「色」を使って潜在意識を引き出し、解決へ導く。オーラソーマを使った心理カウンセリングとは?【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事Vol.104/心理カウンセラー 篠沢友紀子さん】#1
「ヘルスケア業界」のさまざまな職業にフォーカスし、その道で働くプロに、お仕事の魅力や経験談を語っていただく連載企画「もっと知りたい! ヘルスケアのお仕事」。
今回お話を伺ったのは、心理カウンセラー 篠沢友紀子さん。
現在、東京都・代官山のサロンでオーラソーマを使った心理カウンセリングを行う篠沢さん。
前編では、オーラソーマに出会った経緯や、現在の活動内容について伺います。
オーラソーマに触れた瞬間、
「私の学ぶべきことは、これだ」と確信!
――心理カウンセラーになる前は、アパレル業界で働かれていたとか。どんなきっかけでオーラソーマに出会ったんですか?
アパレル業界は、最初は営業職で入ったのですが、最終的には生産やマーケティングも行うようになっていました。1から10まで携わったものを販売するのはすごくやりがいがあって楽しかったのですが、少しずつ嫌な面も見えてくるようになったんです。
というのも、作ったお洋服全てがお客さまに手に取ってもらえるわけではないんですね。もちろん、セールをしたり、福袋に入れたり、海外に寄付したり、あの手この手を尽くしますが、少なからず「破棄するのも」が出てしまう。これがすごく悲しくて、悔しくて。何よりもったいないし、今の時代に合わないと思ったんです。ブランドチームが解散したのをきっかけに、アパレル業界を辞めてしまいました。
その時、ふと頭に思い浮かんだのが「オーラソーマ」。当時は名前もうろ覚えで、「なんか、2色のボトルがあったな。あれはなんだったっけ?」くらいの印象だったのですが、なぜかすごく興味を惹かれました。
――どこかで目にされていたんですかね?
おそらく。幼い頃は花を潰して色水を作って遊ぶのが好きでしたし、学生時代も服飾の専門学校でテキスタイル染めを学んでいたりしたので、どこかで目にした時、記憶に残っていたんだと思います。近くににオーラソーマのサロンがあったので早速受けに行ったら、なぜか直感で「これは私が学ぶべきものだ」って感じたんです。そこはスクールもあったので、そのまま通って勉強しました。
――それがオーラソーマとの出会いですね! オーラソーマにも資格はあるんですよね?
あります。基本的にはレベル1〜3まであって、レベル2まで受講すれば、お客さまからお金をいただいて「プラクティショナー」として活動できます。他にも、ティーチャコースのようなプラスアルファの資格もあるのですが、私はそのままレベル3のプラクティショナーの資格まで取得しました。
「オーラソーマ」と「チャクラバランストリートメント」で
心も身体もケアする心理カウンセラーに!
――とはいえ、資格を取って、そこからすぐ仕事として生計を立てるのはなかなか大変そうな気もするのですが……。
おっしゃる通り、みなさん結構それが悩みで、「活動する場がない」「どうしていいかわからない」という人も多いのですが、ありがたいことに私の場合はご縁があって、すぐ仕事に繋げることができたんです。最初は原宿のアパレル店、その次は酵素カプセルのお店の一角で、オーラソーマの販売とコンサルテーションを行っていました。
そして、いろいろなお客さまと出会う中で、想像以上に「オーラソーマのオイルを身体に塗る」ということを知らない人が多いことに驚きました。このオイルにはハーブとクリスタルが配合されていて、身体に塗ってもらうのが一番なんです。なのに、色を選んで診断してもらって、「当たってる、すごい!」で終わってしまう人があまりにも多い。もったいないなと思っていました。
「なんとかこのことを伝えたい!」と思い、塗ってもらうためにはどうすればいいか考えていた時に出会ったのがボディトリートメント。オーラソーマのオイルを使った「チャクラバランストリートメント」という施術があるのですが、当時オーストラリアから専門の先生が来日して開催されたコースがあったので、それを習うことにしました。
――ちなみにオーラソーマの発祥国は?
イギリスです。薬剤師をしていたヴィッキー・ウォールという人が作りました。今ではボトルの種類が100本以上ありますが、当初は数本だったようです。でもすべてに意味があり、それぞれ成分も違っていて、当時からすごくスピリチュアルなものでした。
先ほどもお伝えしたように、イクイリブリアムボトル(オーラソーマのオイル)には、ハーブとクリスタルを液化した成分でできています。ハーブがいいのは言わずもがなですが、クリスタルってみなさんブレスレットなどで身につけている人も多いですよね。石の種類によって、さまざまなパワーやエネルギーを秘めています。そこに色の波動が加わって、想像以上に影響力があるんですよ。
その後、チャクラバランストリートメント資格を活かして(株)IMA(オーラソーマを扱う会社で、今は無いのですが)に所属し、スパラクーア・日比谷シャンテ店店長も務めました。
――そうなんですね。
また、資格でいうと、「一般社団法人日本医療カウンセラー協会認定心理カウンセラー」の資格も取りました。というのも、お客さまの中には重度の症状があったり、病名が診断されているような方もいて、オーラソーマの診断やトリートメントだけでは対処できないケースがたびたび起こっていたんです。
ちょうどその頃、当時所属していた会社で心理カウンセラーのコースを開催するという話が出ていたので、真っ先に手をあげました。公認心理師であり、オーラソーマ ティーチャーとしても活躍されている土田くみ先生に学んだのですが、今でも私のスーパーバイザーとしてお世話になっています。
――その時の学びが、現在のお仕事につながっているんですね。
はい。これがきっかけで、より心理療法や心理検査を取り入れるようになりました。例えば、「子どもカラーセラピー」。これはカラーを使ったアートセラピー、絵画療法ですね。子どもは感情をうまく言葉で説明できないので、絵を描くことで感情を発散してもらい、コミュニケーションのきっかけにするんです。
現在は「『子どもアートセラピー』が学べる講座」も行っています。子どもが何を考えているかわからなくて悩んでいる親御さんや、子どもと向き合う仕事をしている人が学びにきています。もちろん、子どもだけでなく大人にも有効なセラピーですよ。
クライアントさんが選んだ色から
その人の内側にある答えを引き出す
――ちなみに、オーラソーマを取り入れた心理カウンセリングって、どのような流れで行うんですか?
カウンセリングに入る前に、オーラソーマのボトルを直感で4本選んでもらいます。選んだ4本はすべて自分自身を映し出す鏡になっていて、ボトルにはひとつひとつ意味があるんです。そのメッセージが、クライアントさんの内側にある答えを引き出すサポートをしてくれるんです。
色彩心理では、同じ色でもポジティブな面とネガティブな面、両方あります。何事も二面性を持っているんですね。実際、同じ赤色を見ても「エネルギッシュ」と感じる人もいれば「ドロドロとした怒り」と感じる人もいる。そのため、「色を見た時にどう感じるか」というのも重要になります。
――なるほど。オーラソーマを取り入れたカウンセリングは「ここがいい」というポイントはありますか?
初回のカウンセリングは、どうしても手探りになりがち。クライアントさんも悩みを言いづらかったり、どういうふうに伝えていいかわからなかったりして、構えてしまいますよね。でも、最初にオーラソーマを選んでもらうことで気持ちが和みますし、「どのように感じているか」というヒントも見える。本人でも気づいていない思いまで引き出してくれることもあるんです。
例えば、「このボトルはこういう意味があるんですけど、どう感じますか?」と聴くと、「そうえば……」とか「実は……」というきっかけになったりね。そこから過去に感じたショックやトラウマをお話しされることも多々あります。カウンセラーにとってもクライアントさんにとっても「気づき」を与えてくれるのが、オーラソーマを使ったカウンセリングのポイントだと思います。
悩みの深い人もそうでない人も
気軽に通えるカウンセリングルームでありたい
――カウンセリング時に心がけていることはありますか?
何よりもまず、クライアントさんが安心して話せる雰囲気をつくること。そして、「ご自身がどうなりたいか」という思いを大切にしています。あと、これはカウンセラーにとって当たり前のことですが、クライアントさんに寄り添い、話をしっかり聴くことですね。
このサロンのコンセプトが「気軽に通えるカウンセリングルーム」なんです。昨今カウンセリングに対するハードルが下がってきたとはいえ、まだまだ日本では「気軽」とまでは言えません。でも、「悩みがあっても話す人がいない」「友人や家族に話しても理解されないし、話せない」という人は、意外とたくさんいる。そういう人たちが、病気と診断されていなくても気軽に悩みを話せるカウンセリングルームでありたいですよね。オーラソーマのカウンセリングとチャクラバランストリートメントで「心身共に」ケアできる場所でいたいと思っています。
後編では、この仕事のやりがいや今後の目標、未来の心理カウンセラーに向けたアドバイスを伺います。
取材・文/児玉知子
撮影/喜多二三雄