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特集・コラム 2021-05-13

デイサービスの運動会の目的とは? おすすめ競技を紹介!

ここ数年、多くのデイサービスで運動会がおこなわれていることをご存知でしょうか。デイサービスでおこなわれる運動会というのは体を動かすことを通じ、参加者の運動機能を向上させるほか、季節感を感じてもらうことが目的です。

単調になりがちなデイサービスの日常に起伏を持たせるためにも、運動会は非常に貴重な機会といえます。ここでは、デイサービスで運動会をおこなう目的、おすすめの競技はもちろんのこと、運動会を実施するための準備についても説明していますので、参考にしてください。

デイサービスの運動会の目的とは?

老人ホームやデイサービスでは、毎日の生活が単調にならないようにと季節ごとの行事レクリエーションを開催しています。

行事レクリエーションはただ楽しいだけではなく、利用者のコミュニケーションを活性化してQOL(quality of life)の向上にもつながる大切なイベントです。デイサービスの運動会の目的について解説します。

身体機能の向上や維持

デイサービスなどでおこなわれるイベントのなかでも、とくに運動会は手足を使って運動することにより、身体機能の向上や維持を目指すという大きなメリットがあるのが特徴です。年齢とともに体を動かす機会は減っていきますが、体を動かさないと筋力が衰えて老化が進んでしまいます。

そのため、身体機能を維持し、向上させる意味でも運動会には大きな意義があるのです。手足などを使って体を動かすことによって脳も活性化されるため、認知症が進行するのを遅らせたり、発症を予防したりするのにも効果があります。

季節を感じてQOLを高める

運動会のような季節感のある行事を取り入れることで、単調になりがちな生活に刺激を与えてQOL(quality of life=人生の質)を高めることもできます。老人ホームなどの施設は年間を通して温度・湿度が一定に保たれており、快適である反面、季節感を感じる機会が乏しくなってしまうからです。そこで運動会を開催することによって、利用者さんに「もうすっかり秋なのだなあ」と実感してもらうことができます。

ほかの利用者や職員とのコミュニケーション促進

運動会でほかの利用者や職員とのコミュニケーションを図り、競技を一緒に楽しむことで孤独感の解消を図ることができます。

運動会では、なんらかの役割を担当することになりますが、これが「自分にもこれならできる」「責任を任されている」という自尊感情の高まりにつながるからです。身体的な機能を向上させるだけではなく、精神的な充実感も味わえるのが運動会のメリットといえます。

運動会をする前に|どんな準備が必要なの?

運動会を開催するにあたって、どのような準備が必要となるのでしょうか。ここでは、運動会をおこなうための準備について解説していきます。

計画を立てよう|種目や順番など

運動会を開催することを決めたら、まずは種目や順番、そしてどんな演出をするかなどの計画を立てなければなりません。デイサービスを利用している高齢者は体をずっと動かしっぱなしにしていても疲れてしまうので、「体を動かす時間」と「見て楽しむ時間」をバランスよく配分する必要があります。

運動会を盛り上げるポイントは?|開会式や応援合戦など

開会式や応援合戦などは、運動会を盛り上げて楽しい思い出を作るために必要不可欠なポイントです。運動して体を動かすのはもちろん健康にいいのですが、大きな声を出して応援合戦をすることによってストレスが発散され、精神的にも非常にプラスとなります。開会式ではテンポを合わせて行進するなど、「みんなでなにかを一緒におこなう」という一体感を味わうことも重要です。競技が終わったあとは、賞状やメダルを出すのも忘れないようにしましょう。

また、運動会を盛り上げるためには、チームを作ることも大切です。チームがあれば、自分のチームの選手を応援したり、相手チームの健闘を讃えたりして心の交流をすることができます。優勝チームに渡すトロフィーなどの準備も早めにしておけば、当日慌てるようなこともないでしょう。トロフィーを飾っておけば、運動会での楽しいひとときをいつでも思い出すことができます。また、来年の運動会に向けての励みにもなり、年間計画を立てる心のゆとりも出てくるはずです。

準備体操は忘れずに!

運動競技で体を動かす前に、忘れてはいけないのが準備体操です。準備体操としてはラジオ体操がもっともポピュラーですが、「365歩のマーチ」などの明るくてなじみのある曲を使って体をほぐすのもおすすめ。「ズンドコ節」なども高齢者に人気がある曲ですから、運動会に向けて気持ちと体をほぐすのにもよいでしょう。

デイサービスの運動会におすすめの競技を紹介!

デイサービスでは、高齢者が無理なくできる競技をいくつか用意するのがおすすめです。ここでは、利用者さんに楽しんでもらえるようなおすすめの競技をご紹介します。

玉入れ

玉入れは、デイサービスの運動会では定番中の定番といえる競技のひとつです。参加者はそれぞれのチームにわかれて、足のついたカゴの周りに輪を作って座ります。参加者みんなで玉を投げて、より多くカゴに入ったチームが勝ちといったゲームです。

この競技のいいところは、参加者の人数が多くても少なくても遊べることにあります。数人でも、10人以上でも遊べるので、利用者さんの多い少ないにかかわらず、みんなで楽しむことができるでしょう。玉は、万が一ほかの人に当たっても痛くないようにお手玉を使用し、参加者全員が玉を入れられるような位置にカゴを配置することがポイントです。

ボールリレー

ボールリレー(大玉送り)は座ってできるので、車椅子の方でも楽しく参加することのできる競技のひとつ。バランスボールなどのように軽くて柔らかいボールを、並んだ椅子に座った参加者が頭の上で送っていくのが、この競技のルールです。

借り物競争

借り物競走も、人気のある競技のひとつです。借り物競争では、コース上に置いてある紙に書かれているお題(ハンカチやメガネ、コップなど)を誰かから借りてきて、借りた人と一緒にゴールするというルールとなっています。利用者さんが選手になるには少し大変な競技なので、利用者さんがものを貸し出す側で、職員が選手になることが多いようです。

競技の選び方のポイント|スタッフ参加型や競争以外の種目も

デイサービスでおこなう運動会の競技は、基本的にハードに体を動かす運動は避け、誰でも参加できるタイプのものを選ぶことが大切です。玉入れやボールリレーなどのチーム戦にくわえて、パン食い競争、スリッパ飛ばしといった個人戦をくわえれば構成にメリハリがつくでしょう。さらにダンスや歌など、競技性のない種目やスタッフも参加するものなども取り入れて、みんなが楽しめる工夫をするのもよいでしょう。

利用者さんに楽しんでもらえる運動会を開催しよう!

運動会は秋の到来を感じさせる季節行事でもありますから、運動会当日の食事メニューも合わせて秋らしい献立にするなど、全体感のある運動会を開催するのが理想的です。また、メールやFAXで利用者さんの家族にもお知らせし、家族で運動会に参加できるような環境を整えるのもよいでしょう。

ただし、ケガや事故が起こらないような注意を払うことも忘れてはいけません。参加した利用者さんたちから「来年の運動会が楽しみだね」といってもらえるような運動会を企画してみましょう。また、ほかのデイサービスの運動会を参考にするのもおすすめです。

引用元:
介護がもっとたのしくなるサイト|かいごGarden こんなにあった!老人ホームの行事レクリエーションの目的
あずみ苑 さまざまな効果が期待できるご高齢者のレクリエーション

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