【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事Vol.9】ヨガインストラクター・梅澤友里香さんが活きた経験&知識をレクチャー
「ヘルスケア業界」のさまざまな職種にフォーカスし、その道で働くプロに、お仕事の魅力や経験談を語っていただく『もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事』の企画。
フリーのヨガインストラクターとして活躍されている梅澤友里香さん。前回は梅澤さんがヨガインストラクターを志されたきっかけや、つねにベストなレッスンをするための生徒さんとの接し方を教えていただきました。今回は、ヨガインストラクターになったことで活きたことや、仕事のやりがいを語っていただきます。
体の仕組みを学ぶこともインストラクターとしての重要な務めです
―梅澤さんがレッスン時にとくに気をつけていることを教えてください。
当たり前のことなのですが、生徒さんに怪我をさせないようにしています。そのためには、講師が生徒さんに教えるポーズのリスクまできちんと理解しておくことが必要になります。そうでないと、生徒さんに誤ったアドバイスを送ってしまい、怪我に繋げてしまう可能性も。そのリスクを回避するためにも、私は体の仕組みに関する知識や情報のインプット・アウトプットと、自分の練習を怠らずに行っています。
―「自分の練習も行う」とは、講師になられた今でも生徒としてレッスンに参加しているということでしょうか?
そうです。元々レッスンを受けるのが好きな性分にくわえ、信じているものがあったほうが自分自身の飲み込みも早くなるので、今でも信頼する先生の下でレッスンを受けています。それにインストラクターになっても、自分の持っていない感性で教えてもらうことで気づかされることも多いんです。
人の人生を豊かにできる、素敵な仕事だと思っています
―梅澤さんはどんなときに仕事に魅力ややりがいを感じますか?
ヨガを通じて人の輪が広がり、人生が楽しくなったという生徒さんの声が聞けると、自分のことのようにうれしいですし、この仕事をやっていて良かったなとやりがいを感じられます。
それに両親の体のトラブルをサポートできるのもこの仕事の魅力だと思っています。今までたくさん心配をかけてきた分、やっとヨガに落ち着いた姿を見せてあげられることも嬉しいですし、親の体の不調をサポートすることで、少しでも親孝行ができているのかなと思えます。
―ヨガインストラクターとして、今までの人生で活きた経験や知識などはありましたか?
ダンスで一度挫折を味わったことが、今となっては糧になっていることも多いです。ヨガではありのままの自分を受け入れる「寛容」の考え方をするので、私の場合は、一度挫折を経験して新たなことに挑戦した自分を受け入れたことで、努力し続ける意味を強く感じることができました。また、一度挫折を味わった分、同じような境遇の人の気持ちも分かるようになれたので、結果として経験できて良かったなと今では思っています。
それに、自分が講師として生徒に教える立場になったときに、私が高校生だったときの先生方の「生徒に対する向き合い方」が腑に落ちました。私は農業高校出身なんですが、当時は私を含め、周りにはヤンチャな子が多く(笑)、金髪で登校する生徒もいました。ですが先生方はそんな私たちに説教や体罰を与えることもなく、「いつか飽きるでしょ」といった冷静な対応を貫いてくれていました。案の定、3年生になったころには派手な髪色も一通りやりつくし、みんな黒髪になっていましたね(笑)。
人間って不思議なことに「ダメ」「こうしなさい」と物事を押し付けられるほど反発感を抱き、反対に、適度に放っておかれると不安になり「ちゃんとしなきゃ」と思いますよね(笑)。とくにヨガはルールを押し付けすぎてしまうと怪我に繋がってしまう恐れもあるので、ある程度の判断は生徒さんに委ねながらレクチャーするようにしています。
―反対に、学んでおくべきだったと思うことはありますか?
私は会社勤めの経験がないので、デビューしたてのころは会社のルールや常識、仕組みが分からず、理解するのに苦労しました。それこそ取引先の人に送るメールの形式や、「cc」と「Bcc」の違いが分からず、もがき苦しんだことも(笑)。フリーランスは教えてくれる先輩や間違いを指摘してくれる人がいないので、相手から返ってきたメールを読み返して学ばせてもらったり、家族に教えてもらうなどして知識を得ていったことも多いです。
―貴重なお話をありがとうございます。
最後に、今後の梅澤さんの展望を教えてください。
これからもたくさんの方とヨガを楽しんで続けられる「場」を作っていきたいですね。
そのためにも、私自身が良い状態であり、心地良い雰囲気の「場」を作る事が出来る人間でいられるように努力し続けたいです。
日々の続けられる練習と、例えばヨガと何かをかけ合わせたりした新しいライフスタイルに触れ合えるきっかけ作りもしていけるように、これからも取り組んでいきたいと思っています。
梅澤友里香さん流! ヨガインストラクターとしての心得3か条
1.知識の習得と自分の練習を怠らない
2.過去の経験も自分の糧にする
3.自分の考えや主張を押し付けない
ヨガインストラクターとして人に教えるためには、まずは自分の体に教え込ませることが大切になるんですね…! フリーとして働くことならではの苦労話もお聞きでき、大変勉強になりました。次回は梅澤さんの手技・技術にフォーカスしてお届けします!
▽#3はこちら▽
【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事Vol.9】ヨガインストラクター・梅澤友里香さんの手技&技術をピックアップ>>
取材・文:小沼奈央(レ・キャトル)
撮影:岩田 慶(fort)
教えてくれたのは…
ヨガインストラクター 梅澤友里香さん
ヨガインストラクター。ウェルネスライフアドバイザー。モデル。
「ヨガフェスタ」や「オーガニックライフTOKYO」、1000人規模のイベントとして知られる「神宮スタジアムナイトヨガ」などの講師を担当する人気ヨガティーチャー。そのほか、雑誌・書籍・テレビ・ラジオなどのメディア出演、厚生労働省主催のイベントでの講師も務めるなど、多岐に渡って幅広く活躍。ヨガと食と美に関してのトータルライフにも力を入れ、「笑顔とHAPPY」をつくるライフスタイルを提案している。