初回はオープンな場所で教室をすべし！悩みを抱える女性に人気の自宅サロン経営 杏味さん
現在、整骨院院長・整体とヨガサロンの経営者として活躍する杏味さん。前編では、杏味さんが柔道整復師とヨガ講師をめざした理由や、そこにたどり着くまでの道のりを伺いました。
後編では、2つの顔を持つ杏味さんがどのように働いているのか、自宅サロンをどのように開業したか、集客の方法などについてお聞きします。
今回、お話を伺ったのは…
杏味（あずみ）さん
柔道整復師とヨガインストラクター、タイ古式マッサージの資格をもち、「よつば整骨院」で院長を務めながら、自宅では整体とヨガ、タイ古式マッサージを提供するプライベートサロン「整体とヨガ 杏味（あずみ）」を経営する。17歳の娘の母。
2019年にヨガを学びはじめ、インストラクターとしてクラスを担当。翌年2020年には、全米ヨガアライアンスのヨガインストラクターの資格を取得。さらに2023年にはタイ古式マッサージの資格も取得している。
柔道整復師としての経験と自身の産後トラブルの経験がヨガ講師としての強み！
杏味さんのヨガ教室は女性からの支持が厚い
――杏味さんは現在、どんな働き方をされていらっしゃるのですか？
現在、「よつば整骨院」の院長と、整体とヨガレッスンを提供するプライベートサロン「杏味」の経営者として働いています。具体的には、週に4日間は「よつば整骨院」で院長として働き、週2日は自分のサロン「杏味」をオープンして、施術などを行っています。他にも、毎週日曜日、定山渓にあるリゾートスパで「森ヨガ」というコースを受け持っています。
――杏味さんのプライベートサロン「杏味」をオープンするまでの道のりを教えてください。
ヨガのライセンスを取得した後、幸運なことにヨガの師匠から、「森ヨガ」の講師のお仕事を紹介していただいたんです。
講師経験が少なかったため、帰り道の車の中で反省して落ち込むこともありましたが、師匠に声をかけていただいたこと、お客さまと向き合って講師としての経験を積むことができたことで自信が湧き、徐々に開業へのビジョンが見えてきました。
一時は自分のサロン運営で独立することも考えましたが、経営するということに対して完全に不安が払拭できなかったことと整骨院での仕事のやりがいを忘れられず、整骨院オーナーに相談して「兼業」という形でサロン運営を続けてきました。私がやりたいことやビジョンにご理解をいただき、応援してくださっているオーナーには感謝の気持ちでいっぱいです。
柔道整復師としてキャリアを歩み始めたときに思い描いていた「35歳のときには自分のお店を持ちたい」という理想が叶いました。
――ヨガ講師としてのご自身の強みはどんなところにあると思いますか？
やはり、柔道整復師として整形外科と整骨院で培った経験と、自分自身も感じた産後の悩みや女性ならではのマイナートラブルに対処できる知識・技術がある点かと思います。
整骨院で指名をしてくださるお客さまや、ヨガレッスンのお客さまの層を見ていると、産後の悩みやマイナートラブルと不調を抱えながらも、子育てと仕事を両立し頑張るママたちが多いんです。私自身も同じ悩みを抱えているからこそ、お客さまの気持ちがとてもよくわかります。共感できるというのも、ひとつ私の強みになっているのではないかと思います。ヨガや整体、タイ古式マッサージなど、あらゆる方法を尽くして、その問題を少しでも和らげられたら…と思いながら施術を行っています。
集客のメインは「口コミ」ママ友がママ友を呼び大人気に
安心感のある声掛けや寄り添うような施術を心がけている
――自宅のプライベートサロンの集客は、どのように行ってきたのですか？
お客さまの来店の理由は、主に2パターンあります。私のInstagramを見てきてくださるか、以前参加された方の口コミで来てくださるかのどちらかです。
今来てくださっているお客様と繋がりができたのは、娘と娘の友人のお母さんのおかげなんです。私の娘が「うちのママが今度、ヨガ教室始めるんだ！」と友達に話していたようで、興味を持った、まだお会いしたことのなかったママさんがサロンに来てくださったんです。
そうしたら、ママ友がまた別のママ友を呼んでくださり、そのうちそのご家族が来てくださるようになって、ご家族の友人や会社の関係の方…と輪が広がっていきました。口コミを広げてくれた娘とママ友たちには、本当に感謝しています！
――自宅でプライベートサロンを開きたい方に対してアドバイスをいただけますか？
お客さまの立場で考えると「知らない人の自宅に上がって施術を受ける」ということはなかなかハードルが高いもの。
もし自宅での開業を考えているのであれば、最初にレンタルスタジオを借りて、何度か教室を開催するのがおすすめです。「初回から自宅に行くのは少し抵抗がある」という方も、スタジオのヨガを体験してくだされば、安心してサロンにも来てくださるようになりますよ。
また、当然ながらお客さまへの「心遣い」も重要。施術時は私も緊張するんですが、きっと私以上にお客さまのほうが緊張していると思うんです。身体に辛いところがあり、藁にもすがる思いで、勇気を出して来店してくださっているので、どんなところが辛いのか、どう思っているのかなどをしっかり傾聴するように意識しています。
そのうえで、安心できるような、包み込むような声掛けができたらよいなと思いながら施術やレッスンをしています。
夢はサロンの店舗運営や講師としての活躍！
母校でヨガレッスンをすることも
――整骨院院長とプライベートサロンオーナーの2つの顔をお持ちですが、2つの仕事を並行して続ける楽しさやメリットはありますか？
あまり仕事という感覚は強くないんです（笑）。私が施術やレッスンをして、お客さまが元気になってくださるのを見ることが大好きです。好きなことができる場所が2つもあるということは本当にありがたいですね。
経営という面でも、それぞれ特色があって面白みを感じています。
ヨガのサロンは自分ががんばればがんばった分だけ自らの糧になる感覚がありますし、整骨院は院長として、スタッフにビジョンを掲げてマネジメントして、多くの方を元気にして売上を立てていく喜びがあります。整骨院の院長としての経営の学びは、私のサロンにも活かすことができている感覚がありますね！
――杏味さんの今後の目標について教えてください。
現在は自宅でサロンを開いていますが、ゆくゆくは店舗を開けたらよいなと思っています。整体とヨガ、タイ古式マッサージを組み合わせて、体のケアをしたり、女性ならではの悩みにも寄り添えるようなサロンにできたらと思います。
また、私自身の経験や知識を活かして、1人ひとりに寄り添った施術ができるセラピストの育成も手掛けていくのが目標です。
整骨院院長としてヨガ講師としても活躍している杏味さんですが、その活躍の裏にはお客さまを元気にするために新しい知識を貪欲に学び、仕事を楽しむ姿がありました。柔道整復師さん、ヨガ講師さんとして飛躍したい方は、参考にしてみてはいかがでしょうか？
