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特集・コラム 2020-02-28

児童指導員配置加算とは|放課後等デイサービスにおける児童指導員等配置加算を解説

児童発達支援事業における児童指導員配置加算は、質の高い児童支援を提供するために定められています。2018年(平成30年)に改定がおこなわれ、事業所によって得られる報酬が大きく変わることとなりました。そのため、現在児童指導員として働いている方や、児童指導員を目指している方であれば、その詳細が気になることでしょう。

今回は、児童指導員配置加算とはどのようなものなのか、また、放課後等デイサービスにおける児童指導員等配置加算とは何なのかについてご紹介します。

児童指導員配置加算とは

児童指導員配置加算とは、国が定めた研修修了者を配置することによって、質の高い児童支援を提供することを評価する加算制度です。2018年(平成30年)4月に改定がおこなわれ、加算単位の増加が見込まれることになりました。事業所を利用する子どもの障害の程度によって、報酬区分は区分1と区分2に分かれます。区分1に該当するのは、次のいずれかに当てはまる場合です。

・障害児のうち、食事、排せつ、入浴及び移動のうち3以上の日常生活動作について全介助を要する障害児
・厚生労働省告示第108号の放課後等デイサービスの基本報酬の区分における指標にあてはめて算出した点数の合計が13点以上である障害児

区分2に該当するのは、区分1には該当しなかった比較的障害が軽い児童です。区分1と区分2に分けるための判定基準となる指標は16項目あり、0~2点で評価します。0点は支援が不要・稀に支援が必要・月に1回以上の支援が必要のいずれか、1点は週に1回以上の支援が必要、2点はほぼ毎日(週5日以上)の支援が必要と分けられています。点数を算出するための具体的な項目は次の通りです。

・コミュニケーション
・説明の理解
・大声、奇声を出す
・異食行動
・多動、行動停止
・不安定な行動
・自らを傷つける行為
・他人を傷つける行為
・不適切な行為
・突発的な行為
・過食、反すう等
・てんかん
・そううつ状態
・反復的行動
・対人面の不安緊張、集団行動への不適応
・読み書き

たとえば、日常生活に支障がないコミュニケーションがとれれば0点です。特定の者または会話以外の方法でコミュニケーションがとれる場合は1点、独自の方法でコミュニケーションがとれる、またはコミュニケーションできない場合は2点となります。放課後等デイサービスの場合、区分1と2は、さらに区分1の1、1の2、区分2の1、2の2と分けられ、以下のような分類となります。ただし、重症心身障害児を支援する事業所は非該当です。

区分1の1:指標該当児50%以上、サービス提供時間3時間以上
区分1の2:指標該当児50%以上、サービス提供時間3時間未満
区分2の1:指標該当児50%未満、サービス提供時間3時間以上
区分2の2:指標該当児50%未満、サービス提供時間3時間未満

区分1に該当する事業所では、加配加算を2人分まで獲得することができ、区分2に該当する事業所は1人分まで加配加算が獲得可能です。また、資格がある人とない人では、得られる単位が変わるので気を付けなくてはなりません。定員10人以下の事業所で理学療法士等を配置する場合は1日に209単位、児童指導員等を配置する場合は155単位、その他従業者を配置する場合は91単位をそれぞれ得られます。保育士は理学療法士等に分類されるので、1日に209単位となります。

事業所の定員が11人以上20人以下の場合、理学療法士等を配置すると139単位、児童指導員等の配置は103単位、その他の従業者は61単位です。定員が20名以上になると、理学療法士等の配置は84単位、児童指導員等の配置は62単位、その他の従業者は36単位となります。

放課後等デイサービスにおける児童指導員等配置加算とは

放課後等デイサービスにおける加算には、児童指導員、保育士の有資格者等を配置した場合に加算される児童指導員等配置加算、営業時間が8時間以上であり、営業時間の前後の時間において支援を行った場合に加算される延長支援加算があります。また、事業所内での障害児と、その家族等に対する相談援助を行った場合に加算される事業所内相談支援加算も該当します。ここからは、放課後等デイサービスにおける児童指導員等配置加算について、詳しく見てみましょう。

事業の概要

放課後等デイサービスでは、授業の終了後や学校の休業日に児童を児童発達支援センターなどの施設へ通わせて、生活能力向上のために必要な訓練や社会との交流の促進を支援します。対象者は小学校、中学校、高校に就学していて、授業の終了後、または休業日に支援が必要と認められた障害児です。

放課後等デイサービスの人員配置基準

放課後等デイサービスには、人員配置基準が存在します。人員配置基準は、児童指導員・保育士または障害福祉サービス経験者を10:2以上で、児童指導員または保育士を半数以上配置する必要があります。このほか、児童発達支援管理責任者を1人以上、管理者を1人以上配置しなければなりません。

基本報酬と単位|授業終了後・休業日

基本報酬は、授業終了後と休業日、利用定員に応じた単位が設定されています。ここからは基本報酬と単位について見ていきましょう。

重症心身障害児

重症心身障害児の場合、授業終了後577~1,329単位、休業日は 699~1,608単位に設定されています。重症心身障害児以外の児童と明確に分かれているので、計算の際は注意が必要です。

重症心身障害児以外

重症心身障害児以外の場合は、授業終了後276~473単位、休業日は359~611単位に設定されています。単位数の開きは定員規模等によるものです。詳しくは後述します。

児童指導員等配置加算の算定要件

児童指導員等配置加算における算定要件は、児童指導員、保育士、障害福祉サービス経験者のうち、強度行動障害支援者養成研修等を修了して証明書の交付を受けた者が1名以上配置されていることです。児童指導員等加配体制で児童指導員等加配加算が算定可能になるのは、人員配置基準で必要な従事者の数に加え、理学療法士等、児童指導員等、その他従業者の配置をおこなっている場合になります。それぞれの要件は下記となります。

・理学療法士等:理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、保育士、大学で心理学を専修し卒業した者で、個人及び集団心理療法の技術を有する者、国立障害者リハビリテーションセ ンター学院の視覚障害学科を履修した者又はこれに準ずる視覚障害者の生活訓練を専門とする技術者養成研修修了者を常勤換算で1以上配置している場合
・児童指導員等:児童指導員、強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)の課程修了者を常勤換算で1以上配置している場合
・その他従業者:その他従業者を常勤換算で1以上配置している場合

たとえば、児童指導員等を2人加配して通常時間のサービスを提供すると、基本報酬の656単位と、児童指導員等の加算155単位×2人分で966単位となります。児童指導員等を2人加配して短時間のサービスを提供すると、基本報酬の645単位と児童指導員等の加算155単位×2人分で955単位です。

児童指導員等配置加算の単位数|利用定員による違い

配置加算の単位数は利用定員により違いがあります。定員ごとの単位数について説明していきましょう。

授業終了後の単位数

授業終了後の単位数は4~9単位です。定員数が10人以下の場合は9単位、11人以上20人以下の場合は6単位、21人以上の場合は4単位となります。

休業日の単位数

休業日の単位数は6~12単位です。定員数10人以下の場合は12単位、11人以上20人以下の場合は8単位、20人以上の場合は6単位となります。

留意点|重症心身障害児の場合

重症心身障害児に対して、放課後デイサービスをおこなう場合の基本報酬を算定しているケースでは、算定することができません。重症心身障害児の算定時は特に注意するようにしましょう。

児童指導員配置加算の算定要件と単位を押さえよう

児童指導員配置加算は、スタッフの配置の仕方次第で得られる単位が変わるため、算定要件を頭に入れておく必要があります。事業所の利用定員や利用者の障害の程度、配置する人の資格の有無によって単位が異なるので、しっかり運営していないと損をすることになりかねません。サービスの質が高い事業所は売り上げが上がりますが、質の低い事業所は経営が難しくなるはずです。児童指導員配置加算の算定要件と単位を押さえて請求業務に備えましょう。

引用元:
厚生労働省
「障害児通所支援に係る報酬・基準について<<論点等>>」
厚生労働省
「児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準」
大阪府
「「体制等状況一覧表」に関する記載上の留意点(30年度報酬改定関係)」

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