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特集・コラム 2023-06-01

介護福祉士とはどのような仕事?施設別の1日のスケジュールや仕事のやりがいをご紹介

介護福祉士は、介護関連の資格のなかで唯一の国家資格です。介護福祉士を取得することで国から介護の専門知識を有している認定され、介護現場では通常の介護業務に加えて、リーダーとして職員をまとめあげることも期待されます。

そんな介護福祉士は、どのような仕事をして、どのようなスケジュールで動いているのでしょうか。今回の記事では、介護福祉士の仕事内容と1日の働き方についてご紹介します。

介護福祉士の仕事内容


介護福祉士の仕事内容は介護職員としての業務が基本で、加えて知識を活かしたチームマネジメントができます。介護福祉士の仕事内容を5つご紹介します。

1.身体介護

身体介護とは、身体介護を必要としている利用者の身体に直接触れる介助サービスのことをいいます。具体的には、以下のサービスが挙げられます。

・食事介助
・入浴介助
・更衣介助
・ベッドからの立ち上がり
・移動介助
・体位互換 など

それぞれ利用者のニーズに合わせて介助します。訪問介護事業所で働くことを検討している方は、介護職員初任者研修修了者などの資格を取得していないとサービスを提供することができないため、注意してましょう。訪問介護事業所以外の場合であれば、無資格でも身体介護はできます。

2.生活援助

生活援助は、利用者が日常生活を送るうえで必要な家事を代行する介護サービスのことをいいます。具体的には、以下のサービスが挙げられます。

・調理や食事の準備
・洗濯
・清掃
・洗濯
・お買い物 など

生活援助も身体介助と同様に、利用者に合った介助をおこなう必要があります。訪問介護事業所以外であれば、無資格でもサービスを提供することができます。介護福祉士として生活援助をおこなう際は、専門的な視点から状況に合わせた援助が必要とされるでしょう。

3.レクリエーションの企画と運営

介護施設の多くは、レクリエーションを実施しています。利用者同士の交流はもちろんのこと、身体機能の向上や維持、生活の質の向上を目的におこなっています。施設によってレクリエーションの内容はさまざまで、ゲーム・体操・音楽鑑賞などが実施されています。

そのため、介護福祉士は介護の知識だけでなく、レクリエーションの企画力も大切になるでしょう。

4.利用者やその家族からの相談

介護サービスの利用者は体調の悪化やほかの入居者との人間関係などに不安を抱えることが多く、利用者の家族も施設に入れた罪悪感や、満足のいくサービスを受けられているかどうかといったことに不安や悩みを抱いている場合があります。介護利用者やその家族の話し相手となってケアをおこない、解決・安心してもらうことも仕事のひとつです。

介護福祉士は、不安や心配に対して適切な助言をおこなうことが求められるため、専門的な知識を習得しておく必要があるでしょう。

5.チームマネジメント

チームマネジメントは、職場のリーダーとして介護職員へ教育や指導、業務管理をする業務で、介護福祉士の資格勉強で得た知識が発揮される仕事です。

責任のある立場として負担はかかってしまいますが、チームを牽引して利用者や職場に貢献できるため、やりがいを感じることでしょう。

施設別の介護福祉士の仕事


介護サービスを提供する施設の種類は多いため、施設によって仕事内容が異なるのか気になる方もいるかもしれません。基本的に介護福祉士の仕事内容は施設ごとで変わることはありませんが、1日のスケジュールが異なります。次に、施設別の介護福祉士の仕事についてご紹介します。

1.介護老人保健施設の場合

介護老人保健施設は、医師や看護師が常駐しているため医療面の負担が少なく、介護に専念できることが特徴です。介護老人保健施設の日勤のスケジュールの例をご紹介します。

時刻 業務スケジュール
9:00 出勤、夜勤の職員から業務を引き継ぐ
10:00 入浴介助
11:00 リネン類の交換・清掃
12:00 昼食の準備・食事介助・食後の口腔ケア
13:00 休憩
14:00 リハビリ介助
15:00 レクリエーション
16:00 おやつの準備・おやつタイム
17:00 夕食の準備
18:00 退勤、業務を夜勤の職員へ引き継ぐ

勤務先の介護老人保健施設によって、休憩の時間やリハビリ・レクリエーション・おやつは異なる場合が多いです。

2.デイサービスの場合

デイサービスは、要介護の高齢者が自立した生活を送れるように介護サービスを提供しており、日帰りでサービスを受けられることが特徴です。そんなデイサービスの仕事のスケジュールをご紹介します。

時刻 業務スケジュール
8:30 利用者の自宅までお迎え
9:00 健康状態のチェック
10:00 生活機能訓練・入浴介助
12:00 昼食の準備・食事介助
13:00 レクリエーションの実施
15:00 おやつの準備・おやつタイム
16:00 利用者の帰宅準備
17:00 利用者の自宅まで送迎
17:30 事務処理・退勤

デイサービスでは、介助サービスに加えて利用者の自宅までの送迎があります。この点については、ほかの介護施設と異なります。

3.特別養護老人ホームの場合

特別養護老人ホームは、介護保険の施設サービス計画書をもとに、看護職員やリハビリスタッフと協力しながら生活介助や健康管理・身体機能の維持をサポートします。そんな特別養護老人ホームのスケジュールをご紹介します。

時刻 業務スケジュール
9:00 出勤、夜勤の職員から業務を引き継ぐ
10:00 入浴介助・排泄介助
11:00 リネン類の交換
12:00 昼食の準備・食事介助・食後の口腔ケア
13:00 休憩
14:00 書類の作成・必要に応じて介助もおこなう
15:00 おやつの準備・おやつタイム
16:00 レクリエーション実施
18:00 退勤、業務を夜勤の職員へ引き継ぐ

特別養護老人ホームのスケジュールは、介護老人保健施設と似ています。特別養護老人ホームは、中~重度の要介護者へ向けた介護サービスを提供するため、リハビリに重点を置く介護老人保健施設に比べて、利用者の生活を支える介護が中心になっています。

4.病院勤務の場合

介護施設は、要支援や要介護といった利用者へサービスを提供しますが、病院は、事故や病気などの理由で介護や生活援助を必要としている患者をサポートします。そんな病院の1日のスケジュールをご紹介します。

時刻 業務スケジュール
8:30 出勤、連絡事項を確認
9:00 清掃
10:00 シーツの交換や清掃
12:00 昼食、食事介助
13:00 休憩
14:00 入浴介助・清掃
15:00 書類整理
16:00 夕食準備
17:00 退勤、夜勤の職員へ引継ぎ

病院で働く場合であったとしても、介護施設と大きく変わらない業務をおこないます。病院の勤務は、未経験や介護資格がない場合でも働ける場合があります。

介護福祉士の魅力


介護職に対して、介助で体力的に疲れる・介護以外にも仕事量が多く忙しい、などの大変なイメージを持っている方もいるかもしれません。

しかし、介護福祉士の仕事は大変なことばかりではありません。利用者の介護や現場での取り組みなどには、介護福祉士としての魅力がたくさんあります。そこで、介護福祉士には、どのような魅力があるのかご紹介します。

1.利用者をサポートするなかで役に立っていると実感できる

介護福祉士の仕事は、移動や排せつの介助といった日常生活のサポートをおこなうだけでなく、サービス利用者が自分らしい生活ができるようになるためになにをすればいいのか、課題に取り組まなければいけません。

課題を解決するためには、利用者のことをよく理解しておく必要があり、日々サポートをおこないながら利用者の心身の状態などを把握します。日を重ねるごとに、利用者の課題を解決していくこと役に立っていると実感を得ることができます。

2.キャリアアップにつながる

介護福祉士の資格を取得することで、介護現場のリーダーに抜擢されるチャンスがあります。介護福祉士は、専門知識や技術を備えた職員として、より専門的な視点で仕事をすることが求められるでしょう。

介護福祉士の資格を保有しておくことは、キャリアップにつながりますが、さらにキャリアを形成していきたい方は、施設長やサービス提供責任者、ケアマネージャを目指すといいでしょう。ほかの資格の取得や責任がある立場になることで、自身の価値を高めることができます。

3.給料アップにつながる

資格手当のある介護施設や事業所であれば、介護福祉士を取得することで給料がアップします。厚生労働省が公表した「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、資格保有者の平均給与額は、以下のようになっています。

・介護福祉士 32万8,720円
・介護実務者研修 30万7,330円
・介護職員初任者研修 30万510円

以上のデータを見ると、介護福祉士の資格取得者がもっとも給与額が高いことがわかります。介護施設や事業所によって手当の有無やもらえる金額は異なりますが、少しでも給料を上げたい方は、介護福祉士の資格を取得するといいでしょう。

介護福祉士になるには資格が必要


介護福祉士は、介護関連の資格で唯一の国家資格で専門知識を有している証明になります。また、資格を取得することで、キャリアアップや給料アップが期待できます。介護士として自身の価値を高めるためには、魅力的な資格といえるでしょう。そんな介護福祉士の資格を取得するためには、介護福祉士試験に合格しなければいけません。

介護福祉士試験を受験するためには、要件を満たす必要があります。要件には、「実務経験ルート」「福祉系高校ルート」「経済連携協定(EPA)ルート」「養成施設ルート」の4つがあります。

もしも、すでに社会に出ており、福祉系大学などを卒業していないのであれば、実務経験ルートがおすすめです。

実務経験ルートは、介護業務の実務経験が3年以上+介護福祉士実務者研修の修了が条件です。介護福祉士の資格取得を検討している方は、実務経験ルートから試験に挑んでみましょう。

介護福祉士は施設によって仕事内容が異なる


今回の記事では、介護福祉士の仕事内容、施設別の業務スケジュール、介護福祉士の魅力についてご紹介しました。介護福祉士の資格を得るために習得した知識をもとに職場内でのリーダーとしてチームをまとめたり、専門的な視点から利用者へアプローチしたりすることが期待されます。

介護施設にはさまざまな種類がありますが、介護福祉士の基本的な業務内容は変わりません。しかし、勤務先の施設によって動き方が異なるため、これから求人を探す方は、その施設でどのような業務がおこなわれており、どんなスケジュールが組まれているかを知っておくようにしましょう。

引用
厚生労働省:令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果

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