理学療法士になるためには?受験資格ルートや試験の概要、勉強方法について解説
理学療法士になるためには、受験資格を満たして国家試験を受験して合格しなければいけません。しかし、理学療法士になるための具体的な方法についてよくわからないという方もいるのではないでしょうか?
本記事では、理学療法士になるためのルートや国家試験の概要、国家試験に合格するためにおさえておきたい勉強方法のコツについて紹介します。
理学療法士になるための方法について気になる方は、参考にしてみてください。
理学療法士になるには
理学療法士になるためには、理学療法士国家試験に合格する必要があります。ただし、条件を満たさないと受験資格を得ることはできません。
国家資格には「業務独占資格」と「名称独占資格」があります。日本では理学療法士は「名称独占資格」のため、資格を持たない人が「理学療法士」と名乗ることはできません。また、理学療法士には独立開業権がありません。
ここでは、国家試験の受験資格の取得ルートと養成校の選び方について紹介します。
理学療法士国家試験の受験資格
理学療法士国家試験を受験するためには、高校卒業後に厚生労働大臣指定の養成校で3年以上のカリキュラム(教育課程)を修了して、受験資格を得なければいけません。
養成校には、以下の3つの種類が挙げられます。
・大学(4年制)
・短大(3年制)
・専門学校(3年制または4年制)
3年制・4年制の学校があり、短期間で効率的に学びたいのか、必須知識から付随する追加知識まで幅広く学びたいのかで、選ぶべき学校は変わります。
理学療法士になるための学校の選び方
理学療法士国家試験の受験資格を得るためには、必要なカリキュラムを受けられる学校選びをしなければいけません。3年制の短大や専門学校は、学費が1年分少なくなり、受験に必要なカリキュラムを短期間で学べます。ただし、大人数の授業で仲間と一緒に切磋琢磨しながら深く学びたいなら、4年制大学の方がおすすめです。
理学療法士国家試験の概要
理学療法士国家試験は、一般問題と実地問題が出題される筆記試験、もしくは重度視力障がい者向けの口頭試験から構成されるテストです。ここでは、出題範囲や合格率などの詳しい試験の概要を紹介します。
国家試験で出題される範囲
理学療法士国家試験では、一般問題と実地問題の筆記問題が出題されます。また、重度視力障害者向けには実地問題の知識・スキルを見る口頭・実技試験が課されます。具体的には、以下のテーマが出題されますよ。
科目 | |
一般問題 | 解剖学、生理学、運動学、病理学概論、臨床心理学
リハビリテーション医学、臨床医学大要、理学療法 |
実地問題 | 運動学、臨床心理学、リハビリテーション医学、臨床医学大要、理学療法 |
座学で学べる知識だけでなく、養成校での実習経験も試される試験だといえます。
国家試験の合格率
理学療法士国家試験の合格率は、8割前後で推移しています。ここ3年間における国家試験の合格率を見てみると、以下のような合格率です。
理学療法士 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2023年 | 13,648人 | 12,948人 | 11,312人 | 87.4% |
2022年 | 13,377人 | 12,685人 | 10,096人 | 79.6% |
2021年 | 12,503人 | 11,946人 | 9,434人 | 79.0% |
作業療法士 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2023年 | 5,938人 | 5,719人 | 4,793人 | 83.8% |
2022年 | 5,920人 | 5,723人 | 4,608人 | 80.5% |
2021年 | 5,747人 | 5,549人 | 4,510人 | 81.3% |
引用元:厚生労働省:第58回理学療法士国家試験
厚生労働省:第57回理学療法士国家試験
厚生労働省:第56回理学療法士国家試験
作業療法士国家試験と比較しても、同じくらいの合格難易度です。きちんと日々の学習していけば、問題なく合格できる試験だといえるでしょう。
国家試験の受験資格が認定されるまでの流れ
養成校で所定のカリキュラムを修了したら、受験資格を認定してもらう必要があります。申請の流れは以下の通りです。
・必要書類をそろえて提出する(必要書類に関する詳細)
・書類審査が行われる
・認定書が交付される、もしくは認定不可の通知をもらう
・認定書を交付された方は国家試験の受験手続きにすすむ
書類の持ち込みは4〜8月末までで、書類審査は9〜10月にかけて実施されます。認定の可否に関する通知は11月頃で、認定書が交付された場合にのみ試験を受験可能です。
理学療法士国家試験に合格するための勉強方法
理学療法士国家試験はあまり難易度が高くない試験とはいえ、きちんと学習のポイントをおさえて、ポイント対策をしておかないと心配です。ここでは、具体的な学習方法や勉強のコツを確認して、理学療法士国家試験の合格に向けたプランを立てましょう。
出題される問題を優先的に学習する
理学療法士国家試験で合格するためには、過去数年分の過去問を実際に解いてみて、出題される問題の範囲や傾向、出題のクセに慣れておく必要があります。よく出題される問題から重点的に解いて、確実に得点できる問題を増やしていく意識で勉強しましょう。
グループワークでモチベーションを維持
国家試験の勉強は独学する時間が多いですが、時々グループワークで仲間と一緒に勉強したり、実習を重ねたりすることで試験範囲に関する理解が深まっていきます。自習に疲れたら、他人と一緒に勉強してモチベーションの維持・向上に努めていきましょう。
中長期的な学習計画を立てる
国家試験で合格点に到達するためには、試験日までの日数から勉強に費やせる時間を計算し、学習計画を立てた上で計画的に試験勉強をこなしていくことが大切。計画に沿って勉強すれば、直前になって焦ることもなく、無理なく目標点数に到達できるでしょう。
国家試験に合格するための学習計画を立てて、理学療法士を目指そう!
理学療法士になるためには、3年以上理学療法士になるために必要なカリキュラムを修了し、理学療法士国家試験の受験資格を得て、試験に合格する必要があります。試験自体の難易度はそこまで高くありませんが、合格するためには計画的に学習し、過去問を分析する必要があります。
理学療法士国家試験に向けて学習計画を立て、目標の理学療法士を目指しましょう。
引用元
厚生労働省:理学療法士国家試験の施行
厚生労働省:第58回理学療法士国家試験
厚生労働省:第57回理学療法士国家試験
厚生労働省:第56回理学療法士国家試験
厚生労働省:理学療法士/作業療法士国家試験受験資格の認定について