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特集・コラム 2023-09-15

デイサービスの面白い取り組みにはどんなものがある? イベントを実施する3つのメリット

リハビリや体力維持など、利用者の目的に合わせて利用できる介護施設のデイサービス。施設では食事や入浴といった介護以外にも、利用者が楽しめるレクリエーションがおこなわれることから、介護に携わる家族の負担を軽減しながらも、症状の緩和・予防、さらには気分転換としても効果があります。

そんなデイサービスですが、近年の日本では、面白い取り組みを導入した施設があることをご存じでしょうか?今回は、利用者のことを考えて導入されたデイサービスの面白い取り組みと、一般的な事業所でも取り入れやすいイベントについてご紹介します。

デイサービスの面白い取り組みにはどんなものがあるの?


日本のデイサービスでは、利用者を考え、さまざまな面白い取り組みを導入しています。ここでは、とくにユニークな取り組みを6つご紹介します。

1. 施設内通貨

一つめは、施設内通貨の導入です。デイサービス独自の通貨をつくり、施設での買い物やカフェに利用できる取り組みです。通貨はリハビリやレクリエーションを通して獲得できるので、体を動かし症状の緩和・予防につなげながら、楽しく通貨が貯められます。

貯まった通貨は、利用者の食べたいものや使用したいもの以外にも、孫へあげるお菓子などにも交換できるので、これまでのデイサービスに比べてより充実した生活が送れるよう工夫されています。

2. ゲーム形式

二つめは、ゲーム形式の導入です。なかでも注目されているのが、麻雀やカジノなど五感を使えるサービス。麻雀やカジノは頭や指先を使うので、認知症の予防・改善に役立つほか、利用者同士のコミュニケーションによって気分転換につながるなど、うれしい効果が期待できます。

東京都港区東麻布にある「デイサービス ラスベガス」では、リハビリにゲーミング要素を導入しています。利用者にとって負担になりやすいリハビリを、自発的に取り組めるようになったほか、楽しみにする利用者もいるんだそうです。

引用元
Our Spirit 私たちの想い|デイサービス ラスベガス

3. 天然温泉・足湯

三つめは、天然温泉や足湯の導入です。リハビリやレクリエーションで疲れた体をほぐしたりリラックスできたりする以外にも、温泉の効果を全身で楽しむことができます。体に痛みを感じる利用者や病気によって温泉に行く機会が減ってしまった利用者には、うれしい取り組みのひとつ。

「らいおんハートの介護」では、日立らいおん温泉の源泉を使用した『らいおんの温泉』があります。泉温は30度ほどで心臓に負担がかからず、ゆっくりと入浴できるのも魅力のひとつです。

引用元
らいおんハートのリハビリ|らいおんハートの介護

4. 畑仕事

四つめは、畑仕事の導入です。ぽかぽかとあたたかい日差しがさすなか、スタッフと利用者が土をさわり、一緒に野菜を作る取り組みです。畑仕事は、全身を使って土を耕したり種まき(苗植え)をしたりするので、全身運動や筋肉維持に役立ちます。

畑仕事を通して、スタッフや利用者同士のコミュニケーションも図れるので、リハビリとしての効果はもちろん、野菜の成長を楽しんだり収穫を待ち望んだりなど、植えたあとでも充実した時間が過ごせるのも魅力的です。

5. 料理

五つめは、サービス利用者自身による料理の導入です。料理には認知症の行動や心理症状の軽減、生活の質を向上するなど、療法的効果が期待できるといった研究結果があります。

引用元
料理療法─調理による認知症ケアと予防の効果─|J-STAGE

そんな研究結果を裏付けるように、デイサービスで料理を導入したのが「なないろクッキングスタジオ」。同社ではプロのシェフによる、「おとなの料理教室」を実施しています。認知症や麻痺、車椅子を利用する利用者でも参加できるもので、料理を通して脳や全身に刺激となるようなリハビリがおこなわれています。

引用元
なないろクッキングスタジオ

6. 学校

六つめは、学校の導入です。施設を学校に見立てて、利用者に再び学校生活を体感してもらう取り組みです。勉強は頭を使うので、認知症予防につながります。さらに、レクリエーションとして体を動かす時間もあるので、筋肉や体力の維持にも役立ちます。

学校のような取り組みを主とする「おとなの学校」は、全国595施設(2023年8月時点)が導入する学校式介護。従来のデイサービスとはまったく異なり、学校のような生活によって心の若返りが感じられ、デイサービスの時間が有意義に過ごせる取り組みです。

引用元
おとなの学校

デイサービスに取り入れやすいイベントとは?


利用者を第一に考えたデイサービスにするにはどんなイベントを取り入れるとよいのでしょうか。ここでは、一般的なデイサービスでも取り入れやすいイベントを3つご紹介します。

1. 季節のイベント

利用者が楽しめる工夫のひとつとして、季節のイベントを取り入れるのがおすすめです。四季を感じるお正月や節分、七夕、クリスマスなどを取り入れれば、四季を楽しみながら充実した時間を過ごせます。

自宅ではできないような華やかなイベントにすることで、スタッフや利用者同士の思い出作りにもつながり、デイサービスそのものが楽しみになるでしょう。

2. 地域交流イベント

地域交流イベントも、おすすめのひとつ。たとえば、1年の始まりで行われる新年会を、利用者とそのご家族のほか、地域の方々を招き入れると賑やかで楽しいイベントになります。楽しいと感じるイベントによって、リフレッシュ効果が期待できるだけでなくひとつの楽しみとしてデイサービスを過ごせます。

ほかにも利用者が作った作品を展示・販売するバザーや、小さな子どもや社会人などどんな年代でも参加しやすい音楽会などもおすすめです。

3. 全員参加型イベント

利用者たちの協力がなければクリアできないような、全員参加型イベントもあります。スタッフや利用者同士で協力し合えるスポーツを取り入れれば、全身運動によって体力や筋肉の維持にも期待できます。

利用者同士の仲も深まるので、イベントを通して楽しい時間を共有できるのもメリットです。

デイサービスの運動会による目的については、下記ページで詳しく解説しているので、あわせてご確認ください。
デイサービスの運動会の目的とは? おすすめ競技を紹介!|リジョブヘルスケア

イベントを実施する3つのメリットとは?


ここでは、デイサービスでイベントを実施するメリットについて3つご紹介します。デイサービスで働きたいと考える方は、イベントのメリットに合わせて必要性についても押さえておきましょう。

1. 認知症予防につながる|機能不全防止にも

イベントを通して全身でいい刺激を受けるので、認知症を改善したり予防したりする効果が期待できます。

とくに頭を使うゲームや麻雀、カジノなどを取り入れたイベントなら、単調になりやすいデイサービスでも、マンネリ化を防ぎながら認知症予防につなげられます。

2. ストレス発散をサポートできる

利用者同士で楽しめるイベントがあることで、コミュニケーションを取りながら心身をリフレッシュできます。

デイサービスの利用者は、ご家族がいる方はもちろん、一人暮らしの方も珍しくありません。そのため、なんでも話せる相手がいない方のストレス発散にも役立ちます。

3. 生活満足度を向上できる

利用者やスタッフとコミュニケーションを取れる機会があることで、楽しいと感じたり笑ったりできるなど、デイサービスの生活が充実したものに。

利用者に役割をもたせれば、自己肯定感の獲得や自己実現にもつながり、利用者のQOL向上にも役立ちます。

面白い取り組みやイベントを実施してデイサービスを充実させよう!


デイサービスは、さまざまな人が利用する介護サービスです。あれこれ取り入れてしまっても、利用者の好みに合わなければかえって面倒に感じてしまうでしょう。

リハビリを目的としたリハビリのなかでも、「どんなイベントなら利用者が満足するだろう?」といった点に焦点をあて、デイサービスの時間を充実させましょう。

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