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ヘルスケア 2024-02-24

今も未来も健康でいられるカラダを目指して、自分が好きでいられる自分になる【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事Vol.131 トレーナー リナ・オオクマさん】#2

ヘルスケア業界のさまざまな職業にフォーカスして、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく連載『もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事』。

今回は、ダンスの経験を活かし、ピラティスやダンスの指導をしているトレーナーのリナ・オオクマさんにインタビュー。

前編では、アメリカで「ピラダンス」をもとにしたダンストレーナーとして活動を始めた経緯や、アリゾナ州で指導を行っているダンスレッスンについて伺いました。今回は、「健康で長持ちするカラダづくり」をテーマに掲げた経緯、日本にいるメンバーに向けて発信しているレッスン内容やその詳細、トレーナーを目指すうえでのアドバイスをお聞きします!

お話を伺ったのは…
トレーナー リナ・オオクマさん

日本の大学へ2年半通ったあと、アメリカのアリゾナ州立大学へ編入し、トレーナーとしての活動をスタートさせる。「健康で長持ちするカラダづくり」をテーマに、タメになるエクササイズを発信中。SNSではプライベートを始め、自身の考えたことや思いを伝えており、その飾らない姿にファンも多い。

今も未来も健康であるために! 自身のダイエット経験がテーマの基になった

――「健康で長持ちするカラダづくり」に着目したきっかけは?

自分の何度かのダイエット経験から、その重要性に気づきました

当時、自分の体重が標準より少しオーバーしていたときがあったんです。身体を動かして痩せられたものの無理なダイエットが良くなかったのか、貧相な身体になってしまったと思いましたし、自分が理想としていた痩せ方ではなかったと感じました。

そのあとにまた太った時期があったのですが、既に人前に立ってトレーニングの指導を行っていたこともあり、周囲の方々から「太った?」って聞かれることが多くなったんです。周りから言われると、やっぱり気になるじゃないですか。太っちゃいけないのかな、痩せすぎても何か言われるだろうし…といろいろ考えてしまって。その結果、自分が何のために身体づくりをしているのか、目的を忘れていました

そんなとき、ちょうど祖母がアメリカに遊びに来たんですね。祖母は80歳を超えているのにも関わらず、私より前を歩いたり、アクティビティを楽しんだりと、かなり元気。その姿を見て、純粋に高齢になっても元気に動けて何でも楽しめる身体や体力があることって、すごいなと思ったんです。

祖母の姿を見て、他人の評価で自分の身体をどうこうするのは違うなと。私にとって大事なのは、「今」太った・痩せたではなく、「未来」のために健康を維持することだと痛感しました。たとえ太ってしまっても自分の設定した標準値を維持すれば、他人からの意見も気にならなくなります。健康を維持していくことで、年を取っても元気で楽しくいられる身体づくりを追求したい気持ちを設定しました。

日本で発信しているオンラインサロン「Bi!Crew」とは?

丁寧で細やかな指導が分かりやすいと評判です。

――テーマのもと、日本で発信しているオンラインサロン「Bi!Crew」についてお聞かせください。

毎週2回、朝に行うリズムストレッチを始め、毎月4回の特化型レッスンを行っています

特化型のレッスンでは、毎月新しいテーマを取り上げて、それに特化したトレーニングの指導をします。例えば、ある月のテーマは「冷え性を改善するためには?」といったテーマ。冷え性を改善するためのトレーニングだけではなく、冷え性になってしまう根本の原因の解説から行い、冷え性につながる姿勢や習慣を正すためにトレーニングをするようなイメージで展開しています。

レッスンのほかにも、メンバー同士のコミュニティを作って交流したり、イベントを開催したりと、健康な身体づくりのためにいろいろ考えて実行しています。

――オンラインサロン「Bi!Crew」のターゲット層は?

目的はあるけれど、トレーニングが続かない方や自分の身体を整えることに前向きな方

自分の健康な身体を維持させたいとか、自発的に「自分のために」時間やお金を投資できる方が多い印象です。美意識が高めと言いますか、自分にかけられるお金の優先順位、健康や美容に前向きなイメージ。そういった思いをかなえるべく、できる限りのサポートをしています。

――入会した方々のお声はいかがですか?

漠然とトレーニングをするだけではなく事前に知識を入れることで、より動くことへの理解が深まったと評価いただいていますね。習慣化することで身体が覚えてきますし、それが結果となって現れてきますから、満足度は高いと感じています。

――イベントについても教えてください。

「温泉フィットネス」と称した、温泉旅館で皆さんとお会いするイベントを1年に1回ほど開催しています。

レッスンのあとはお料理と温泉が楽しめる、純粋に楽しいツアーです(笑)。

――温泉にした理由はあるのですか?

実はアメリカに来たばかりの頃は寮のような場所に住んでいたので、トイレもお風呂も共同のものしか使えなくて。毎回お風呂を洗って浸かる気になれず…4年間くらいお風呂に浸かれない日々を送ったら風邪を引きやすくなってしまったんです。その経験からお風呂の大事さに気づいて、イベントに反映することにしました。

お風呂に限らず、自分が気づいたことはなるべくSNSで発信するようにしています。私がテーマにしている「健康で長持ちするカラダづくり」に紐づけて、皆さんの健康のためになる情報を発信することも大事だと考えています。

自分が熱中できる「動作」に注目していれば、道は開ける

レッスンを受けている方々に還元したい気持ちから、ボトルを制作したんだそう。「習慣化できなくて、今日できなかったからもういいやってなる人に、始めるのはいつからだって良いんですよというメッセージを込めています」。

――オオクマさんの経験や思いを発信するツールとして、SNSを活用しているのですね!

そうですね。どのSNSも集客のためというより、自分のパーソナルな部分を発信するためのツールだと思って活用しています。だから自分の投稿を見てもらって、それに共感してくれる人がいたらすごく嬉しいですね! あとは、トレーニングへの要望とか新しいサービスがほしいとか、視聴者の方の意見も聞ける貴重な場だと認識しています。

そのうえで私の発信するツールを見て、サービスとかトレーニングに興味を持ってもらえたらなお嬉しいです。

――トレーナーを仕事にする魅力は何だと思いますか?

生きていくうえで、身体を動かすのって必要なこと。それを仕事にできているのは嬉しいです。意欲的に動くことが難しい人だったら、仕事にするのも一つの手段としてアリかもしれません。

――では、オオクマさんにとって動けることはやりがいなのでしょうか?

私、やりがいってあとから気づくものだと思っているんです。確かに以前は、お客様からの感謝の言葉をもらって嬉しいと思ったことはありますが、やりがいのことばかり考えてしまうと、目的を見失ってしまうような気がして。何かに没頭して、充実した日々を一日でも多く増やしていければ、振り返ったときにあのときのあれがやりがいだったと感じられると思うんです。

やりがいを感じるためにも常に立ち止まらずに動く。悩むより先に動いてみると見えるものがあると思うので、何でも挑戦するようにしています。

――動いてみることで未来が開けることも?

そうですね。私自身、最初からフィットネスが好きでインストラクターを目指したわけではなく、楽しそうと思って進んでみたら今につながりました。「これが好きだからこれにならないといけない」といった決まりはないですから、そういう枠にはめないで気持ちがワクワクする方向に進んでみると良いと思います。

やりたいことが見つからない人が多いように見受けられますが、好きな「何か」を見つけるのではなく、「何をしているとき」に自分が楽しいと感じるかの方が重要。その何かをしているときの自分を続けていれば少しずつ方向性が見えてくるのではないでしょうか?

自分にとって天職を見つけるための「3つのポイント」とは?

1.自分が好きだと思う物事に対して、積極的に動いてみる

2.自分の経験からの気づきをテーマに反映させていく

3.好きな物事から、ほかの可能性を考えてみる


取材・文/東 菜々(レ・キャトル)
撮影/生駒由美

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