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ヘルスケア 2024-03-15

とにかく柔らかくなりたい気持ちから、柔軟美®︎トレーナーに転身!【もっと知りたいヘルスケアのお仕事 Vol.134 柔軟美®︎トレーナー 村山巧さん】#1

ヘルスケア業界のさまざまな職業にフォーカスして、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく連載『もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事』。

営業職を10年以上経験したのち、突如、柔軟美®︎トレーナーとして活動を始めた村山巧さん。自身の体の固さを理由に、「柔軟」に注目したと話します。

前編では、村山さんがトレーナーの道に進むことになったきっかけや、デビュー後の集客方法について伺います。

お話を伺ったのは…
柔軟美®︎トレーナー 村山巧さん

会社員として営業職を約10年経験したのち、独自で経験したことを活かしてトレーナーデビューを果たす。現在は、子ども向けのレッスンが大人気で、本も多数出版。メディアにも積極的に出演し、子どものみならず、父母からも注目を集める「柔軟美®︎トレーナー」として活躍中。

アイススケートの練習が興じてトレーナーデビュー!

体を柔らかくするのは大変だったか伺うと「もともと私は体が固い方だったので、最初は正直大変でした。ボディービルダーが肉体美を作り上げるように、日々の鍛錬で柔らかくなりました」と村山さん。

――トレーナーになる前は、営業職の会社員として勤めていたそうですね。

大学卒業後は、新卒で産業機器の精密パーツを扱う専門商社に入社し、営業職をしていました。そのあともシステム開発系や輸入商社など会社のジャンルを変えながらも営業一筋。当時からお客様の笑顔を見ることが何よりも好きでした。

――トレーナーに転身したきっかけは何ですか?

会社員として働き始めて10年目を迎えた頃、会社の事情もあって退職することになったんです。

その少し前から趣味でアイススケートを始めていて。周りで練習している一般の人がジャンプやスピンをする様子を見て「自分もできるようになりたい!」と思い、一生懸命練習に励みました。もともと運動が苦手なうえに体が固かったため、柔らかくなることへの強い憧れも感じていたんです。

アイススケートで美しく魅せるには、体の柔軟性が必要だと痛感し、ありとあらゆる柔軟系のストレッチを習得し始めました。結果的に体は徐々に柔らかくなり、アイススケートよりもストレッチに興味が湧き、今の仕事につながりました。

――実際にご自身で取り組んでいたストレッチについて教えてください。

まずはトレーナーが受けるような勉強会やセミナー、実践するためのストレッチ教室に通いました。具体的には、タイ古式マッサージや古武術、解剖学など。トレーナーデビューをしてから今までも勉強は続いていて、お客様の悩みを解決するたびに知識の幅が広がり続けています。

私自身、「柔軟」に取り組み始める前と今を比べてみると、同じ人間かと驚くほど、柔らかくなりました。このときの自分の経験が今、指導者としての自信になっています。

――自然とトレーナーになる準備が整っていたのですね。

今思えばそう感じます。ストレッチを学び始めた当時は、スポーツトレーナーやインストラクターにただただ憧れていただけでしたが、退職が決まってからは「人生1度きりだからやり残しのないようにしたい!もう迷っている場合ではない!」と、トレーナーの道へ進む決意を固めることができました。

すぐさま自らスタジオを借りて「柔軟美®︎トレーナー」と打ち出し、個人で活動をスタートしました

集客につまづいた2年間。自分を信じ続けてなんとか軌道に乗り始めた

家やオフィスで簡単にできる「脇の下から肩甲骨までに効くストレッチ」を教えてくださいました。骨の位置が戻り、肩が上がりやすくなるのだとか。手順:(左から)脇を背もたれに乗せ、前後ろ交互に振り、筋肉をほぐす。みなさんもぜひトライしてみて!

――思い切りましたね。軌道に乗り始めたのはいつ頃から?

2年目くらいでしょうか。それまではとにかく集客するのが大変でした。個人の活動だけでは生計を立てられなかったので、トランポリン教室の仕事も掛け持ちして働く日々。スタジオを勢いで借りたのは良いものの、定員分のお客様を呼び込むのに必死でした。

――どのような方法で克服を?

自分でホームページを作成して宣伝したり、SNSを活用したりしました。具体的には、企画書を作成し、自らスポーツジムやカルチャースクール、テレビ局の制作会社や新聞社へも売り込みに行くイメージ。これらは前職の経験が活かせたと感じたところです

最初は思うように進みませんでしたが、自分が築いてきた「絶対に誰でも柔らかくなるのだ!」という「柔軟」に対する思いは人一倍あったので、迷わず突き進むことができました。何より、たくさんの人に応えていただいたことも励みになりました

――打ち出したテーマやターゲット層を教えてください。

始めた当初は、大人向けに打ち出していました。自分と同じように何か別の目的があって取り組む方や日常生活を送る中で柔軟性を必要としている方を想定し、それぞれの目的への活かし方を指導するような。現在は、お子様を指導する機会が多いです。

――お子様の割合が多くなったきっかけは何ですか?

とあるチーム様から、キッズ向けの指導の依頼をいただいたことがきっかけになりました。

私のレッスンを受けた受講者の方から「どんなに硬い子でもその場で柔らかくなる」「柔らかい子はさらに柔らかくなる」と、抜群に効果が見られると口コミが広がり、大人よりもお子様の割合が増えていきました。

――指導しているお子様の層は?

レッスンを受けていただくお子様のほとんどが何かしらの競技に取り組んでいます。具体的にはバレエやチアダンス、新体操など。これらの競技は、膝がしっかり伸びているか、つま先がピンと伸びているかなど、わずかな差で結果が変わることがあることから、人間離れした美しい柔軟性が必要になるのです。

――大人と子どもを指導するうえで感じるギャップはありますか?

個人的には、あまり変わりないと感じます

なぜレッスンを受けにきてくれるのか考えると、ずばり「変化がほしい」のだと思っていて。大人は、年齢を重ねていくにつれ、動作が固くなりますから、以前のように動けるために、子どもは怪我予防やさらに高みを目指してスキルアップするためなど、どちらも目的は違えど、「柔らかくなりたい」「変化が欲しい」と思う気持ちは一緒です。今後も、大人も子どもも関係なく、ストレッチの素晴らしさを発信し続けていきます


異業種に転身し、見事トレーナーとしての地位を築いた村山さん。後編では、展開しているレッスン形態や指導の際に気をつけていることについて伺います。

取材・文/東菜々
撮影/喜多二三雄

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