カイロプラクティックの資格は独学でも取得できる? カイロプラクターになるためのおすすめの勉強法は?
カイロプラクティックとは、痛みや違和感などを解消するために、身体のゆがみを整える施術をおこなう民間療法です。身体の不調に悩むお客様の、痛みや違和感を取り除くことのできるカイロプラクターになりたい方もいることでしょう。
カイロプラクターになるには何か資格が必要なのでしょうか。スクールなどに通う時間がとれない場合は、独学で資格を取得することができるのでしょうか。
ここでは、カイロプラクティックの資格は必要なのか、独学でもカイロプラクターになれるのかを解説します。おすすめの勉強法も紹介しますので、カイロプラクターを目指す方は参考にしてみてくださいね。
カイロプラクティックの資格は独学でも取得できる?
カイロプラクターになるには、何か資格が必要なのでしょうか。まずはカイロプラクティックに資格が必須なのかどうかを解説します。
日本ではカイロプラクターになるための必須の資格はナシ! 開業もOK
現在の日本では、実はカイロプラクターになるために必ず取得しておかなければならないような、必須の資格はありません。なりたいと思えば、独学でカイロプラクティックについて学んでカイロプラクターになることができるし、開業することもできます。
カイロプラクティックとは、実際にはどのようなものなのでしょうか。次でカイロプラクターの仕事についてご紹介します。
カイロプラクターは生活の中で避けられない肩こりや姿勢の崩れにアプローチする仕事
カイロプラクティックは、1895年にアメリカではじまったものです。その後、世界85ヵ国以上に広まり、日本に入っていたのは1916年といわれています。
アメリカやカナダ、イギリスなど、世界44カ国では法制化されているのですが、上述したように日本では、まだ法制化されていません。ただし、日本では厚生労働省によって「医療類似行為」とされています。
カイロプラクターの仕事は、日常生活を送っていく中で、肩こりや姿勢が崩れたりすることで起こる痛みや不調にアプローチし、それらを改善することです。その施術は手技でおこわれます。
カイロプラクティックの目的は、人間が本来持っている自然治癒力を高めることにあります。そのために、姿勢の崩れを改善する、あるいは痛みを取り除くこともおこないます。
WHOのカイロプラクティック・ガイドラインとは?
日本では、カイロプラクティックが法制化されていませんが、世界的には法制化されている国もあり、WHO(世界保健機構)のガイドラインがあります。WHOのガイドラインでは、カイロプラクターになるために必要な学習時間や施術を禁止する病例などを定めています。
出典元:カイロプラクティックの基礎教育と安全性に関するWHOガイドライン
日本では安全性を高める取り組みが行われている
日本では、まだカイロプラクティックが法制化されておらず、法律の縛りがありません。このため、安全性に問題があるといわれていました。近年の日本のカイロプラクティック業界では、独自に安全性を高める取り組みが行われています。ここでは、日本での取り組みについて解説していきます。
日本カイロプラクティック登録機構|安全教育プログラム
日本には、カイロプラクターを登録する組織として、「日本カイロプラクティック登録機構(JCR) 」があります。WHOのガイドラインに準拠した教育プログラムを修了し、登録試験に合格した人が登録可能です。
ここでは、2018年に東京カレッジオブカイロプラクティックで開催された教育プログラムの概要についてご紹介します。
受講期間は3年間で、2673時間とされています。解剖学、生理学、病理学、脊椎解剖学、カイロ概論などの学習内容があります。
スクーリングは年に2回、各3日間でおこなわれます。スクーリングの合計時間は123時間です。なお、スクーリングの開始時には、「カイロ基礎審査」の筆記試験がおこなわれ、不合格の場合は、基礎特別講座を別に履修にすることになります。
3年間で自宅学習と臨床実習を1,200時間おこないます。150時間の各科目の視聴覚教材が、自宅に送付されます。
各科目に、4回のレポート提出の義務があります。それぞれ課題が出され、合否が出ます。不合格の場合は、再審査を受け、それでも合格しなかったら、次回のスクーリングの試験を受ける資格を失うこともあります。
出典元:東京カレッジオブカイロプラクティック JCR試験受験資格プログラム
カイロプラクターになるためのおすすめの方法・勉強法は?
日本では、資格を持たない者もカイロプラクターを名乗ることができます。しかし、カイロプラクターはお客様の健康に関わる大切な仕事であるため、しっかりとした知識や技術を身につけておかないと健康を害する恐れもあります。
ここでは、正しいカイロプラティックの施術をおこなうためのおすすめの方法をご紹介します。
1. 学校へ通う
日本には、カイロプラクティックについて学べる専門学校があります。専門学校で学ぶことで、体系的な知識や技術が身につき、お客様からの信頼を得ることもできます。ここでは、カイロプラクティックについて学べる専門学校をご紹介します。
日本カイロプラクティックドクター専門学校
カイロプラクティック発祥の地のアメリカでは、カイロプラクティックが法制化され、開業するのにも厳しい基準があります。そんなアメリカのカイロプラクティック大学を卒業したD.C.アメリカ政府公認カイロドクターが直接指導し、アメリカのカイロプラクティック大学と同等の教育を受けることができます。
一般コースは2年間です。基礎医学のカリキュラムには、解剖生理学や病理学、内科学や免疫学などがあります。テクニックでは、アメリカ公認DC(ドクターオブカイロプラクティック)が、ひとりひとりのお客様に対応できる本格的な手技を学べます。
なお、希望すればアメリカ研修も受けられます。日本では経験できない人体解剖実習などを体験できるほか、カリフォルニア州公認のマッサージ資格を習得できます。
東京カレッジオブカイロプラクティック
東京カレッジオブカイロプラクティックは国際認証を取得しつづけているため、WHO基準のカイロプラクティックを学べる学校です。そのため、国際的にも認められるDC称号を取得できます。
WHO基準のカリキュラムが組まれており、臨床実習が1,004時間、カイロプラクティック学が1,480時間、基礎医学・臨床科学が1,817時間となっています。合わせると、4,301時間のカリキュラムを学びます。なお、海外の大学のカイロプラクティック学科へ留学・編入することも可能です。
2. カイロプラクティックに関する本で学ぶ
カイロプラクティックに関する本で、学ぶこともできます。ここでは、おすすめの本についてご紹介します。
・カイロプラクティック テクニック教本
カイロプラクティックについての理論や実践的なテクニックを解説する教本です。440種の手順を映すフルカラー写真に、100種類以上のテクニックを掲載しています。なお、著者ヘンリク・ジーモンは、ドイツ・アメリカ・カイロプラクティック・セミナー(DACS)の講師を務めていました。退官した後も責任者となっています。
監修者:中川 貴雄
著者:ヘンリク・ジーモン
訳者:吉水 淳子
出版社:株式会社ガイアブックス
出典元:株式会社ガイアブックス カイロプラクティック テクニック教本
・カイロプラクティック概論
カイロプラクティックの入門書として、主にテクニックを説明している、初心者にもおすすめの本です。30年間で10万件もの症例を経験した著者が、基礎医学と検査や矯正などの実技をわかりやすく説明しています。
著者:鈴木 正教
出版社:たにぐち書店
・カイロプラクティック基本テクニック論
カイロプラクティックの診療をするにあたって基礎的なテクニックを紹介する本です。著者はアメリカのカイロプラクティック大学を卒業し、カリフォルニア州開業試験にも合格しています。さらに25年の施術経歴を持っており、図や写真を多用して検査・アジャストメントなどをわかりやすく解説しています。
著者:岡井健
出版社:セラピーウェイ
出典元:カイロジャーナル カイロプラクティック基本テクニック論
3. 初心者向けに開催されている勉強会やセミナー・講座・イベントで学ぶ
カイロプラクティック初心者の方向けに、勉強会やセミナー、講座やイベントなども開催されています。こうした講座に参加して、基本的な知識を身につけるのもおすすめです。
どんなことを学ぶの?|健康に関することや整体技術など
カイロプラクティックのセミナーや講座といったイベントでは、基本的な健康についてや、整体技術について学べます。たとえば、病気になってから医療機関を受診するのではなく、健康を維持し、病気を予防するにはどのようにするべきかや、専門技術はもちろん、家庭でできる簡単な整体の手技などについても指導してくれるのです。
4. 院へ勤めて働きながら学ぶ
整体院によっては、初心者でもやる気や人柄重視で採用する院もあるようです。初心者やカイロプラクティック未経験者の場合、アシスタントの仕事をしながら、空き時間に施術の練習や解剖学の勉強などおこないます。また、カイロプラクティックの資格を無料で取得できる制度のあるところもあるので、そのような整体院に勤めて、働きながら学んでカイロプラクターを目指すことも可能です。
セミナーなどは定員になり次第募集終了になることも|自分に合った勉強法を選ぼう!
カイロプラクティックは、日本では法制化されていないため、独学でもカイロプラクターになることは可能です。ただし、カイロプラクターは、お客様の健康維持をサポートする重要な仕事なので、より安全性の高い技術を提供できるように勉強法を選ぶことも大事です。
セミナーなどのイベントは定員になり次第募集終了となることもあるので、早めに応募するようにしましょう。今回の内容を参考に、自分に合った勉強法を見つけてください。