理学療法士として働きたい!伝えるべき志望動機とは?|書き方や例文も紹介
理学療法士は、ケガや病気、加齢などが原因で身体機能が落ち、日常生活が困難になってしまった人に対し、リハビリテーションをおこなう国家資格保持者。理学療法士の就職先は病院やクリニック、福祉施設、スポーツジムなどさまざまです。
そんな理学療法士が就職活動や転職活動をするとき、どんな志望動機を伝えればよいのか悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、理学療法士として就職する際、どんな志望動機を伝えればよいのか、志望動機の書き方、例文などを紹介します。
理学療法士として就職・転職するとき伝えるべき志望動機
志望動機は、理学療法士に限らず、就職や転職をする際には必ず聞かれる質問です。なぜ志望動機を聞かれるのかというと、病院や施設が求める人材のニーズと、応募者の動機やスキルが合っているかどうかを判断するためです。
アピールポイントを伝えて採用担当者にいい印象を与え、採用に結びつけるためには、志望動機を明確に伝えることが大切です。
どんな志望動機を伝えればよいのか、ポイントを見ていきましょう。
1.なぜ理学療法士を目指したのか
まず大切なのは、どんな理由で理学療法士を目指したのかという理由を伝えることです。
理学療法士は国家資格が必要な専門職のため、ただ漠然と試験を受けただけ、ということはないはずです。どのようなきっかけで、何を理由に理学療法士を目指すことにしたのかをまとめてみましょう。
また、エピソードも盛り込むとより効果的です。「家族のリハビリテーションを見て憧れた」「ケガをしたときに助けられ、自分も将来福祉に貢献したいと思った」といったような、理学療法士を目指すにいたった思いを伝えましょう。
2.応募先の施設や病院を選んだ理由
理学療法士としての就職先は、病院やクリニック・福祉施設・スポーツジムなど、多くの種類があります。数ある病院や施設のなかから、なぜその職場で働きたいと思ったのかという理由を明確にしておくことも、大切なポイントです。
応募先の理念や方針、特徴などを把握し、「この病院の理念に深い感銘を受けた」など、この応募先だからこそ働きたいと思ったという強い熱意をアピールしてみましょう。
3.自分の強み
理学療法士といった資格や応募先を選んだ理由だけでなく、自分の強みを伝えることも重要です。応募者がその職場だからこそ働きたいと思うのと同じように、採用側にも「この人に働いてもらいたい」と思ってもらう必要があるからです。
募集内容を踏まえて、これまでの経験やこれからのキャリアプランが応募先のニーズに合っているかどうか、自分を採用することで採用側にどんなメリットがあるかといった、アピールポイントを伝えましょう。
たとえば、「人とコミュニケーションを取ることが好きで、患者ひとりひとりの悩みに寄り添いたい」「新しい技術や知識を学び続け、リハビリや福祉の発展に貢献したい」といった、理学療法士としての目標を伝えるのも効果的です。
理学療法士でこんな志望動機はNG!
いくら強い熱意を持っていたとしても、それをうまく伝えられなければ逆効果になってしまうことがあります。志望動機に適さない内容と伝え方、その理由について見ていきましょう。
1.ネガティブな内容
当然ですが、ネガティブな内容は志望動機としては適しません。とくに転職の場合、待遇の不満や人間関係の不和などを退職理由にしてしまうと、マイナスの印象を与えてしまいます。
不満や不遇をそのまま伝えるのではなく、たとえば「より実力を評価してもらえるところで働きたい」「個人プレーではなくチームワークを重視する社風に惹かれた」など、ポジティブな内容に言い換えるようにしましょう。
2.研修や資格支援などの制度を理由にする
病院や施設によっては、研修制度が充実していたり、資格支援をしてもらえたりするところもあります。ですが、それを理由にするのは、実はあまりおすすめできません。
「勉強したい」「スキルを身に付けたい」など、一見学習熱心に見えますが、「即戦力にならない」「自発的な学習意欲がなく受け身である」という印象を与えてしまい、自分自身のメリットばかり考えていると思われてしまうからです。
3.給与や福利厚生などの待遇を前面に出す
給与は福利厚生は働く側としては重視したい点ですが、そういった待遇のよさを前面に押し出すのもNGです。前項の研修制度や資格支援と同じく、自分自身のメリットばかりを気にして職場を選んだという印象を与えてしまうからです。
4.抽象的で曖昧な表現
抽象的で曖昧な、はっきりしない表現を使用するのも避けるようにしましょう。熱意が伝わらず、「どの応募先にも使える」「うちでなくてもいいのでは?」という印象を与えてしまったり、「志望動機作成に手を抜いている」と思われたりしてしまう恐れがあります。
5.辞めることを前提としている
採用する側は、できるだけ長く働いてくれる人を採用したい、と考えていることがほとんど。そのため、辞めることを前提にしていると取られかねない志望動機を伝えるのもNGです。
たとえば、「いずれ独立して自分の実力を試したい」「広い世界で活躍したい」などは、高みを目指して成長していきたいアピールにも見えますが、「この職場を辞めること」を前提としているため、悪印象を与えてしまいます。
理学療法士の志望動機の例文を紹介
志望動機の伝え方のポイントとNG例を踏まえて、志望動機の例文をいくつか紹介します。
志望動機の例文その1
貴施設を志望した理由は、多様な職種で連携しながら、ご高齢者の生活をより充実させるべく支えていく方針に深く感銘を受けたからです。
ご高齢者の在宅復帰をめざすなかで、理学療法士がリハビリテーションの専門職として関わる役割は非常に大きいと考えています。他職種のスタッフとの連携で、施設での生活だけでなく、在宅復帰後の生活を支えるために貢献したいと考えています。
志望動機の例文その2
私が貴院を志望した理由は、患者一人ひとりに寄り添う医療の提供に注力しているからです。学生時代に運動部に所属していた際にケガをしてしまったのですが、その時に理学療法士の方から指導を受け、メンタル面のケアもしていただいた経験から、理学療法士という職業に強い憧れを持ちました。
私自身の経験から、患者一人ひとりの悩みに向き合い、リハビリテーションを通して支えていきたいため、貴院を志望します。
志望動機の例文その3
前職では、総合病院の整形外科で理学療法士として勤めていました。そのなかで幅広い世代の多くの患者に治療やリハビリを通して触れ合いましたが、悩みは人それぞれ違うなか、一人ひとりの患者とより深く向き合いたいと考えるようになりました。
貴院の理念である「地域に根ざした治療を届ける」に強く共感し、患者やご家族の希望をくみ取り、笑顔でリハビリテーションを続けられるよう尽力したい所存です。
志望動機の例文その4
祖父がデイサービスに通うなかで、理学療法士の方にさまざまな指導を受ける姿を見てきました。歩行や日常動作のリハビリをおこなううち、できなかったことが減り徐々に祖父に笑顔が戻ってくる姿を見て感動し、私も理学療法士になりたいと考えるようになりました。
あのときの理学療法士の方のように、高齢者の皆様を支え、この先の人生を充実させる助けになれればと思い、貴施設を希望しました。
理学療法士として働くために志望動機で自己アピールしよう
理学療法士として働くためには、なぜ理学療法士として働きたいのか、なぜこの病院・施設を希望するのかといった理由を明確にし、きちんと説明する必要があります。また、自分自身の意欲だけでなく、採用する側にもメリットがあることを示さなければなりません。
転職理由を伝える際にも、前職の不満や不遇をそのまま伝えるのではなく、ポジティブな内容に言い換えるなどして、しっかりと自己アピールをしてみてください。