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特集・コラム 2022-11-10

カイロプラクターになるためにはどうしたらいいの?スクールや整体師にも役立つ資格と一緒に紹介!

カイロプラクティックとは、お客様の体へ直接おこなう施術だけでなく、栄養や運動、睡眠に関する指導なども総合的におこないながら、骨のゆがみやそれによって生じる体の不調を改善するための治療を指します。

この施術をおこなう人のことをカイロプラクターと呼び、日本国内にもカイロプラクターとして働く人は数多くいます。一般的に、このようなお客様の体へ施術をおこなう仕事では資格が必要であると考えられがちですが、カイロプラクターに関しては少し事情が異なるのです。

ここでは、職種としてのカイロプラクターと国家資格の関係、およびカイロプラクターを目指すことができる専門学校をご紹介します。

カイロプラクティックとは

カイロプラクティックとは、手技を用いて、骨盤や背骨の歪みを整える施術のことです。アメリカなどでは国家資格として認められていますが、日本では、民間療法として知られています。

カイロプラクティックについて詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。

注目のカイロプラクティックを詳しく解説!整体との違いや治療手順もあわせて紹介

日本のカイロプラクターには国家資格や必修科目がない

日本のカイロプラクターは、国家資格や必修科目が必要ありません。そのため、誰でもカイロプラクターを名乗ることができるという無秩序な状態になってしまっている側面があります。

しかし正しい技法や専門的な知識で施術をおこなわなければ、患者に危害がおよぶこともあるため、関連性のある民間資格の取得や教育機関での学習などが推奨されているのです。

日本カイロプラクティック登録機構|安全教育プログラム

国内でおこなわれているカイロプラクティック施術では、安全性を高めるための取り組みの一例として、日本カイロプラクティック登録機構が実施している安全教育プログラムが挙げられます。

このプログラムは申請をおこなったうえで所定の教育を受けることができ、最終試験に合格した人に対して「Diplomate of Chiropractic Science」の称号を授与しています。

また、合格者名簿は厚生労働省に提出されるので、カイロプラクターとして働くうえで重要な「信頼」を手に入れることができます。

カイロプラクターを目指せるスクールを紹介

カイロプラクターとして働くためには、まず知識や技術を習得することが大切です。カイロプラクターに必要な知識や技術を学べる、教育機関についていくつか紹介します。

東京カレッジオブカイロプラクティック

東京カレッジオブカイロプラクティックでは、カイロプラクティック教育の専門機関として、高いレベルの教育をおこなっています。業界のリーダーシップをとれるような人材育成が目標です。

教育の内容としては、日本にいながら国際認証DCプログラムを受けることができます。これは、日本で唯一、世界基準(WHO基準)をクリアしているプログラムです。WHO基準の学位をとることで海外での活躍も視野に入れることができるメリットがあります。

国際認証DCプログラムは、CCE(カイロプラクティック教育審議会)が定めたカリキュラムを網羅しており、CCEA(第三者評価機関)の審査もクリアしています。カイロプラクターの知識を生かしたスポーツトレーナーの分野などを学べる特別カリキュラムもあります。

東京カレッジオブカイロプラクティック 

日本カイロプラクティックドクター専門学院

これまで、医療に携わった事のない人も技術を習得しやすいカリキュラムが組まれています。 解剖資料室・図書室・就職開業指導室などの充実した教育環境が整っているのが魅力です。

アメリカのカイロプラクティック大学と同じレベルの教育基準が取り入れられています。指導者として、アメリカのカイロプラクティック大学を卒業したD.C.(アメリカ政府公認カイロドクター)陣がいるのも心強いポイントです。

日本カイロプラクティックドクター専門学院 

ユニバーサル・カイロプラクティック・カレッジ

臨床経験が豊富な講師陣により、実践力が身につくようなプログラムが魅力的です。体系づけられた教育プログラムが組まれていて、カイロプラクティックの哲学・理論・技術などについて基礎から学ぶことができます。

ハワイ州立大学での解剖実習があるプログラムがあるので、より身体の仕組みについて理解を深めることができるでしょう。卒業生には、助教制度なども用意されているので、まだ学び足りない方に対して、より知識を深められるようなサポートをおこなっています。

ユニバーサル・カイロプラクティック・カレッジ

カイロプラクターに活かせる証書や資格

カイロプラクターは、上述したように、現在日本では国家資格など必須の資格はありません。しかし、正しい施術をおこなったり、患者の信頼を得たりするには、専門教育機関の修了証を取得するなど、関連する資格を持つことが大切です。

カイロプラクターとして活かせる資格には、どのようなものがあるのかをチェックしておきましょう。

日本カイロプラクティック登録機構によるプログラムの受講および「Diplomate of Chiropractic Science」の称号認定

この称号認定証は、WHOのガイドラインに沿ったプログラムを修了して、最終試験に合格することで得られます。厚生労働省に名簿が提出され、安全なカイロプラクターの指標を示すことができるのです。

2021年11月末時点では、厚生労働省に提出されたカイロプラクター名簿に583名が登録されています。現在国内で約900名と言われているWHOの基準に準拠した知識を持つカイロプラクターのうち、約7割弱を占めています。

あん摩マッサージ指圧師

カイロプラクティックの施術をするときに注意すべきなのが、あん摩やマッサージ、指圧をおこないたい場合です。このような施術は、カイロプラクティックの一環であっても国家資格が必要となります。

そこで、あん摩マッサージ指圧師の資格を取っておくと安心して施術をおこなえるでしょう。あん摩マッサージ指圧師は、国家資格で厚生労働省に認定されています。

整体との違いは?整体師に資格は必要なのか?

カイロプラクティックも整体も、手技療法という部分は同じです。似ているように感じる方もいることでしょう。しかし、この2つには明確な違いがあります。どのような違いがあるのかについて確認してみましょう。

背景やアプローチの仕方が異なる

カイロプラクティックと整体では手技を使うのは同じですが、そもそも発祥や考え方が異なっています。カイロプラクティックは西洋医学がもとになっており、アメリカ発祥です。施術も身体全体のバランスをみて、整えるような方法でおこないます。

整体は、東洋医学がもとになっており、日本や中国古来のものがあります。施術は、痛みやコリがある部位に直接アプローチをかけておこなわれます。詳しい内容が知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。

注目のカイロプラクティックを詳しく解説!整体との違いや治療手順もあわせて紹介

整体師にも必須資格がない

整体にも日本で国家資格がないのはカイロプラクティックと同じです。しかし、整体もカイロプラクティックと同様に、施術に必要な知識や技術を学んだり、患者の信頼を得るために関連する民間資格などを取っておくとよいでしょう。

整体師に活かせる資格

ここからは、整体師として活かせる資格はどういったものがあるのか紹介していきます。整体だけでなくカイロプラクティックにも活かせるものなので、参考にしてみてください。

整体と一言で言ってもさまざまな資格や種類があるので、それぞれの資格の特徴をチェックしてみましょう。

柔道整復師

柔道整復師は、骨・関節・筋・腱・靭帯など、急性の原因により、骨折や脱臼、打撲、捻挫などのけがに対して施術をおこないます。柔道整復師の資格は、国家資格で文部科学大臣または都道府県知事が指定している専門の養成施設で3年以上技術や知識を修得するか、文部科学省に指定された4年制大学で以下の基礎科目と臨床系専門科目を履修します。

基礎科目
・解剖学
・生理学
・運動学
・病理学
・衛生学
・公衆衛生学など

臨床系専門科目
・柔道整復理論
・柔道整復実技
・関係法規
・外科学
・リハビリテーション学など

そのあとに国家試験を受けて合格すると柔道整復師になることができます。

あん摩マッサージ指圧師

あん摩マッサージ指圧師は、あん摩・マッサージ・指圧という3つの手技をつかって、身体の不調を和らげる施術をおこないます。

あん摩マッサージ指圧師の資格は、国家資格で文部科学大臣、または厚生労働大臣が指定している専門学校・短大・大学のどこかで3年以上学習する必要があります。

そのあと、厚生労働大臣指定試験登録機関の、東洋療法研修試験財団が開催している「あん摩マッサージ指圧師」の国家試験を受けて、合格することであん摩マッサージ指圧師になることができます。

整体セラピスト

整体セラピストは、日本メディカル心理セラピー協会(JAAMP)などが認定する民間資格です。整体をおこなう際に、必要な基礎知識があることを証明できる資格となっています。

試験は、人体の構成・神経の構成・骨格の構成などの知識についての内容が問われます。また、整体の歴史や開業方法まで幅広い部分まで出題されるようです。

ゆがみ矯正インストラクター

ゆがみ矯正インストラクターは、整体の技術だけでなく、身体のゆがみを矯正できるようなスキルが身につく資格です。日本インストラクター技術協会(JIA)が認定している民間資格となっています。

ゆがみ矯正インストラクターの資格をとると、整体の知識やテクニックの修得だけでなく、生活習慣や運動のアドバイスも行えるようになるでしょう。

患者にとって安心できる施術者を目指して資格を習得しよう

カイロプロテクターも整体師も、国家資格がない分、個人の知識やスキルに大きな差があるのが現状です。体の回復を願う患者にとって、安心感と信頼感の持てる施術者になるためには、スクールに通ったり講座を受講したりして資格を取得することが大切です。

引用元
日本カイロプラクティック登録機構
一般社団法人日本カイロプラクターズ協会(JAC)
厚生労働省 柔道整復師国家試験の施行
公益社団法人 日本柔道整復師会
厚生労働省 あん摩マッサージ指圧師国家試験の施行
文部科学省 専門職大学院制度と現状について
東京カレッジオブカイロプラクティック
日本カイロプラクティックドクター専門学院
ユニバーサル・カイロプラクティック・カレッジ

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