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特集・コラム 2024-06-21

理学療法士の仕事を大変だと感じる理由とは? つらくなったときの対処法

「理学療法士の仕事は大変だ」と耳にしたことはありませんか?理学療法士を目指す人にとっては、気になる言葉ですよね。確かに理学療法士の仕事は忙しく、患者とのコミュニケーションの難しさなど、大変な面があるのも事実です。今回は、理学療法士の仕事を大変だと感じる理由や対処法を解説します。

さらに、すでに理学療法士として働いており大変さを感じている人に向けて、転職の選択肢を紹介します。理学療法士を目指している人はもちろん、現在理学療法士として働いている人も、ぜひ最後までお読みください。

理学療法士の仕事を大変だと感じる理由とは?

理学療法士は患者の運動機能回復をサポートする、やりがいのある医療技術者です。理学療法士の活躍の場は幅広く、たとえばリハビリテーションセンター・高齢者介護施設・障がい者福祉施設などがあります。また、プロスポーツチームに所属してアスリートのケアをする理学療法士もいます。

大きなやりがいのある専門職ですが、一方「大変な仕事」という声もよく耳にします。理学療法士の仕事が大変だと感じるのは、どのような理由からでしょうか。具体的に解説します。

1. 体力を使う仕事が多い

理学療法士は患者に対して、基本動作(起き上がる・立ち上がる・歩く)の回復をサポートする専門家です。体が思うように動かない患者を支えたり抱えたりすることが多々あり、理学療法士自身も仕事中はとても体力を使います。患者を不安にさせないために全身の力を使って歩行を介助する場合など、理学療法士の体にもかなり負担がかかることになります。

また、理学療法士が仕事中のほとんどの時間、忙しく動き回らなければならない職場も。一日中立ちっぱなしで働くので、疲労はかなり大きいといえるでしょう。体力を使う仕事である点が、理学療法士が仕事を大変だと感じる理由です。

2. 人間関係が難しい

理学療法士が関わるのは、患者や施設利用者だけではありません。患者の家族や医師、看護師などと一つのチームとなって、患者の回復をサポートします。リハビリの進め方に関して、医療関係者と患者の間で意見を調整するのも理学療法士の仕事です。

また、患者や家族の不安や今後の希望に耳を傾け、信頼関係を築く必要があります。そのため、理学療法士には高いコミュニケーションスキルが求められ、精神的に疲れてしまう人もいます。

3. つねにスキルアップが必要

国家試験に合格して理学療法士として働きはじめても、学び続けなければなりません。理学療法士は、常に最新の知識や技術が求められる仕事だからです。

状況や体の動きは、患者によって異なります。同じ病気の患者でも、同じリハビリプログラムが適応するとは限りません。さまざまなケースに対応できるように、基礎知識に加えて最新の知識や技術を身につけておく必要があります。

治療方法などにおいて、リハビリ分野は日々進歩しています。最新の情報を学び続けるには時間と労力がかかり、常にスキルアップが必要とされる理学療法士は仕事にストレスを感じてしまうことがあるのでしょう。

4. 仕事の結果が出るまでに時間がかかる

リハビリは即効性のある治療法ではありません。理学療法士の仕事に結果が出るまでに、長い時間を要します。

また、患者の状況や治療の進み具合に合わせてリハビリメニューを変更するのも理学療法士の仕事です。しかし、なかなか結果が出ないことで、不満を口にする患者や家族もいます。理学療法士自身、リハビリプログラムや治療方針に不安を覚えることも少なくありません。

長い時間かけて頑張っても満足いく結果が出るとは限らない、結果が出るまでに時間がかかってしまうのは、理学療法士が仕事を大変と感じる瞬間です。

5. 仕事の割に給料が低め

理学療法士は体力や忍耐力が必要な大変な仕事であるにもかかわらず、給料が低いと感じている人が少なくありません。厚生労働省が運営する職業情報提供サイト「jobtag」によると、令和4年の理学療法士の年収は全国平均で430万円ほどです。

また「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の平均月給は約30万9,000円とされています。もちろん、勤務先によって差異がありますし、福利厚生や賞与などの待遇面も考慮しなければなりません。しかし、給料が仕事に見合わずつらさを感じている理学療法士もいるのではないでしょうか。

引用元
厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag | 理学療法士
政府統計の総合窓口e-Stat | 令和5年賃金構造基本統計調査
政府統計の総合窓口e-Stat | 【参考】職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)(役職者を除く)

6. 将来性に不安がある

理学療法士のなかには、仕事の将来性に不安を感じている人がいます。実は、2040年には人口10万人に対する理学療法士の数は、約3倍になるとのデータがあります。

理学療法士の国家試験の合格率は、2023年で87.4%と高い水準です。理学療法士の数が増え続けると将来仕事がなくなるのではないか、と不安になりますよね。

理学療法士にとって、昇給や昇格がない職場では仕事のモチベーションを保つのは難しいといえるでしょう。また、理学療法士自身の加齢による体力低下や腰痛、ノルマ過多に悩み「ずっとこの仕事を続けられるだろうか」「年齢的に厳しい」と将来に不安を抱えてしまう場合もあります。

引用元
厚生労働省 | 理学療法士・作業療法士の需給推計を踏まえた今後の方向性について(8ページ)
厚生労働省 | 第58回理学療法士国家試験及び第58回作業療法士国家試験の合格発表について

つらくなったときの対処法とは?

ここからは、理学療法士の仕事が「つらい」「もう続けられない」と悩んでしまったときの対処法をお伝えします。理学療法士の仕事は、日々患者と向き合う大変な仕事です。一日の過ごし方や気持ちを変えるだけで楽になる場合もあるのではないでしょうか。

また、どうしても仕事がつらいときの対策も提案していますので参考にしてください。

1. やりがいや初心を思い出す

理学療法士として働くのがつらくなったときは、仕事のやりがいを感じた瞬間を思い出してみてください。理学療法士は大変なことが多いのも事実ですが、他では感じられないようなやりがいを実感できる仕事です。患者から受け取った感謝の言葉や笑顔を思い出すと、つらい気持ちが軽くなるのではないでしょうか。

また、仕事を始めたころを思い出すのも効果的です。「患者のサポートをして役に立ちたい」と希望に満ちていた初心を思い出すと、仕事に前向きになれるかもしれません。

2. 自分を追い込みすぎない

理学療法士の仕事がつらいときは、自分を追い込みすぎていないか振り返って見るのも大切です。「思ったように結果が出ない」「頑張っているのに」と考えると、辛くなってしまいます。すべてを完璧にこなそうとするのではなく、気持ちに余裕を持つのがポイントです。

気持ちに余裕があると、周りがよく見えるようになります。余裕を持つことで新しい発見があったり、コミュニケーションがスムーズになったりする場合があります。

3. スキルや経験を活かして転職する

理学療法士の仕事がつらい場合は、転職して環境を変えるのもおすすめです。理学療法士の仕事自体は好きなのに、職場の待遇や人間関係が合わずつらさを感じているケースがあります。つらいのは仕事自体なのか、職場が合わないのか客観的に見つめ直してみましょう。

身につけた知識やスキルは強みになります。転職すれば、より条件のいい職場に出会う可能性がありますよ。仕事につらさを感じている人は、転職に向けて思い切って一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。

自分にぴったりの職場を探すには

理学療法士の仕事がつらい場合は、転職するのも解決策の一つです。転職するならより自分に合った職場を探したいですよね。ここからは、理学療法士が自分に合った職場を探す方法を2つ紹介します。

・転職エージェント
・求人サイト

1. 転職エージェントを利用する

理学療法士が転職エージェントを利用するには、以下のメリットがあります。

・アドバイスやサポートが受けられる
・時間の節約になる

転職エージェントを利用する際は、評判や、実績を確認して信頼できるエージェントを選びましょう。また、面談を通してキャリアコンサルタントを請け負う「転職支援サービス」を行うエージェントの場合、利用料がかかります。転職エージェントを利用する前に費用について確認しておきましょう。

2. 求人サイトで探す

理学療法士が転職を考えたとき、ハローワークや求人サイトなどWebを利用するのは下記のメリットがあります。

・多くの求人情報にアクセスできる
・自分のペースで転職活動ができる
・自己PRの場として活用できる
・応募先を比較検討できる

求人サイトを利用する際は情報の精査がポイントです。多くの求人情報が集まるので、応募する前に評判や口コミをチェックし、自分に合った職場かどうか確認しましょう。時間をかけて応募先を比較検討できるのが求人サイトのいいところですね。

Webで探せる理学療法士の求人サイトなら、医療系に強い「リジョブケア」がおすすめです。「リジョブケア」には全国から理学療法士の求人が集まっています。自分に合った職場を地域・雇用形態・特徴から検索できますよ。ぜひ「リジョブケア」を活用してくださいね。

理学療法士の履歴書で押さえておきたいポイントとは

理学療法士の求人で希望どおりの職場が見つかったら、積極的に応募しましょう。応募の際は履歴書でできるだけ好印象を与えたいですよね。まずは書類選考を通過するために、好印象を与えられる履歴書のポイントをお伝えします。

書く前に基本的な書き方をしっかりチェックしておこう

履歴書を書き始める前に、基本的な書き方を押さえておきましょう。

まず大切なのは、どのような場合でも履歴書は丁寧に書くことと覚えておいてください。たとえ自分の字に自信がなくても、丁寧に書くことを心がければ履歴書で好印象を与えられます。

履歴書を書く際は、つい忘れがちですが、注意しなければならない点は3つあります。

・誤字・脱字がない
・学校名・役職などは略さない
・修正液・修正テープは使わない

とくに、履歴書では修正した箇所が目立ちます。間違えてしまったら新しい用紙に最初から書き直してください。どうしても間違えたくない場合は、まず鉛筆で下書きするのがおすすめです。

志望動機に書くべきこととは?

理学療法士の就職や転職で自己アピールする最初のチャンスが、履歴書です。なかでも志望動機は、ポイントを押さえてしっかり伝える必要があります。履歴書の志望動機に書くべきことをお伝えします。

理学療法士の志望動機については、こちらの記事もおすすめです。
理学療法士として働きたい!伝えるべき志望動機とは?|書き方や例文も紹介

理学療法士を目指した理由

まず書くべきなのは、理学療法士を目指した理由です。理学療法士は国家資格が必要な専門職のため、あなたが目指したのにはなにか理由があったはずです。

なぜ理学療法士を目指したのか、履歴書を書く前に一度ノートなどに整理してみるのもいいでしょう。できるだけ具体的なエピソードを入れて理由を書くと、人柄が伝わりやすくなります。

その職場を選んだ理由

履歴書の志望動機の欄には、その職場を選んだ理由を忘れずに書きましょう。「雰囲気がよさそうだったから」など、漠然とした理由を書くのはおすすめできません。まずは、応募する職場の理念や方針、ほかの職場にはない特徴を明確にしましょう。

共感した点や感銘を受けた点を具体的にして、ほかの職場ではなく「ここで働きたい」という気持ちを明確に伝えるのがポイントです。

職場に対してどんな貢献ができるか

職場に貢献する視点を持つのも重要なポイントです。志望動機で「研修制度が充実してるから」「福利厚生が充実しているから」など、待遇面に関する理由を並べるのはおすすめできません。

知識や技術が、職場に対してどのように貢献できるかをアピールするのが大切です。また、就職後は理学療法士としてどのように仕事をしたいのか、目標を伝えるのもいいでしょう。

理学療法士の面接で好印象を与えるには?

理学療法士の転職で履歴書選考を通過すると、次は面接です。面接では緊張してしまって、うまく話せないという人も多いのではないでしょうか。面接で大切なのは準備です。ここからは、面接で好印象を与えるポイントを解説します。

聞かれやすい質問に答えられるようにしておこう

面接の対策として、聞かれやすい質問に対する答えを考えておくのがおすすめです。

聞かれやすい質問として、自己アピール・志望動機・職歴・転職理由などがあります。ポイントを絞って簡素に答えられるよう、準備しておきましょう。また、鏡を見ながら質問に答える練習をするのも効果的です。

予想外の質問をされた際は、とにかく落ち着いて返答するようにしましょう。面接官の話をしっかり聞き、はきはきと返答するように心がけてください。

身だしなみ・マナーも重要

面接で好印象を与えるには、身だしなみやマナーが大切です。靴が汚れていたり服にシワがあったりすると、だらしない印象を与えてしまうので注意してください。面接には清潔感のある服装で臨みましょう。

面接には遅刻しない、入室する際は挨拶するなど、社会人としての基本的なマナーを守るのが大切です。面接当日に慌てないように、面接会場までの道順やビジネスマナーをしっかり確認しておきましょう。

どうしてもつらくなったときは、自分に合った職場を探そう!

理学療法士が「大変」といわれるのは、体力やコミュニケーション能力が必要な仕事だからです。

確かに大変な仕事ですが、それ以上にやりがいもあります。理学療法士のサポートで患者が回復したり、笑顔で感謝を伝えられたりしたときは、仕事の喜びを感じるでしょう。とはいえどうしてもつらいときは、転職して環境を変えるのもおすすめです。

理学療法士の転職でぜひ活用していただきたのが「リジョブケア」です。「リジョブケア」は豊富な医療・介護系求人のなかから、勤務地や福利厚生など自分に合った職場の条件検索が可能。ぜひ「リジョブケア」を活用して理学療法士として長く活躍してくださいね。

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