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特集・コラム 2024-03-06

スポーツトレーナーとは?就職先やおすすめの資格を紹介

スポーツが好きな人のなかには、プレーヤーとして活躍する人や試合の観戦を楽しむ人だけでなく、スポーツに関する仕事にたずさわる人もいます。

スポーツに関する仕事といっても、さまざまな種類があるのが特徴です。この記事ではスポーツ選手やスポーツをしている人を支えるスポーツトレーナーにスポットを当て、スポーツトレーナーの種類や就職先、おすすめの資格などを紹介します。

スポーツトレーナーとは|どんな種類はがあるのか

スポーツトレーナーの仕事は、スポーツ選手やスポーツをしている人のあらゆるサポートをすること。

スポーツトレーナーには複数の種類があり、仕事内容が異なるのが特徴です。ケガの処置や予防、回復のサポートといったケアをおこなったり、コンディションを整えるサポートをしたりする仕事があるほか、トレーニングや運動の指導・補助などもあります。

ここからは、次の5つのスポーツトレーナーについて詳しく見ていきましょう。

1. アスレティックトレーナー
2. メディカルトレーナー
3. コンディショニングトレーナー
4. ストレングストレーナー
5. フィットネストレーナー

1.アスレティックトレーナー|選手の健康管理やケガに対処.

スポーツ選手は、練習中や試合中にケガをすることがあります。アスレティックトレーナーは、そのケガに対してどのような処置が必要なのかを判断し、対応する仕事です。そのため、応急処置に関する専門的な知識が必要となります。

ケガへの対応以外にも、疲れをとるためのマッサージ・ケガの予防指導・ケガをしたあとのリハビリの指導などをおこないます。

2.メディカルトレーナー|運動機能の回復をサポートする

スポーツをしていてケガをした人ができるだけ早く回復できるようにサポートするのが、メディカルトレーナーです。

アスレティックトレーナーと似ていますが、より医療的なサポートをおこなうというのが特徴。医師や理学療法士と協力してリハビリメニューを作成し、トレーニングへの補助をおこないます。

3.コンディショニングトレーナー|日々のコンディションを整える

スポーツ選手にとって、コンディションはとても大切。それを見守るのが、コンディショニングトレーナーです。アスリートの心身のコンディションを整えることで、アスリートが最大限の力を発揮できるようにサポートします。

具体的には、運動機能の向上や心肺機能の強化に対するサポートをおこないます。また、スポーツ選手の年間計画を立てたり、健康を管理したりといったことも業務の一環です。

4.ストレングストレーナー|パフォーマンス向上をサポートする

スポーツ選手やアマチュア選手など、本格的にスポーツをする人の筋力トレーニングをサポートします。筋力や能力を向上させ、パフォーマンスの限界を上げるサポートをおこなう仕事です。

5.フィットネストレーナー|ジムなどで利用者の指導にあたる

スポーツジムやフィットネスクラブで、運動のサポートをするトレーナーです。対象となる人の背景や運動の動機を視野に入れて、ケガなく楽しく運動できるように指導します。マシンの使い方やストレッチに関する指導も業務の一環です。

スポーツトレーナーの就職先

スポーツトレーナーの就職先は、広範囲にわたり、プロのスポーツチーム・プロアスリートと個人契約・実業団やスポーツジム・地域のスポーツクラブ・大学・高校・病院・整体院・鍼灸院など、さまざまな場所で活躍できます。

つづいては、就職先の一例をご紹介します。

プロのスポーツチームや個人選手と契約する

スポーツトレーナーのなかには、プロ野球球団やプロのサッカーチーム、プロの選手などと契約を結んで働いている人もいます。

選手の健康管理やケガの処置などをはじめ、トレーニングメニューを考えたりリハビリの管理をおこなったりするほか、練習メニューを考案することも。チームや選手に直接たずさわる仕事であるため、そのスポーツについて深い知識が必要です。

プロの世界は実力が重視されるため、いい結果につながらなければ契約が打ち切られてしまうこともあります。

企業で働く

スポーツトレーナーのなかには、企業で働く人もいます。具体的には、企業が運営する実業団のチームやスポーツジム、スポーツトレーナーの派遣会社など、スポーツをする人とかかわる仕事ができる企業です。

それぞれ働き方や仕事内容には違いがあるため、ひとつずつ特徴を見てみましょう。

実業団チーム

駅伝やバスケットボール、バレーボール・ラグビーなど企業が運営する実業団チームで、選手の指導やトレーニング、育成などをおこなうのが仕事です。なかには、オリンピックや世界大会に出場する選手をサポートしている人もいます。

企業に所属する正社員となることが多いため、福利厚生などの待遇がよい環境で働けるのが特徴です。

スポーツジム

一般の方向けのスポーツジムで目的に応じたトレーニングメニューを考え、指導やサポートをする仕事です。ジムの運営方針やお客様の目的・目標に合わせて、体力作りやダイエット、ボディメイクなどのメニューを考案し、レッスンを実施。

ダンベルやバーベルなどを使ったトレーニング指導をはじめ、ヨガ・ピラティス・体操・水泳・サッカー・テニスなどさまざまです。

また、ジムで働きながらスポーツクラブなどに出向いて指導をおこなうスポーツトレーナーもいます。

スポーツトレーナーの派遣会社など

スポーツジム・フィットネスクラブ・学校などのスポーツ指導のため、各所にスポーツトレーナーを派遣する会社に勤めているケースもあります。

派遣会社は、スポーツトレーナーの人材育成に熱心であることが多く、社内研修や教育制度が充実している傾向です。そのため、経験の浅いスポーツトレーナーにも適しています。

派遣先が多様であるため、さまざまな経験が積めるのも特徴です。

病院や整体院などで働く

スポーツトレーナーのなかには、理学療法士や柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師などの国家資格を持つ人も多く、病院や整体院で働いている人もいます。所有資格にもよりますが、手術後のリハビリやケガで通院する人の治療などがおもな仕事です。

スポーツクラブや学校での指導は収入が安定しにくいため、資格を活かして病院や整体院での仕事をメインに、副業としてスポーツトレーナーの仕事をしているケースも少なくありません。

海外で活躍する

スポーツトレーナーの分野は、アメリカやカナダのほうが進んでいます。なかには海外の大学で資格を取得し、そのまま海外チームで働く人も。帰国後、海外での実績を武器にして、日本でアピールすることもできます。

スポーツトレーナーに資格は必要なのか

スポーツトレーナーには、必ずしも資格は必要ではありません。しかし、スポーツトレーナーとして働くためには専門的な知識が必要です。また、その知識を実践できる指導力も求められます。

理学療法士や柔道整復師などの国家資格を取得すれば、自分のスキルの証明にもなるでしょう。国家資格でなくとも、スポーツトレーナーに関する民間資格も数多く存在します。このような資格を取得することでも、知識や指導力を証明できるでしょう。

ここからは、国家資格と民間資格に分けておすすめの資格を紹介します。

国家資格

さきほどもお伝えしましたが、国家資格を持っているスポーツトレーナーはたくさんいます。理学療法士や柔道整復師などの資格を所有していれば、病院や整体院などで働くことも可能です。

では、スポーツトレーナーの仕事に役立つ国家資格にはどんなものがあるのかを紹介します。

理学療法士

身体に障害がある人が自立した生活を送ることができるよう、サポートするための資格です。事故や病気による障がい、脳卒中の後遺症や老化にともなう障がいなどのために、生活に困難を感じている人が、できる限り自立できるように助けます。

理学療法士になるためには、養成学校で3年以上学び、国家資格に合格することが必要です。

引用元
日本理学療法士協会:理学療法士を知る

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理学療法士の資格を取得するには?試験内容や受験ルート、勉強法を紹介

柔道整復師

スポーツや日常生活で生じた、打撲・捻挫・脱臼・骨折などに対して、手を用いた方法で回復を図る仕事をおこないます。

柔道整復師養成施設で必要な知識を3年以上学び、国家資格に合格することで資格を取得することが可能です。

引用元
日本柔道整復師会:柔道整復師・整骨院・接骨院について

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柔道整復師の資格を取得するには? 柔道整復師になるまでの流れや専門学校・大学についても紹介

あん摩マッサージ指圧師

体の痛みやこりがある人に、手や指などを使って指圧やマッサージをおこないます。血行を良くしたり、脊椎の歪みを矯正したりすることで痛みやこりの緩和や状態の改善を図るのが特徴。

あん摩マッサージ指圧は医療行為にあたるため、国家資格が必要です。受験資格は、文部科学大臣か厚生労働大臣によって認定されている学校や養成施設において、3年以上学ぶ必要があります。

引用元
日本あん摩マッサージ指圧師会:あん摩マッサージの施術は免許が必要です

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あん摩マッサージ指圧師について|どんな仕事内容なのかや国家資格についても紹介!

鍼灸師|はり師・きゅう師

はり師はツボをはりで刺激することで、人間の自然治癒力を活性化させて治療します。きゅう師はツボをきゅうで温めることで治療します。

はり師・きゅう師の試験を受けるには、認定された専門学校か大学・短大で技術と知識を3年以上修学しなければなりません。

引用元
日本鍼灸師会:鍼灸の基礎知識

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鍼灸師とは? 仕事内容と資格について解説|鍼灸師を目指せる学校を紹介!

民間資格

スポーツトレーナーに関する資格は、民間資格も多数存在します。ここではアスレティックトレーナーに関するおすすめの資格を見てみましょう。

日本スポーツ協会|アスレティックトレーナー

JSPO公認スポーツドクターおよび公認コーチと緊密に協力し、競技者の健康管理やトレーニング、コンディショニングなどをおこないます。受講のためには、20歳以上でJSPOなどからの推薦が必要です。

カリキュラムは共通科目150時間・専門科目600時間を受講します。それぞれ講習会と自宅学習です。

共通科目では、グッドコーチ(JSPO公認スポーツ指導者)に求められる人間力やグッドコーチに求められる医・科学的知識などを学び、専門科目では、専門基礎科目の一定以上の知識を確認する知識確認テストと実技レベルを確認する実技確認テストを受けます。

引用元
日本スポーツ協会:アスレティックトレーナー

全米アスレティックトレーナーズ協会|NATA-ATC

全米アスレティック・トレーナーズ協会(通称:NATA)が認定する、アメリカでのアスレティックトレーナーの国家資格です。スポーツトレーナーですが、アメリカでは準医療従事者として扱われます。

資格取得には、アスレティックトレーニング教育認定委員会(通称:CAATE)が認定する大学院のアスレティックトレーナープログラムを卒業する必要があるため、留学しなければなりません。

引用元
NATA

ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会|認定アスレチック・トレーナー

認定アスレチック・トレーナーは、資格というよりは称号です。

プロ、一般を問わず、スポーツが適切におこなわれなければ、ケガをしてしまう可能性があります。ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会では、ケガや障害などの予防を重視し、人々が健康増進を積極的におこなえるようにサポートするのが目的です。

正会員になるための条件は、NATA認定トレーナーあるいは日本体育協会認定アスレチック・トレーナーの資格を持っていることです。

この2つの資格を持っていない場合でも、柔道整復師・理学療法士・はり師・きゅう師などの国家資格を持ち、JATACの講習会や通信教育講座でスポーツ科学分野の単位を取得すれば、正会員になることができます。

引用元
ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会:JATAC会員資格と入会手続きについて

NSCAジャパン|CSCS・NSCA-CPT

CSCSはケガや障害を予防し、パフォーマンス向上を目的としたトレーニングを計画・実行できる知識と技能を認定する資格です。おもにアスリートやスポーツチームを指導します。

NSCA-CPTは健康と体力のニーズに関して、トレーニングやコンディション管理の全般をおこなう専門的知識を認定する資格です。対象はアスリートだけではなく、幅広い人々に対してトレーニング指導をおこないます。

CSCS・NSCA-CPTのいずれもNSCAジャパンの会員であり、認定試験に合格などの資格認定条件があります。

引用元:
NSCAジャパン:NSCA資格認定試験

スポーツトレーナーはさまざまな人をサポートするやりがいのあるお仕事!

スポーツトレーナーは、スポーツ選手やスポーツをする人をサポートできるというやりがいがあります。アスレティックトレーナーやメディカルトレーナー、フィットネストレーナーなどさまざまな種類があり、サポートの仕方や対象者、就職先も多種多様。

理学療法士・柔道整復師などの国家資格を持っていると、職業選択の幅が広がるのも特徴です。本業として病院や整体院で勤務しながら、副業で地域のスポーツクラブなどでスポーツトレーナーとして働く方法もあります。

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