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特集・コラム 2020-05-16

機能訓練指導員は将来性のある仕事? これから目指しても需要はあるの?|機能訓練指導員になるには

介護福祉施設などで活躍している「機能訓練指導員」という仕事をご存知でしょうか。病気や老化により、身体機能が衰えて日常生活に介助が必要になった利用者さんの機能訓練の計画を作成し、リハビリのサポートをおこなうことで日常生活のなかでできることを増やしていくサポートをする仕事です。

機能訓練を効果的にするために、どのようして計画を立ててどんなリハビリをおこなうのか、機能訓練指導員として働くためにはどんな資格が必要なのでしょうか。また、機能訓練指導員としての具体的な仕事内容についてもご紹介します。

機能訓練指導員は将来性のある仕事!

介護福祉施設などの利用者さんそれぞれの心身の状態のアセスメントをおこない、自分で身の回りのことができるように機能訓練をする機能訓練指導員は、介護保険法で配置が求められている職種です。介護保険分野で注目されている仕事の内容について解説します。

機能訓練指導員は生活支援・リハビリに深く関わる仕事

機能訓練指導員は、介護福祉施設の利用者さんと一緒に、利用者さんご自身の「なりたい姿」をイメージしていただきながら、その姿を実現するための機能訓練プログラムを考えて指導とリハビリを実施します。そのためには、まず利用者の生活環境の確認や身体機能の評価、アセスメントが欠かせません。利用者さん自身やそのご家族の希望をうかがいながら、どのような訓練が有効なのかを考え、機能訓練計画表を作ります。

この機能訓練計画表に沿って支援と訓練がおこなわれ、3カ月ごとに経過や変化などを評価しては、機能訓練計画表を手直ししていくのです。このようにして、利用者さん自身が自分らしいと感じられる生活を取り戻すための手助けをおこなう、やりがいのある仕事といえます。

活躍の場|老人ホーム・老人福祉介護施設・デイサービスや医療機関

機能訓練指導員は、介護福祉施設や要介護者向けの医療施設で必要とされています。ひとくくりに介護福祉施設とはいっても、デイサービスや特別養護老人ホーム、有料老人ホームなどさまざまな形態の施設に異なる複数のサービスがあるのです。その施設形態やサービス内容によって、果たす役割には違いがあります。

つまり、介護度が低い利用者が多くいる施設では、身体機能の向上を目指し外出などより積極的に社会参加できるよう活動の幅を広げていくことを目指しているのです。認知症の施設を含め、介護度の高い利用者が多くいる施設では運動機能の向上を目指すわけではありません。普段の生活をしていくなかでの、支援を受けながらの日常生活動作がスムーズにいくようにできることを増やしたり、前向きな気持ちになれたりすることを目標とします。

介護福祉施設のほかに、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、病院併設型リハビリステーションなどの医療系の施設でも機能訓練指導員は求められているのです。介護福祉施設に比べて医療施設の利用者は、介護度が高い、もしくは障害や病気がある場合が多いのですが、長期に入所していることができない施設です。医療施設であるため、いずれ在宅にもどるか、介護福祉施設へ入るかのどちらかになります。とくに在宅に戻ろうと考えている方にとっては、日常生活動作や介護がスムーズに受けられるための機能訓練は重要です。

高齢者はこれからも増え続ける|業界は人手不足

2025年には団塊の世代が後期高齢者となり、2030年には人口の1/3が高齢者になるといわれています。その後も高齢者は増え続けていく見込みであるため、高齢者が自分で生活できる能力を保つことが非常に重要となるのです。機能訓練指導員への期待は今後も高まっていくことが予測されます。また、介護福祉施設においては慢性的な人手不足の状況です。とくに専門的視点を持って利用者の機能訓練計画を作成できる機能訓練指導員の需要は高まっています。

機能訓練指導員になるにはどうすればいいの?

介護福祉施設などで利用者さんがより自分らしく暮らせるよう、機能訓練計画を作成してリハビリのサポートをするのが機能訓練指導員の仕事です。どうすればこの仕事に就くことができるのでしょうか。

機能訓練指導員になるには資格が必要!|看護職員、理学療法士や柔道整復師など

機能訓練指導員は仕事の内容を指している名称であり、「機能訓練指導員」という資格はありません。機能訓練指導員にはベースに医療系の国家資格が必要とされています。介護福祉施設などに機能訓練指導員として配置することが認められる資格は、看護師または准看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師、鍼灸師の7種類です。持っている資格によって働き方も変わるため、資格ごとの詳しい業務内容を解説します。

看護師または准看護師は医療知識や看護技術を持っているので、利用者さんの健康状態のアセスメントをおこない、体調を管理しながら機能訓練をおこないます。また、介護福祉施設では施設の衛生管理や利用者の健康管理をおこなうという看護師業務もあるため、デイサービスなどの通所介護施設では、機能訓練指導員と看護師を兼務する場合もあるのです。看護師の資格を取得する過程では、機能訓練やリハビリの知識や技術が十分ではないため、機能訓練指導員として働きながら知識と経験を積んでキャリアアップできます。

理学療法士は、ケガや病気などで運動機能に支障がある利用者さんのリハビリテーションが得意です。身体機能のリハビリに特化している理学療法士は運動療法や物理療法により、運動機能の改善や症状悪化の防止を目指してリハビリをおこなう場合が多いといわれています。作業療法士は入浴や食事、排泄、掃除などの身体の動きを応用した活動のリハビリテーションが可能です。また、レクリエーションや創作活動も積極的にリハビリテーションに取り入れることが多く、心と身体を同時にリハビリすることで利用者さんの意欲を高め、社会生活への復帰のサポートをします。

言語聴覚士は、口の機能のリハビリの専門家です。発声や構音など「話す」ことのほかに、咀嚼や嚥下など「食べる」ことに関しての機能回復を目指せます。あん摩マッサージ指圧師は、利用者さんの体の不調をマッサージや指圧療法などの手技により楽にすることを目的として機能訓練をおこないます。身体の不調の原因を探りながら、運動機能の回復するための指導を実施していくことができるのです。

柔道整復師は、骨折や捻挫や打撲などのケガに対して整復や固定等をすることで機能を回復することを目指せます。なかでも整骨院や接骨院などでの実務経験がある柔道整復師は、高齢者の身体や気持ちをよく知っているため、より的確な指導ができる場合もあるのです。

鍼灸師は2018年から新しく機能訓練指導員として働ける資格として加えられました。ただし、鍼灸師だけは資格以外に、鍼灸師以外の機能訓練指導員がいる施設で、半年以上の実務経験があることが条件とされています。

資格を持っている場合|求人情報で自分に合った職場を探そう

機能訓練指導員は、医療系の7種類の国家資格を活かして介護福祉施設の利用者の生活機能を高め、暮らしの幅を広げることに貢献できる仕事です。看護師または准看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師、鍼灸師のいずれかの資格を持ってさえいればすぐに職場探しができます。未経験歓迎としている求人を探して応募してみるとよいでしょう。働き始めてからでも、ほかの施設の機能訓練指導員との情報交換をおこなったり、自治体などがおこなっている研修会に参加したりして、スキルアップしていくことも可能です。

資格を持っていない場合|専門学校など養成機関へ通おう

医療系7職種の資格を持っていない場合は、医療系専門学校などの養成機関へ通い、資格を取得する方法があります。看護師または准看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士は3年間、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師、鍼灸師は2年間で資格が取得することが可能です。これらの資格は、介護福祉施設などで機能訓練指導員として仕事をする以外にも、多彩な働き方が可能な職種ですので、資格を取得することでさまざまな可能性が広がります。

機能訓練指導員はこれからますます必要となるお仕事!

機能訓練指導員は介護福祉施設などで利用者さんが自分で身の回りのことができるように機能訓練をしたり、意欲を高めることで社会生活への復帰のサポートをしたりする仕事です。効果的な機能訓練をおこなうためには医療的な視点が欠かせないため、働くためには医療系の7つの資格を持っていることが条件になっています。超高齢化が進行するなか、機能訓練指導員の需要は今後も高まっており、期待されている仕事のひとつです。資格を生かして働いてみてはいかがでしょうか。

出典元:
厚生労働省 厚生労働大臣が定める基準

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