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介護・看護・リハビリ 2020-02-14

知っておきたい「介護福祉士会」

介護福祉士会というのは、「介護福祉士」や「介護福祉士会の事業に賛助する人または団体」を会員とする集まりです。介護福祉士会は「国民の福祉の増進に寄与すること」を目的とし、そのために「介護福祉士の資質の向上、知識・技術の普及」等に努めています。今回は、この介護福祉会について詳しくお伝えしていきます。

介護福祉士会の事業内容

介護福祉士会では、日本の福祉増進に貢献するたくさんの事業を行っています。

○制度・政策検討委員会
○広報・事業委員会
○介護福祉士の就労実態と専門性の意識に関する調査
○組織強化委員会
○その他、各種専門委員会

上記のような事業がそれに当てはまります。しかし、同会は「介護福祉士が個人として成長するための事業」も積極的に行っています。それらの事業は大きく分けると

・研修委員会
・セミナー及びリーダー研修
・介護相談

などがあり、介護福祉士が常に成長できるように、生涯研修制度を採用しています。生涯研修は【継続的に学ぶ分野別研修】と【サポート・養成】があり、その内容の詳細は以下の通りです。

継続的に学ぶ分野別研修 サポート・養成
専門分野別研修
★認知症専門研修
★障害者支援のための研修●介護過程
●ICFの理解
★介護研究
●リスクマネジメント
●地域福祉
●生活支援に必要な基礎的な医学知識等
●介護技術・技法
・食事介助
・入浴介助
・排泄介助
・移動、移乗
・福祉用具、住環境
・レクリエーション
・口腔ケア
・ターミナルケア
★介護支援専門員実務研修受講試験対策
●再就職支援(潜在有資格者)
★任用
・サービス提供責任者
・実務者研修教員養成
・介護福祉士実習指導者講習
●指導者
・介護予防体操指導者養成
・リフトリーダー養成
・リーダー、講師、指導者養成
★はすでに実施している研修
●は今後より専門的な研修内容を検討する研修
(平成27年8月現在)

介護福祉士会では会員のみなさんの介護福祉士としてのスキルアップを継続的にサポートし、研修内容も今後より良く改善していく予定です。既に介護福祉士会に入会している介護福祉士のみなさんは、この生涯研修制度を利用しない手はないでしょう。

入会・退会の方法

介護福祉士会には介護福祉士の国家資格を取得するだけで入会できるわけではありません。入会を希望する方のために、ここでは入会の手続き方法をご案内致します。入会の条件としては、介護福祉士の国家資格を取得していることと、介護福祉士会の目的・趣旨に賛同できる方と決められています。

1.日本介護福祉士会宛に、入会申込書等の資料請求をします。(※一部都道府県を除く)

資料請求先
公益社団法人 日本介護福祉士会
〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-22-13 西勘虎の門ビル3階
TEL:03-3507-0784 FAX:03-3507-8810
対応曜日及び時間
9:00~18:00 土日祝祭日を除く

※東京都・神奈川県・福岡県へ入会をご希望の方は、都道府県事務局宛ての資料請求が必要です。

2.入会申込書等に必要事項を記入し、日本介護福祉士会に送付してください。

※日本介護福祉士会と都道府県介護福祉士会の両方への入会が必要です。どちらか一方のみの加入はできません。

3.介護福祉士会にて会員登録後、会費の引き落としを行います。

4.書類郵送から約1か月半後、会員証が届きます。

住所や勤務先など、登録内容の変更や退会を希望する方は、届出用の書式をダウンロードして申請します。

入会費・年会費

介護福祉士会は4月1日~3月31日の年度制になっており、入会には入会費と年会費が必要です。年会費は『日本介護福祉士会の年会費』と『都道府県介護福祉士会の年会費』のどちらも必要です。正会員として入会する場合、日本介護福祉士会の入会費には5,000円、年会費には3,000円必要です。この金額から更に都道府県介護福祉士会の入会費と年会費が必要となりますが、その金額は都道府県によって異なります。都道府県介護福祉士会会費ご覧ください。

※年度の途中に入会しても年会費は全額支払う必要があり、4月1日に入会しても(12か月間)3月1日に入会しても(1か月間)金額は同じです。ご注意ください。

介護福祉士会入会のメリット

介護福祉士会に入会することにより、養成研修やサポートが受けられることは前述しましたが、福利厚生面でもメリットはあります。以下に、福利厚生面で受けられる利点をご紹介します。

・「日本介護福祉士会ニュース」を隔月で発行しており、無料で最新の制度や政策の動向などの情報を得られる!
・会員専用の制度「安心三重奏(賠償責任保険・傷害総合保健・所得補償保険)」に加入できる!
・会員専用のガン保険に加入できる!
・介護福祉士会が発行する書籍を会員割引で購入できる!
・会員証付帯福利厚生制度の各種サービスが受けられる

フジ月9ドラマに介護福祉士会が意見書を提出!

2016年1月18日から3月21日まで、フジテレビ系列にて毎週月曜日の夜9時から放送していたドラマ、「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」に、日本介護福祉士会が意見書を提出したことはご存知でしょうか。

このドラマでは、高齢者介護施設に勤める主人公が施設での24時間勤務や月収14万円などの過酷な労働環境の上、施設の上司やオーナーからハラスメントなどの仕打ちを受けている様子が表現されており、それに対する意見書だと言うことです。

日本介護福祉士会がウェブサイトで公開した意見書によると、介護福祉士会に「本当にあのような過酷な環境で働いているなら、身内の介護の資格取得をやめさせようと思う」というような内容のメールが届いたとのことです。意見書内では、「事業所によっては質が悪く、職員の処遇も良くないところもある」とはしながらも、「雇用形態や経験、能力、職種によって給与は違うものであり、多くのマスコミが介護や介護職に対してかなり偏った情報を流している」という考えを示しています。また、フジテレビに対して「給与の低さや労働環境の悪さが言いたいわけではなかったことは十分承知していますが、影響の大きさも考えていただきたいと思います」と、テレビに対する配慮を求めました。

それに対してフジテレビ側からは「さまざまな方から監修を受け、実際の介護の現場を取材した上で制作しておりますが、貴重なご意見として今後の参考にさせていただきます」とコメントをしました。

ドラマとしては主人公の辛い状況を描かないとおもしろくならないわけですから、どちらの言い分もわかる気はします。そこで、実際このドラマを見ていた介護福祉士に「この意見書に対してどのような考えを持ったか」を聞いてみました。

・確かにこのドラマ見ると、介護職のイメージが更に悪くなりそう……

 

・ドラマとドキュメントの区別がつかない人っているんですね……

 

・ただでさえ介護業界は人手不足。テレビの影響は大きいので、更に人手不足に拍車がかかりそう。

 

・医者のドラマや弁護士のドラマでも、関係者が見ると「全然ちが~う!」と思うらしい。なのに介護業界だけクレームって……銀行業界は「半沢直樹」にクレーム入れてないと思うし、警視庁は「あぶない刑事」にクレーム入れてないと思う。

 

・確かにドラマでは誇張して描かれているけど、あながち間違っていない(笑)。もっと実情を伝えて国を動かすまで行ってほしい。

 

・ドラマ内の引っ越し業者もモデル事務所そうだけど、このドラマは全体的にブラック企業を表現していたので、これを見て「介護職だけが酷い」という感想にはならない気がする。モデル事務所にも「あんな酷いなら、ウチの子モデルにさせません!」っていうメールが来ているかもしれないww

 

・「ドラマの描写が事実なら、身内に介護の資格取得をやめさせようと思う」って……その程度の認識で介護の資格を取ろうと思ってるならやめた方がいい。

ドラマの題材にされやすい職業の代表でもある医者や弁護士、刑事などでも実際の職場ではありえないような場面が描かれてはいますが、そういった職業は基本的に「憧れの職業」でもあります。現段階で憧れの職業としての地位を確立していない介護職では、マイナスイメージが強くなりすぎるかもしれませんね。

まとめ

介護福祉士会に入会することにより、多くのメリットがあります。

・介護福祉士のスキルアップをサポート。いろんな研修会に参加できる。
・最新の業界動向情報が得られる。
・「安心三重奏」などの福利厚生が充実している。

これらのメリットがあるから、介護福祉士の資格を取得したら介護福祉士会に入会した方が良いということもありますが、実際のメリットは直接目に見えるものだけではありません。
会員が増えることにより、介護福祉士会がみなさんと共に、介護業界の境遇を改善していけるのです。実際、境遇改善ができて、介護福祉士という職業が一般のみなさんの「憧れの職業」になった時には、ドラマに対して苦情が来るようなことはなくなるのかもしれません。

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