイザンの施術をしてくれたことで知りました。お腹がフワフワになったような感じがして、すごく気持ち良かったんです。

実は私、潰瘍性大腸炎の持病があります。これはストレスが原因の一つと言われているのですが、そういったメンタル面のケアにもチネイザンがいいと聞いて、私も学んでみようと思いました。「たまよろ庵(一般社団法人内臓マッサージ協会)」のYuki先生のところで、勉強したんです。

――チネイザンの勉強をしている時、印象的だったことはありますか?

新しいことを知れるのが楽しくて、毎回ワクワクしながら学んでいたのですが、チネイザンは東洋医学の陰陽五行をメソッドにしているので、東洋医学の基礎を覚えるのは少し大変でしたね。看護師は、意外と東洋医学を学ぶ機会がなく、漢方薬の認識ぐらいしかなかったんです。でも、学べば学ぶほど奥深くて面白い! 東洋医学については別の教室にも通って、さらに学びを深めました。

――開業されたのは?

2020年の11月です。

チネイザンを学んで、自分で実践するようになったら、体がどんどんいい方向に向かっていったんです。お腹を揉んだだけで目がパッと開いて視界が明るく感じたり、肩こりが楽になったり、体が軽くなったり。「これはぜひ、看護師仲間のみんなに知ってもらいたい!」と思って、自宅近くのシェアサロンで開業することにしました。

活動初期から、出会いにも恵まれました。当時は現在主に借りているシェアサロンと、もう一つ別のシェアサロンも借りていたのですが、なんと、どちらのオーナーさんも医療従事者をしながらWワークしている女性だったんです。すぐに意気投合して、情報交換したり、アドバイスをもらったり、すごく助けてもらいました。「たまよろ庵」で一緒に勉強した同期の友人たちとも、今でも交流が続いています。

看護師歴が長いとどうしても看護師の友人が多くなりますが、異業種の友人ができたことは私にとって新鮮で、嬉しい出来事でした。

休日セラピストは忙しいけれど、
お客さまに喜んでもらえたら嬉しいし、いい気分転換にもなる

――現在の働き方は、どのような感じですか?

2020年の3月ごろまではフルタイムで看護師をしていたのですが、今はパートで週3〜4日。夜勤もありません。お休みの日にチネイザンセラピストとして活動しています。

病院の仕事も好きですが、やはり大変なことも多いので、チネイザンの施術はいい気分転換になります。施術後、お客さまが喜んでくださると嬉しいですし、私自身もなんだか癒された気持ちになります。

とはいえ、どうしても予定がいっぱいになりがちになるので、できるだけ自分の時間も作るようにしています。

――施術時に大切にしていることは何ですか?

チネイザンの施術は、まず初対面の私に「お腹をさらけ出す」というハードルがあります。お腹は「腹を割って話す」や「腹を明かす」などの慣用句にもあるように、ある程度信用できる人でないと見せられない部分だと思うんです。なので、初回の方には自己紹介をして、まずは私自身のことをしっかり知ってもらい、不安を感じさせないように心がけています。

そして、お客さまの中には痛みを感じやすい方もいるので、押す圧は常に「痛くないですか?」と具合を確認しながら行っています。チネイザンは痛みを我慢してまで受ける施術ではありません。痛みを感じるとお腹に力が入ってしまうので効果が半減してしまいますし、何より継続したくなくなりますよね。

あとは当然ですが、言葉遣いに気をつけて、羞恥心に配慮すること。お客さまには、施術後アンケートをお願いしているので、至らなかった点は極力改善するように努めています。

――リピーターになってもらうために心がけていることは?

お腹の張りが強かった方や、カッピングでお肌に跡がついてしまった方は、その後の経過を伺うために連絡をさせていただきます。

LINEをされている方にはできるだけ公式ラインの登録もお願いしています。というのも、看護師をしながらの施術となりますので、看護師のシフトが確定してから施術日程を設定することになります。となると、どうしてもひと月前の月末にならないとスケジュールをお知らせできないので……。みなさんに確実にお知らせするためのお願いですね。

あと、お誕生月割引をしているので、月の初めにお知らせを送らせていただきます。

看護師もセラピストも人に触れるお仕事。
看護師の経験がセラピストに、
セラピストの学びが看護師に生かされた場面も!

――この仕事のいいところややりがいを教えてください。

セラピストのいいところは、お客さまお一人お一人の悩みに合わせて対応できるところ。病院ではどうしても日々の業務に追われて、お一人お一人とゆっくり向き合う時間が取れず、モヤモヤすることが多々ありました。サロンではカウンセリングや施術をしながらお話ができるので、自分の持っている知識の範囲にはなりますが、適宜アドバイスができます。逆にわからないことがあると、今後勉強すべきことに気付かされます。

お客さまがお帰りになる時、来た時よりも表情が明るくなっているのを見るのが、何よりのやりがいです。

――ちなみに、看護師の知識や技術がセラピストの仕事に役立ったシーンはありましたか?

看護師として、人の体の基本的なことは理解しているつもりなので、お客さまが感じている不調は、セラピストでケアできることなのか、一度病院に行った方がいいのか、ある態度の判断はできると思っています。軽い症状でも、一度精密検査をした方がいい場合もありますので。

また、私のお客さまは30〜60代の女性がほとんどなので、何かしら薬を飲んでいたり、病気を経験されていたりする方が多いんです。そういう方への施術は、注意が必要。例えばお腹のカッピングをする場合、貧血の程度によっては施術ができません。そういう判断も、看護師の経験が役に立っていると思います。

セラピストも看護師も、人に触れるお仕事。そのため、セラピストの勉強をしたことで、タッチングの科学的根拠や具体的にどれくらいの速度で触られると心地よいのか、深呼吸にはどんな効果があるのかを改めて学べたので、看護師の仕事に生かせたことも多々あります。

例えば、内視鏡の検査介助につく時ですね。看護師は患者さんが落ち着いて検査できるようにサポートするのですが、緊張して普段より血圧が上がった患者さんに深呼吸でリラックスを促したり、体をさすったり。数値で見て、明らかに効果を実感した時は驚きました。

後編では、倉田さんが実際に行っているチネイザンのセルフケアや、未来のインストラクターに向けたアドバイスを伺います。

取材・文/児玉知子
撮影/喜多二三雄

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