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介護・看護・リハビリ 2020-05-17

介護職とのダブルワーク

求人サイトのアルバイト求人情報に「WワークOK」や「Wワーク可能」といった文言を見かけることがあります。この「Wワーク」は「ダブルワーク」と読み、働き方の種類を表しています。
ここでは、福祉・介護関連の「Wワーク(ダブルワーク)」について詳しく見てまいりましょう。

ダブルワークとは

簡単に言うとダブルワークとは、2つの仕事の掛け持ちをすることです。
ダブルワークをする人の働き方の多くは以下のパターンに当てはまります。

[1] 本業が休みの日に、週1~2日程度の副業をする。
(例:土日休みの事務職をしながら、日曜日だけ特養でアルバイトをする)
[2] 同じ日に日勤の仕事Aと夜勤の仕事Bをする。
(例:昼間はフルタイムデイサービスで働き、夜中はコンビニで働く)
[3] 週3日はアルバイトA、週3日はアルバイトBの勤務をする。
(例:月・水・金は介護施設で働き、火・木・日はファミレスで働く)

ダブルワークと言うと、主婦やフリーターが同時に複数のアルバイトをするというイメージが強いかもしれません。それは「正社員として働く場合は、副業をすることはできない」としている会社が多いからですが、最近では正社員でも副業可の職場が増えてきているようです。そのため、正社員が正規の仕事の休みの日、もしくは業務終了後に副業をすることも多くなってきているようです。
しかし、当然ながらすべての会社の正社員が副業OKなわけではありません。企業によって規定有りますので、会社の就業規則をしっかり確認しておきましょう。

※家事と仕事を両立していても主婦とのダブルワークとは言いません。

ダブルワークはどんな人がするの?

「月・水・金はアルバイトA、火・木・日はアルバイトBをするくらいなら、アルバイトAを週6日勤務にすればいいのに」なんて思いますよね? 確かにその通りです。しかし、実際ダブルワークで働いている人はたくさんいます。では、どのような境遇の人がダブルワークで働いているのでしょうか。

<個人の事情>
・給料を増やしたい
単に収入増加を希望して、タブルワークをする人。
お金が足りない時に不定期でダブルワークをする人。
・国家試験の受験資格確保のため
例えば、介護福祉士の受験資格は「3年以上の実務経験と540日以上の従事日数」が必要ですが、3年はクリアしているが540日をクリアできていないなどの場合に、受験日までに従事日数をクリアするためにダブルワークをする人もいます。

<家庭の事情>
・家族のため
お子様がたくさんいる、おじいちゃん、おばあちゃんが一緒に住んでいて、扶養するためにたくさん働いて時給・日給を稼ぎたいなど、家庭の事情によるもの。

<勤務先の事情>
・週5~6日で働けない
本当は週5日で働きたいのに、スタッフが多くて週3日しかシフトに入れない場合、週5~6日で働く(安心した金額を手に入れる)ためにダブルワークをする人。
・フルタイムで働けない
登録ヘルパーとして訪問介護で働いている場合、利用者の状況によっては数時間しか働けない場合があります。その際に勤務時間を調整して副業をする場合があります。
・研修期間
施設によって、研修期間は週3日や1日5時間しか働けない設定の場合もあります。その研修期間の収入を充実させるために短期的に副業をする場合があります。

介護職にオススメの副業

「介護の仕事とダブルワークをしている人は、どんな副業をしているのでしょうか。職種は?  派遣? ペースは? 読書や食事などプライベートは確保できている? お手伝い程度の副業? ここでは先輩介護職員の皆様がどんな副業をしながら活躍してきたかなど、やりがいのある副業のお話をご紹介します。

グループホームで正社員をしながら、(副業がバレないように)個人経営の居酒屋でアルバイトをしていました。夜勤明けや休みの日に4~5時間だけ働いていました。

(和風知恵袋さん・26歳)

デイサービスは土日が休みだったので、その時だけコンビニでバイトをしていました。でも、働き過ぎのせいで(?)体を壊してしまいました。無理のしすぎは良くないですね。

(TAMAさん・34歳)

病院で介護職員として働いています。以前、副業としてアフィリエイトをやっていた時期がありましたが、少ししか儲けられませんでした。でも、身体的には楽でしたよ。

(有料医療さん・33歳)
特養で働いていますが、16時間の夜勤明けの夕方16時からファミレスでラストの夜中2時までアルバイトをしています。次の日が早番の時は早めに上がらせてもらいます。
飲食業は賄いがあるし、シフトを1~2週間ごとで決めるのでスケジュールを組みやすいてす。

(笑顔大歓迎さん・29歳)
介護職をしながら夜勤明けと休みの昼は定食屋さんで接客と調理をして、夜は焼肉屋で接客、朝は時々新聞配達をしていました。
でも、さすがに4つは辛くて辞めてしまいました。

(掲載日和さん・30歳)

ショートステイ施設でアルバイトをしながら、別事業所の訪問介護をしています。訪問介護の出勤はショートステイのシフトに合わせて入れられるので便利です。

(Y・Mさん・48歳)

みなさん、介護の仕事をしながらいろんなアルバイトをしているようですが、やはり副業の方は融通が利く仕事を選ぶ傾向にあるようです。しかし、あまり副業をやりすぎると身体機能を壊してしまう可能性も高いようです。
一番大切なのは自分の身体ですので、そこは最優先に考えるようにしましょう。

ダブルワークをする時の注意点

<副業可能な施設かどうかを確認する>
前述しましたが、正社員として働く場合に副業をして良いかどうかは施設によって異なります。もし、副業不可であっても以前でしたら、副業先の会社に「バレないように処理してください」と頼めば、バレないようにできたようですが、今年からは勤務先にマイナンバーを申告する必要があるので、副業がバレることは容易に想像できます。
本業先にも副業先にも別の仕事をする旨を伝え、わからないことは上長に質問するようにしましょう。

※副業を禁止している会社で、それを破った場合、減給や懲戒処分などの罰則を受けることになるかもしれません。

<確定申告>
基本的に、副業で稼いだ収入が年に20万円を超えた場合、確定申告をすることは義務となっています。確定申告で住民税や所得税を「普通徴収」という自分で支払う方法を取る必要があります。確定申告は入学式や卒業式など、大きな学校行事が続く忙しい時季ですが、追徴課税を支払うことになってしまっては大変ですので、必ず申告処理をするようにしましょう。

<社会保険>
平成28年10月から、社会保険(厚生年金、健康保険)の加入対象が拡大されたため、従業員数501人以上の企業では、パートやアルバイトであっても、
①1年以上の雇用見込があること
②週の労働時間が20時間以上であること
③1か月の給与が88,000円以上であること
④学生ではないこと
の4つの要件すべてに当てはまる場合は社会保険に加入しなければならなくなりました。
したがって、労働条件によっては副業でも社会保険の加入義務が発生し、本業と副業両方で社会保険料を引かれる……といった状態になることも考えられます。ダブルワークをする前に、副業先の人数や労働時間、給与等も確認しておきましょう。

<労働基準法>
労働基準法では、1日8時間、1週間に40時間以上働くことを原則禁じており、これを超えて働く場合、会社は、2割5分以上の割増賃金を支払う義務があります。
これは、ダブルワークをする場合でも適用され、本業・副業の一日あたりの労働時間の合計が8時間を超えた場合は、後の会社に、割増賃金の支払い義務が発生します。
労働基準監督署の調査等でこのことがわかった場合、割増賃金の支払いが問題となって会社とトラブルになってしまう可能性がありますので、事前にそれぞれの会社に説明しておきましょう。

まとめ

ダブルワークを希望する理由は様々ですが、募集広告をよく確認しないと、ダブルワーク禁止の会社でダブルワークをすると後々トラブルになってしまう恐れがあります。
また、介護はハードな仕事です。ダブルワークをすることで体調を崩してしまう恐れがあるので、体調管理には十分気を付けて無理のないダブルワーク生活をしましょう。

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