機能訓練指導員の給料・年収はどれくらい? 資格は活かせる? 機能訓練指導員としての働き方を紹介
昨今の介護業界において、機能訓練指導員の需要が高まっています。機能訓練指導員は、介護施設や病院などで心身機能の改善・維持を目的とした施術や治療をおこなうのが仕事で、とくにリハビリという分野において重要な役割を担っています。
このような重要な役割を担う機能訓練指導員になるためには、7つの国家資格のうちいずれかが必要です。そのため、これらの国家資格を取得している方は、機能訓練指導員になれるのです。
ここでは機能訓練指導員を目指す方へ向けて、仕事内容や働き方、そして給料や年収などをご紹介します。
機能訓練指導員の給料・年収はどれくらい? 求人情報をチェック!
機能訓練指導員の仕事は、利用者の障害の程度や能力に応じてリハビリの内容(プラン)を考案・実施し、利用者の方が一人で生活を営めるように支援することです。そのため、介護施設や病院での需要が高い傾向にあります。
特に、介護施設では必ず1人以上機能訓練指導員を配置しなければならないため、求人募集も多く出ています。ここでは、機能訓練指導員の給与について、ハローワークの求人情報を元に調べてみました。
機能訓練指導員の正社員における給与は、約18~35万円と幅があります。月給25万円の場合は年収300万円、月給35万円の場合は年収420万円が相場です。ボーナス賞与が出るところも多いため、さらに年収アップも期待できます。
ただし、機能訓練指導員の給与は所持する仕事内容や働く施設によって変わってきます。さらに、地方や都内など勤務場所によっても条件や待遇が変わるので、求人情報はよく見比べることをおすすめします。
パート時給では1,200~1,800円の間が多く、1,500円で1日8時間、月に22日勤務とした場合の月給は26万円を超える計算となります。9~15時など短時間勤務で募集している求人もあるため、家庭と仕事を両立することも可能です。
資格が活かせる! 機能訓練指導員としての働き方を紹介
機能訓練指導員は、国や民間団体が定めた資格ではなく職種です。機能訓練指導員になるには、特定の国家資格をひとつ以上取得していなければなりません。ここでは、機能訓練指導員に必要な資格をご紹介します。
・理学療法士
・作業療法士
・言語聴覚士
・看護師または准看護師
・柔道整復師
・あん摩マッサージ指圧師
・鍼灸師
それぞれの資格ごとの業務内容について詳しくみてみましょう。
理学療法士
理学療法士は、怪我や病気などにより運動機能に障害の発生が予測される人に対して機能改善・維持を目的とした治療をおこないます。
その目的は、「立つ」「座る」「寝返りを打つ」といった基本的な運動や動作の機能改善や悪化防止です。機能訓練指導員として働く際は、筋肉や関節を動かす運動療法や、電気や熱、マッサージなどをおこなう物理療法を取り入れたリハビリテーションが中心となります。
作業療法士
理学療法士が日常における基本動作のリハビリをおこなうのに対して、作業療法士は、入浴・食事・掃除などの応用動作のリハビリを担当します。
さらに、これらのリハビリに加え、必要に応じて心理的リハビリも担当します。利用者が日常生活を営む上で精神的な問題がある場合は、心のケアも並行するのです。
機能訓練指導員としては、上記のリハビリに加えて、遊びや運動、創作活動やレクリエーションなどもリハビリの一環として取り入れます。
言語聴覚士
言語聴覚士は、言葉を使って上手くコミュニケーションを取れない方に対してのリハビリをおこないます。機能訓練指導員で働く場合は、話すためのリハビリだけでなく、嚥下障害や口腔機能の改善・維持なども含めたリハビリを担当します。特に食事ができるようなるリハビリは、利用者の体力を維持するためにも重要となるです。
看護師または准看護師
看護師や准看護師は、医療における専門知識を活かして、施設の利用者さんの健康管理をおこないます。病気などの疾患予防はもちろん、ケガの処置などをおこなえるため、機能訓練指導員と看護師を兼任するケースも見られます。
看護師の資格取得段階ではリハビリにおける実務経験が少ないため、働きながら機能訓練やリハビリの知識・技術を身に着けたという方が多く見られます。
柔道整復師
柔道整復師は、身体的な怪我(骨折や捻挫などの)人体の損傷に対して、整復と言われることや固定等をおこない、利用者の機能回復が目的です。
柔道整復師として働いた経験がある方は、高齢者相手への施術やリハビリにも慣れていることが多いため、機能訓練指導員でも重宝される傾向にあります。
あん摩マッサージ指圧師
あん摩マッサージ指圧師が機能訓練指導員として働く場合は、利用者へマッサージや指圧療法などをおこなって痛みやコリを軽減・改善することを目的とします。
体の肩や首の周りの筋肉のコリ、腰痛などの体の痛みに対して施術をおこない、身体の不調の原因を調べるために、問診や検査なども実施します。
鍼灸師
2018年からは機能訓練指導員になるための資格要件が緩和され、鍼灸師も指導員として認められるようになりました。機能訓練指導員として働く際は、鍼灸治療によって血行促進や治癒の促進を促し、機能の回復を目的とします。
ただし、鍼灸師が機能訓練指導員になるためには、鍼灸師以外の機能訓練指導員が在籍する施設にて、機能訓練指導として6カ月以上の実務を経験する必要があります。
どこで働くことが多い? 老人福祉介護施設やデイサービス
機能訓練指導員は、病院や介護施設で働くことができます。ここでは、それぞれの場所でどのように働いているのかを見てみましょう。
・介護福祉施設
デイサービスや有料老人ホームなどの介護福祉施設で働く場合は、機能回復を目的とした仕事をおこなうことに変わりはありません。しかし、その施設形態によってどうあるべきかという役割に違いが生じるのです。
例えば、介護の重要度の高い(障害の症状が重い)利用者が多くいる施設では、運動機能を積極的に向上させることを目的とするとは限りません。普段の日常生活をしていくなかで、利用者の方がリハビリ前よりも、できること・やれることを増やしていくことを優先するためです。
また、施設によっては、身体介護なども担当し、介護スタッフに近しい仕事が含まれる場合もあります。
・要介護者向けの医療施設
介護療養型医療施設や病院のリハビリステーション、介護老人保健施設、老人ホームなどの医療施設なども機能訓練指導員が活躍する場所です。
機能訓練指導員は、歩行訓練や食事動作訓練など病院でのリハビリテーションと同じような訓練をおこないます。ただし、この機能訓練の目的は治療ではなく自立した日常生活のためですので、医師の指示を受ける必要がありません。
機能訓練指導員は資格を活かせるお仕事! 募集内容をチェックして自分に合った職場を見つけよう
機能訓練指導員になるには、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・看護師または准看護師・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師・鍼灸師のいずれかの資格が必要です。
すでに資格を持っている方は、すぐに資格を活かせる仕事ですし、これから資格をとる方は機能訓練指導員という選択肢が増えることになります。
少子高齢化が進む日本は、今後も介護人材が不足すると言われています。そのため、介護施設に必須の機能訓練指導員は、需要が高い職業のひとつです。機能訓練指導員を目指す方は、条件にあった職場を探してみてくださいね。
出典元:
ハローワークインターネットサービス
厚生労働省 厚生労働大臣が定める基準