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機能訓練指導員
特集・コラム 2019-07-30

【介護の教科書】デイサービスにおける機能訓練指導員の仕事内容

デイサービスには機能訓練指導員が1名以上配置されている必要があります。近年では機能訓練に特化したデイサービス(半日型)も増加しており、機能訓練指導員の需要はますます高まっております。
今回は「機能訓練指導員」という職種になる事ができる7つの国家資格や機能訓練特化型デイサービスにおける機能訓練指導員の具体的な仕事内容、デイサービスの求人で看護師や准看護師が人気のある理由を紹介します。

機能訓練指導員とは

機能訓練指導員とは、病気やケガ、加齢などによって日常生活に支障をきたしはじめた人が健康で自立した生活を送れるように、リハビリや機能訓練などを行うことで手助けをする職種のことです。デイサービスや特別養護老人ホームなどの介護施設では、必ず一人以上の機能訓練指導員が配置されていることが義務づけられていますが、「機能訓練指導員」という資格があるわけではありません。病院や介護施設などで機能訓練やリハビリを専門的に行う人のことをそう呼んでいますが、誰でもなれるわけではありません。

機能訓練指導員として働けるのは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、柔道整復師、あんまマッサージ指圧師、看護師、准看護師のいずれかの国家資格を持つ人のみです。よく勘違いされますが、介護福祉士の資格や、長い間介護業界で働いた実績があるからといって機能訓練指導員として働くことはできません。
また、就職・転職時には上記国家資格証明書のコピーが必要となります。

デイサービスでの機能訓練指導員の仕事内容

デイサービスの中でも、利用者が日常生活に困らず、自立した動作が行えるようにする機能訓練はとても人気があります。この機能訓練のニーズは高いため、最近では介護予防を目的とした軽度の要介護者(要支援1・2、要介護3くらいまで)を対象に、入浴・食事の提供を省いた機能訓練特化型デイサービスというものが増えています。

デイサービスでの機能訓練指導員の仕事内容

・個別機能訓練加算計画書・運動器機能向上計画書の作成
・バイタルチェックの実施
・集団体操などのメニュー考案
・リハビリ機器利用時の介助、指導
・個別リハビリの実施
・計画書に対する評価、モニタリング
・体力測定の実施
・介護職員へ機能訓練内容の指導
・ご利用者送迎 など

デイサービスの機能訓練指導員は利用者一人一人の様子や身体機能、介護度をチェックし、その人に合った計画書を作成することから始まります。その後、その人に必要な筋力トレーニングや可動域訓練、口腔ケアや歩行訓練などを行ったり、補助具や車いすが必要な利用者には最適なものを選ぶという仕事もあります。利用者の家族や本人と相談しながら、無理のない程度の機能訓練計画を考えてあげることがとても重要です。また、他の介護スタッフに利用者の介助の方法を指導したりすることも大切な仕事の一つです。

看護師のデイサービスへの転職

病院で働いていた看護師や准看護師がデイサービスへ転職するケースが増えてきています。デイサービスの人員基準の中に機能訓練指導員が1名以上必要とされており、それに充当する看護師や准看護師への求人は増加しております。また、定員11名以上で運営をする場合、看護職の人員配置が必須となります。

デイサービスへと転職するメリットは、夜勤や残業などが少ないので家庭との両立もしやすいこと、看護師としての仕事がバイタルチェックや服用指導などが主で、たまにインシュリンの注射がある程度と、仕事内容が精神的にも肉体的にも楽なことが挙げられます。主なデメリットはお給料が少なくなることと、仕事内容が楽な分、看護師としてのスキルアップができないことです。
看護師や准看護師は看護職員(業務)と機能訓練指導員(業務)を1人で兼務することができる為引く手あまたで、正社員だけでなくパートやアルバイトとしても募集されていることがあります。

機能訓練指導員の独立開業

職種ごとに見ていくと、柔道整復師は「接骨院」「整骨院」の開業権がある為、デイサービス以外での独立開業は可能です。一方、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師などは開業権が無い為、治療院やクリニックを開業することが出来ません。
しかし、デイサービスの開設基準は法人格を有していれば誰でも開設が出来ます。現在の勤務先で不平不満は無いけれど「自分らしいサービスを提供したい」「理想の機能訓練を実施したい」などを理由に、近年では理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師などが起業しデイサービスを開業がするパターンも多く目立ちます。

機能訓練指導員の独立開業におけるメリットは、ご自身が人員基準上の「機能訓練指導員」に充当するので、その他新規開設時に必要な人員を生活相談員、介護職員のみの求人で済むという点があげられます。
人材不足が問題の中でも新規開設時には必ず人材採用は必要です。機能訓練指導員の採用に頭を悩ます法人が多い中、ご自身の資格を使って独立開業できる事が最大のメリットになります。

デイサービスに必要な機能訓練指導員は、誰でもなれるものではないため、常に求人がある傾向にあります。正社員だけでなくパートやアルバイトとしての募集も多いので、自分のライフスタイルに合った職場を選ぶことが可能です。機能訓練特化型デイサービスの利用者は介護度の低い人が多いため、仕事の負担も少なく、一人一人の利用者と密接にかかわる事ができ、機能向上の成果やその喜びを一緒に共有できるなどやりがいも感じられることができます。

監修者プロフィール

株式会社サロンオールディーズ

介護予防自動筋力トレーニングシステム「リハトレーナー」、認知症予防を支援する「まゆっこ」データロガーの販売及びリハビリ型デイサービス開設支援を行っている。
URL:http://www.salon-old.jp/

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