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特集・コラム 2024-01-25

介護の仕事にはどんな種類がある? 12の職種と目指す方法を紹介

介護の仕事をしたいと考えてはいるものの、どの資格を取得したらよいのか悩んでいる人は多いのではないでしょうか。

今回は介護の仕事の種類や内容、目指す方法などを紹介します。介護の仕事をしたいと考えている人は、ぜひ参考にされてくださいね。

介護の仕事12種類と目指す方法を紹介!

訪問介護員(ホームヘルパー)や介護福祉士、介護支援専門員(ケアマネジャー)などさまざまな種類がある介護職。ここでは、介護職の12種類と目指す方法を確認しておきましょう。

また、厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」で平均給料が公表されている職業に関しては、給与額もあわせてご紹介します。

引用元
令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果| 厚生労働省老健局老人保健課

1. 介護職員|訪問介護員・介護福祉士など

介護職員と聞いてまず思いつくのは、介護福祉士、訪問介護員といった直接介護に携わる職業ではないでしょうか。この仕事の平均給与額は、31万7,540円です。なお、訪問介護事業での介護職員の平均給与額は、常勤の人で31万5,170円となっています。

介護福祉士は、介護の専門職のなかでも唯一の国家資格。利用者に身体的な介護を直接おこなうのはもちろん、利用者の状況を分析してアセスメントしたうえで、計画を立て、最適な介護をチームで提供できるように指揮をとります。

一方、ホームヘルパーは訪問介護員ともいい、介護が必要な方のご自宅に訪問し、身体介護や生活援助をするのがおもな仕事です。

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介護職員・訪問介護員を目指すには?

介護福祉士は国家試験を受けてから、資格を取得しなければなりません。そのため、試験を受けるための受験資格を得る必要があります。介護福祉士の国家試験取得を目指すコースは3種類あり、ひとつは養成校に通い、受験資格を得る方法です。

もうひとつは、介護現場で3年以上の実務経験を積んだあとに研修を受けるコースです。また、高校で福祉系に通っていた方は、卒業後に国家資格を受ける資格が与えられるコースがあります。

訪問介護員に関しては介護職員初任者研修課程を受講し、修了証明書の交付を受けることで、資格を得ることが可能です。

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2. 介護補助・介護助手

介護福祉士や訪問介護員といった介護職の補助をする仕事が、介護補助と介護助手です。資格を持っていなくてもできる仕事のため、トイレの介助や入浴の介助といった利用者の身体に触れるような業務は担当できません。

そのため、使用した物品の準備や片づけ、食事の配膳や下膳、ゴミ捨てやシーツの交換などをメインにおこないます。

介護補助・介護助手を目指すには?

無資格でもできる仕事なので、介護補助や介護助手になるための特別な資格は必要ありません。介護施設から介護補助あるいは介護助手として雇用されれば、その日から働けます。

しかし、知識のないまま介護業界で働くのは不安という方も少なくありません。そのため、介護施設によっては入職してから研修をしてくれるところもあります。

3. ケアマネジャー(介護支援専門員)

ケアマネジャーは介護支援専門員とも呼ばれ、要介護者や要支援者から相談を受けるほか、状況に応じたサービスを受けられるケアプランを作成します。この仕事の平均給与額は、36万1,770円です。

市町村・サービス事業者・施設などとの連絡調整を担当することも多いです。介護支援専門員は、介護施設もしくは居宅介護支援事業所で活躍できます。

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介護支援専門員を目指すには?

介護支援専門員の資格を取得するには、介護支援専門員実務研修受講試験を受ける必要があります。

この資格も受験資格が必要で、介護福祉士や社会福祉士などの国家資格を保有し、医療福祉分野で5年以上かつ900日の実務経験を満たしていなければなりません。そして、試験を受けて合格したのち、実務研修を受けることで、資格が交付されます。

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4. サービス提供責任者

サービス提供責任者はサ責とも呼ばれ、介護支援専門員が立てた介護プランをもとにして、訪問介護サービスの計画立案をしたり、ヘルパーへの指示や指導をしたりします。この仕事の平均給与額は、施設にもよりますが33万9,290円となっています。

また、責任者という立場でもあるため、利用者やご家族にサービスの設営などをおこなって同意を得る役割も担います。サービス提供責任者は、施設の管理者を兼ねることも多いです。

サービス提供責任者を目指すには?

サービス提供責任者は職業名ではなく、役職の名前となるため、特別な資格は必要ありません。しかし、この仕事をするには以下の資格を取得している必要があります。

・介護福祉士
・実務者研修修了者・旧ホームヘルパー1級資格や介護職員基礎研修課程を修了している

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5. 管理者|ホーム長・施設長

利用者ではなく、施設で働くスタッフや施設そのものにフォーカスをあてて仕事をするポジションが管理者です。この仕事の平均給与額は、働く施設にもよりますが35万6,570円です。

サービス提供責任者は、利用者に向けてケアが提供されているのかをチェックしたり、指示や指導をしたりしますが、管理者はスタッフの労働環境や施設の収益に目を向けなければなりません。また、利用者に質の高いケアを提供できているかをチェックするのも、管理者の役割です。

管理者を目指すには?

管理者になるために特別な資格は必要ありません。つまり、誰でも管理者になれるということですが、管理者として施設のトップに立つのであれば、介護関係の資格を取得しておくに越したことはないでしょう。

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6. 生活相談員・支援相談員

生活相談員・支援相談員は介護分野のソーシャルワーカーともいわれる職業です。介護老人福祉施設や通所介護の施設では生活相談員、指定介護老人保健施設では支援相談員と呼ばれています。この仕事の平均給与額は、34万2,330円です。

両方とも家族から相談を受け、求めている情報を提供したり、各施設との連携を取ったりしますが、施設の特性によって連携先が異なるのが特徴です。たとえば、生活相談員はおもに介護職と情報提供や連携をしますが、支援相談員の場合は医療現場と連携を取るケースが多くなります。

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生活相談員・支援相談員を目指すには?

生活相談員や支援相談員は、社会福祉士や精神保健福祉士、社会福祉主事任用資格のいずれかの資格を取得していれば目指せる職業です。

とくに生活相談員の場合は介護の現場と連携を取ることから、介護現場についての知識がある程度ある方のほうが受け入れられやすいでしょう。そのため、介護の業務経験があったほうが採用される可能性も高いです。

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7. 介護事務

介護事務とは、介護施設の事務作業を担う職業です。介護報酬請求事務が中心の仕事になりますが、そのほかにも電話対応や窓口としての対応、出退勤管理や会計処理、備品の管理・発注、連携機関への連絡、提出書類の作成などもおこないます。この仕事の平均給与額は、30万7,960円です。

施設の規模によって仕事の範囲が大きく異なることもあり、規模が大きいところでは事務業務のみに集中できます。規模が小さい場合は、いろいろな仕事を任せてもらえることもあるようです。

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介護事務を目指すには?

介護事務になるには、特別な資格や経歴は必要ありません。近年では介護報酬請求事務に関する民間資格がいくつか出ていますが、これらの資格を取得しなくても介護事務を目指せます。

ただし、事務作業をするにあたり、パソコンを扱うことになるため、パソコンの操作がある程度できるほうが有利です。

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8. 管理栄養士・栄養士|調理スタッフ

管理栄養士や栄養士は、施設に入所する利用者の栄養管理や献立の作成などをおこないます。管理栄養士は国家資格なので介護施設での栄養指導ができますが、栄養士は国家資格ではないため、担当できません。この仕事の平均給与額は、31万6,320円です。

一方、調理スタッフは管理栄養士や栄養士が決めた献立に沿って、調理をする職業となっています。

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管理栄養士・栄養士を目指すには?

管理栄養士になるには、国家資格の取得が必要です。そのため、管理栄養士は管理栄養士養成施設を卒業して国家試験を受ける、もしくは栄養士として実務経験を経ることで国家資格が得られます。

一方、栄養士は養成施設を卒業することで資格を取得できますが、その後、単位を取得済みであることをお住まいの都道府県に申請して免許を受けなければなりません。

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9. 機能訓練指導員

機能訓練指導員とは、介護保険法で定められた職業のひとつです。利用者それぞれの身体能力や状態に合わせた機能訓練をおこないます。この仕事の平均給与は、35万4,770円です。

利用者の状態に合わせて計画書を作成し、この計画書に沿って訓練をするのが特徴。適宜、計画書は見直し、現状にマッチした機能訓練をおこなう必要があります。

※給与の中には理学療法士、作業療法士、言語聴覚士又は機能訓練指導員などの資格も含みます。

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機能訓練指導員を目指すには?

機能訓練指導員になるには、以下の国家資格を取得しなければなりません。

・理学療法士
・作業療法士
・言語聴覚士
・看護師
・柔道整復師
・あん摩マッサージ指圧師
・はり師及びきゅう師:資格取得後半年以上の実務経験が必要

上記のいずれかの資格を取得しておくことで、機能訓練指導員を目指せます。

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10. 介護ドライバー

介護ドライバーとは、通所介護や通所リハビリテーションといった利用者が日帰りで利用する施設において、利用者の送迎を担当する運転手のことです。

無資格であれば運転だけが業務となりますが、ホームヘルパーなど身体介護が可能な資格を取得していれば、利用者の乗車、降車のサポートも担当できるようになります。さらに、施設によっては利用者の送迎ルートを考える、各ドライバーの担当を計画するといった送迎計画を任されることもあるようです。

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介護ドライバーを目指すには?

介護ドライバーは車の運転をする仕事のため、普通自動車運転免許(普通自動車第一種運転免許)が必要です。

施設によってはドライバーに乗車や降車もできるように、身体介護ができる介護職員初任者研修といった資格の取得を求められることもあります。

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11. 看護職員|看護師・看護助手

看護職員とは、看護師や准看護師など、医療や福祉の領域で人々の健康を守っていく人のことをいいます。看護師の仕事内容は主に、病気や怪我などで病院に来院する人のケアをおこなったり、医師の指導のもと、採血や注射などをおこなったりします。

介護施設内では主に、利用者の健康管理や服薬管理などです。看護師の判断によって利用者への介護の指示などを出す場合もあります。

看護助手は、特別な資格がなくてもなれますが、医療行為にはならない、利用者のお世話や看護師のサポートが主な仕事です。

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看護助手は介護施設ではどんな風に働くの? 介護施設で働くメリットとは? | MORE REJOB

引用元
看護職とは | 看護職を目指す皆さまへ | 公益社団法人日本看護協会

看護職員になるには?

看護師になるには以下のようなルートで必要な資格や能力を身につける必要があります。

中学を卒業して5年一貫看護師養成課校に通うか、高校卒業後、看護大学・看護短期大学・看護師養成所(看護専門学校など)で4年あるいは3年の専門教育を修めたのち、国家試験に合格する必要がある。

引用元
看護師 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

学校では基礎・専門科目の講義や、診療補助業務や対象に対する介助のための実践能力を身につける技術教育、医療施設や介護・福祉施設などでの実習が行なわれます。

看護助手は、看護師とは違い国家資格はありません。働く上で資格は必要ありませんが、民間の資格をもっておけば、自身のスキルアップにもなります。

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引用元
看護職になるには | 看護職を目指す皆さまへ | 公益社団法人日本看護協会

12. 福祉用具専門相談員

福祉用具専門相談員とは、福祉用具が必要な人に、レンタル・販売する際、適切な用具の選び方や使い方をアドバイスする専門スタッフです。

主な仕事の内容は、利用者に合わせた最適な福祉用具を選ぶ選定相談、相談の内容に合わせた福祉用具の計画作成、利用者に合わせて調整や使い方を説明する適合・取扱説明、利用者宅に訪問し、福祉用具の点検などをおこなうことです。

福祉用具専門相談員は、介護保険の指定を受けた福祉用具のレンタル・販売を行う事業所において、2名以上の配置が義務付けられています。

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福祉用具専門相談員とは?業務内容や資格取得ルート、3つのやりがいについて解説 | MORE REJOB

引用元
福祉用具専門相談員 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

福祉用具専門相談員になるには?

各都道府県知事の認可を受けた福祉用具専門相談員指定講習を受講します。合計50時間のカリキュラムを受講し、修了試験に合格できれば、福祉用具専門相談員になることができます。

講習は各自治体などで実施されていますので、お住まいの自治体で、いつ開催されているのかを確認しておくようにしましょう。

介護に携われる仕事はいろいろ! 自分に合った職種を目指そう

介護職にはさまざまな種類があり、国家資格など資格が必要な職種もあれば、無資格でもなれる職種、学校などで学べばなれる職種もあるのが特徴です。そのため、職種によっては就業までに時間がかかってしまうこともあります。

さらに職種によって給料や働き方、働ける場所も異なるのが特徴です。それらも視野にいれたうえで、自分にマッチした職種を見つけて、あこがれの仕事を目指しましょう。

今回の記事で紹介された職種に興味のある人や、介護職をはじめようと思っている人は、ぜひリジョブをチェックしてみてください。

引用元
令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果| 厚生労働省老健局老人保健課

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