性格や求めているものに応じて施術方法まで変える「クローバー鍼灸接骨院」伊藤秀雄さん
2023年、愛知県にオープンした「クローバー鍼灸接骨院」。院長を務める伊藤秀雄さんは、力士のスポーツトレーナーとして、26年間活動されてきました。前編ではそのきっかけや、信頼を築くためにやってきたことを伺いました。
後編では長く往診専門として働いてきた伊藤さんが2023年に治療院を構えた理由や、27年のキャリアの中で心がけてきたことについて伺います。
今回、お話を伺ったのは…
伊藤秀雄さん
「クローバー鍼灸接骨院」院長/プロスポーツトレーナー、鍼灸マッサージ師、柔道整復師。登録販売者、介護支援専門員
サラリーマンをしていた20代の頃に鍼灸師となることを決意し、資格を取得。その後、柔道整復師の資格も取得し、20代後半から往診専門の鍼灸マッサージ師、柔道整復師として開業。並行して、力士のトレーナーとしても活動をしており、日本相撲協会チーフトレーナを任された経験も。2023年愛知県に「クローバー鍼灸接骨院」を開業。鍼灸、マッサージ、整体、カイロプラクティックなど、幅広い施術で対応し、患者からの信頼も厚い。治療家として27年のキャリアを誇る。
24時まで営業する鍼灸接骨院をオープン
――長く往診という形を取られてきたそうですが、「クローバー鍼灸接骨院」を立ち上げたきっかけは?
往診という形を取っていると、対応できる人数が限られてしまうからです。スポーツトレーナーとして全国を飛び回っていたので、往診の形の方がいいと思っていましたが、店舗を構えておけばスタッフに任せる形をとることもできるんだと、あるとき気付き(笑)。力士の方の人脈も広がってきましたので、いいタイミングだと思い開業にいたりました。
――24時まで営業をしているそうですが、その理由は?
一般的な治療院ですと20時くらいまで営業しているところが多いと思いますが、その時間に来院できる人ばかりではないということです。実際に夜中にあごが外れたという患者さんがいらっしゃったこともありますし、仕事帰りに来院できるというのは患者さんにとって大きなメリットだと思っています。その安心感もあるのか、オープンから3ヶ月、お客さまがかなり集まってくださっています。
鍼灸、マッサージ、整体など幅広い施術が可能に
――「クローバー鍼灸接骨院」の施術の特徴について教えてください。
患部だけでなく、全身の関節を見て、何が原因なのかを見極めることも大切にしています。たとえば腰が痛いと言われても、背骨、首、腰、股関節、膝、手首、お腹の張りなどを確認します。腰痛を訴える人の多くは、足首がすごく硬いんです。足首をゆるめるとふくらはぎや足裏の筋肉がゆるみ、腰の筋肉もゆるんでいきます。患部だけの施術を行っても、同じ痛みを繰り返す可能性があり、本当の意味での治癒ではないというのが私の考えです。
また私が鍼灸マッサージ師、柔道整復師の資格を持っているので、鍼灸、マッサージ、整体、カイロプラクティックなど、幅広い施術で対応幅広く対応できるのも特徴だと思っています。技術の探求に終わりはなく、今でも毎週、整体を学びに行っています。
――なぜそんなに幅広い施術をできるようにしたいと思ったのですか?
治療に深みを持たせるためには、全部の資格を取ったほうがいいなと思ったんです。鍼灸師の資格しかない人は、当然ですが鍼灸の施術をするしかありません。できるだけ来院する患者さんにあった提案ができることを目指しました。
患者さんの性格や求めているものを知ることが、信頼につながる
――治療家として心がけてきたことは?
安心して施術を受けてもらえるように心がけてきました。信頼を得るためには、患者さんの性格、求めるものを見極め、それにあった声がけ、施術を行うことが何より大切です。
――性格というのはどんなところから分かるのでしょうか?
言語化が難しいのですが、来院されてからの様子をずっと見ているとなんとなくの性格のパターンが分かる気がします。不安そうな方もいれば、一秒でも早く苦痛から解放されたいと考えている人、家族に言われて仕方なく来ている人などいろいろな方がいるので、それにあわせて説明の内容や量、順番などを変えています。
たとえばネガティブな感情を持って来院している人には、なるべく早く効果を実感してもらうことが大切だと思うので、説明はコンパクトにしますし、理屈が必要そうな人には体の仕組みからきちっと説明する。説明しすぎても逆に不安になる人もいるので、そういう方にも早めに効果を実感してもらうことが大切だと思っています。
――最後に、今後の目標を教えてください。
これまではひとりでやってきたのですが、今後は人を育てていきたいと思っています。現在は治療院を構え、これまでのように巡業に帯同するのが難しくなってしまったので、ゆくゆくは人を育てて場所中は治療院を任せ、私はスポーツトレーナーに集中できるような環境を整えていければ、と。
あとは、相撲、映画の撮影など外部での活動で人脈が広がっているので、その人脈を活かして「クローバー鍼灸接骨院」をもっと広げていきたいと思っています。
信頼感や安心感を大切に、治療家として歩んできたという伊藤さん。27年というキャリアを積み重ねても技術について学び続けていることからも、その姿勢がうかがえます。治療家としてさらに活躍したい方はぜひ参考にしてみてくださいね。