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介護・看護・リハビリ 2020-06-28

続かない夜勤、利用者からのエールで続く夜勤に!? 介護福祉士の日常あるある#5【Q&A編】

トイレ介助と着替え介助で忙しい夜勤を経験したと話すベテラン元介護福祉士の國廣幸亜さん。対応のカギは、業務全体の流れを把握して次の行動を思い出しながら動くことだと話します。そんな國廣さんの夜勤の取り組みをご紹介します。

Q.初めての夜勤で意識して取り組んだことは?

A.業務全体の流れが書かれたプリントを頭に入れました。さらに業務中にメモ帳を持ち歩き、重要なことをサッと記入。メモをとる余裕がないときは休憩時間中にまとめていました。加えて、付き添っていただいている先輩介護福祉士さんにわからないことを質問し、早く仕事に慣れるようにしていましたね。ただ、日勤とは違って夜勤ならでは業務の大変さもあってか慣れるまでは苦労しました。

Q.どんな業務が大変だった?

A.例えば、就寝前はトイレに行きたい利用者さんが多くなるのでよくバタバタしましたね。コール用のPHSで介助業務に呼ばれる回数が増え、ナースステーションの電話も鳴りっぱなしなんてことも。

さらに、夜勤者二人でオムツ交換やトイレ介助のために施設を巡回しているとき、パジャマまで濡れていたり、利用者さんが覚醒していない状態だったりと、スムーズに着替えができないことが多々ありました。

加えて、就寝前は着替えとトイレの時間が重なるので、本当に猫の手も借りたくなるほど。起床時も大変で、利用者さんを起こしながら着替えをし、身支度をお手伝い、他の業務もこなしながら必死でやっていた時に「入れ歯が見当たらないのよね…」と利用者さんからの言葉に、後ろ向きな気持ちになったこともありますね(笑)。

Q.どうやって対処した?

A.同じ施設内の先輩介護福祉士さんの先を読みながらの行動ができるようになるために、夜勤明けに業務手順をメモ帳に書き出し、覚えることにしました。覚えきれないときは、メモ帳を業務に持ち込み、忘れたときに見返して、常に次はなにをするかを意識して取り組んでいました。辛かった時もありましたが、利用者さんからのねぎらいもあってか、続けていくことができ、対応できるまでスキルを上げることができました。

Q.利用者さんからどんなねぎらいがあった?

A.巡回をしているとき、利用者さんがベッドから手招きしているので近くづくと、「遅くまでおつかれさまね。疲れたでしょう。一緒に寝ましょうよ」と優しい言葉をかけていただきほっこりしました。それから、ナースステーションで夜勤の記録を書いていると、「疲れにはこれ!」と養命酒を持ってきてくれた方がいて思わず笑顔になることもありましたね(笑)。

さらに、早起きした利用者さんが「こんな早くから大変ね。一緒にやりましょう」と言って洗濯物を畳むのを手伝ってくださったことも。座る間もなく働き続けていたのでお話しながら畳んだ時間が癒しでした。それから、夜勤中のちょっとしたハプニングも、モチベーションアップにつながったと思います。

Q.ちょっとしたハプニングとは?

A.例えば、普段車椅子で移動している利用者さんがほふく前進をしながら部屋から出てきてしまったことがありました。慌てて駆け寄ると「寂しくて眠れない…」とおっしゃるので常に人の目があるナースステーションの前にベッドを置いてそこで寝ていただきましたね。それから、「人がいるはずのない場所なのにあそこからいつも誰かが覗いているのよね…」と怪談話を聞いてしまい、巡回の時にその部屋に入るのにドキドキすることも(笑)。怖い経験もありましたけど、夜勤ならではという点で新鮮さもあってか続けるモチベーションにもつながりました。

Q.夜勤業務を続けていくための心得は?

A.仕事や環境をすぐ変えるのは難しいので、まずは自分の「苦手」という気持ちを前向きな気持ちに変えていくことが重要。私は介助を要領よくこなすことが苦手で、自分には向いていないと後ろ向きの姿勢でいましたが、数をこなしていくと、自然と体は動くようになっていきます。時間がかかっても焦らず丁寧に仕事を行い、一つ一つ確実にスキルを身につけていくことで自信がつき、前向きな気持ちに変わるはず。

それから、就労時間が長い夜勤を続けていくためには、仕事が終わった後の楽しみを作ることもポイント。私は雑談することが好きですので、利用者さんとゆっくりと話をする時間を楽しみに取り組んでいました。夕方から翌朝までと長くて大変な夜勤ですが、やりきった後の開放感や充実感は格別でとてもやりがいのある仕事です。ぜひとも前向きに取り組み、仕事を頑張った後は思いっきり楽しい時間を用意してみてください。

國廣さん流・夜勤を続けていくための秘訣3箇条

1.業務全体の流れを頭に入れて次の行動を考えながら動く

2.自信をつけて、苦手という気持ちを前向きな気持ちに変えていく

3.仕事が終わった後の楽しみを作る

取材・原文/井上桂佑(レ・キャトル)
イラスト/國廣幸亜

教えてくれたのはこの人!

國廣幸亜さん

訪問介護や介護老人保健施設、デイサービスなど多くの介護現場を渡り歩いたベテランの介護福祉士として活躍し、現在は自身の豊富な介護経験を題材にした漫画などを手がける人気の漫画家として活躍中。
所有資格:介護福祉士。

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