ヘルスケア&介護・看護・リハビリ業界の応援メディア
特集・コラム 2021-10-24

細胞検査士とは? どんな仕事をするの?|細胞検査士を目指すには

がん細胞の発見などにおいても欠かすことのできない細胞検査士。その活躍の場は多岐にわたり、就職・転職を目指す際には、仕事内容と資格を取得するための方法を知っておく必要があります。

細胞検査士とは? 仕事内容を紹介


細胞検査士は、おもに大型の病院や検診センターなどの医療系施設で働いていますが、その職務や具体的な仕事内容についてはあまり知られていません。

この仕事に就く場合、以下の仕事内容についてよく理解し、必要な実務経験を積むことなどが必須となります。ここでは、この職業の仕事内容を含めた概要について見ていきましょう。

検査作業|標本作製・がん細胞などのスクリーニング

細胞検査士が携わるおもな仕事のひとつが検査作業です。この検査作業では、最初に標本作製という作業をおこなう必要があります。

ここで細胞検査士は、塗抹・固定・染色・封入などの検体処理という作業をしながら、標本を作成。完成した標本に対してはスクリーニングという検査作業がおこなわれ、ここでがん細胞や異型細胞を探します。

細胞の観察と報告書の作成

標本からがん細胞や異型細胞を発見するためには、顕微鏡を使用した観察作業をおこなう必要があります。この作業もまた細胞検査士が担う仕事のひとつで、とりわけこの作業には微小な異常も察知するための高い注意力が必要です。

また、観察によって得た結果は報告書に記載する必要があり、その作成も細胞検査士の主要な仕事のひとつとなります。

活躍の場は多い|大学病院・がん検診センターなど

細胞検査士が活躍している場所は、がん細胞や異型細胞などを発見するための検査をおこなっている施設が多いです。具体的には大学病院をはじめとした大型の病院やがん検診センターが該当し、実際にこれらの施設では多くの細胞検査士が日々の業務にいそしんでいます。

また、細胞の検査はこれら以外の医療系施設でもおこなわれており、就職・転職先も多い傾向があります。

リジョブケアの求人情報はこちら:https://relax-job.com/kaigo

細胞検査士になるにはどうすればいいの?


細胞検査士になるためには、必要な実務経験を積んだうえで必須となる資格を取得する必要があります。

その方法を日本臨床学会の「第54回細胞検査士資格認定試験実施要領(2021年度)」にもとづいて解説していきます。

細胞検査士資格認定試験に合格する必要がある

基本的に細胞検査士として働くには、まずは認定試験を受け、その後合格しなければなりません。この試験は「公益社団法人 日本臨床細胞学会」が主催しているもので、毎年10月から12月にかけて第一次試験と第二次試験が実施されています。

細胞検査士を目指す場合、まずはこの試験に合格することを最初の目標とするとよいでしょう。

認定試験の受験資格とは? 3つのルートを紹介

この資格の認定試験は誰もが受けられるわけではなく、受験資格を満たした人しか受験できません。

受験資格を満たすためのルートは3つにわかれており、自身の経験や専門知識・技術の有無をもとに、最適なルートがどれであるかを判断する必要があります。

1. 臨床検査技師または衛生検査技師の資格取得+細胞診検査実務に1年以上従事

受験資格取得ルートのひとつに、「臨床検査技師または衛生検査技師の資格取得後、2021年12月3日までに主として細胞診検査実務に1年以上従事した者」があります。

これは第54回試験でも定義されているもので、このルートで受験資格を満たす場合、細胞検査実務に1年以上従事できる施設などを探さなければなりません。

2. 臨床検査技師または衛生検査技師の資格を所有+細胞診技術者養成機関卒業見込み・卒業者

細胞検査士資格認定試験の受験資格取得ルートには、臨床検査技師もしくは衛生検査技師の資格を所有していることに加え、細胞診技術者養成機関を卒業(卒業見込みも含む)というものもあります。このルートにおける第54回試験の該当養成機関は、以下のとおりです。

・財団法人癌研究会有明病院付設細胞検査士養成所
・大阪府立成人病センター内細胞検査士養成講習
・東京都がん検診センター細胞検査士養成所
などを含む12の養成機関

くわしい情報は、日本臨床細胞学会のホームページを参考にしてください。

また、受験時にはこれらの養成機関を卒業したこと、もしくは卒業見込みであることを証明する書類が必要です。

3. 4年制大学ルート|細胞検査士養成課程修了者など

この試験は、4年制大学を卒業することでも受験資格を満たせます。具体的な定義は以下のとおりです。

4年制大学で以下に挙げる日本臨床細胞学会が認定した細胞検査士養成課程修了者であり、大学卒業見込み者または卒業者。もしくは該当する課程の修了者であり、臨床検査技師か衛生検査技師いずれかの資格を取得した者です。

なお、第54回試験での養成課程は以下のようになっていました。

・杏林大学保健学部細胞検査士養成課程
・北里大学医療衛生学部細胞検査士コース
・山口大学医学部保健学科細胞検査士養成課程
などを含む14の養成課程

こちらも、くわしい情報は日本臨床細胞学会のホームページを参考にしてください。

また、こちらに関しても卒業もしくは卒業見込みであることを証明する書類の提出する必要があることを覚えておきましょう。

合格率はどれくらいなの?

細胞検査士資格認定試験の合格率は、第一次試験、第二次試験がありますが、どちらも合格率はともにおよそ50%となっています。第二次試験に関しては第一次試験の合格者のみが受験できるものなので、全体の合格率は25%程度と考えるとよいでしょう。

ただし、第一次試験の合格資格には1年間の有効期限が設けられているのが特徴です。そのため、その年の第二次試験に不合格となってしまっても、翌年同じ試験を受験するときには第一次試験が免除されます。

細胞診技術者養成機関・課程の一例を紹介!


上述したように受験資格を満たすためのルートのうち2と3に関しては、数多くの養成機関・養成課程がその対象として認定を受けています。ここでは、その一例を挙げ、詳細を見ていきましょう。

杏林大学|保健学部 臨床検査技術学科 細胞検査士養成課程

医療系施設が充実していることなどでも知られる杏林大学。保健学部の臨床検査技術学科 細胞検査士養成課程が細胞検査士資格認定試験の受験資格を満たすための養成機関・養成課程に認定されています。

4年制の同課程では医学について幅広く学べるだけでなく、実験や実習を通じて実務経験を積むことも可能です。そのため資格の取得だけでなく、就職後も見据えたキャリアの形成ができます。
また、細胞検査士養成課程に関しては婦人科細胞や呼吸器細胞など、より専門的な診断学について学ぶことも可能です。

細胞検査士は専門化した臨床検査技師|自分に合ったルートで受験資格を取得しよう


細胞検査士はがん細胞をはじめとした細胞の異常を発見し、すぐに治療へとつなげるうえで欠かすことのできない存在です。また、その活躍の場は多岐にわたり、その認定資格は就職や転職を見据えて取得する資格としても適します。

資格取得のためには、今回ご紹介した3つのルートのいずれかで受験資格を目指さなければなりません。まずは自分にとって最適なルートがどれなのかをよく考えてみるとよいでしょう。

引用元サイト
職業情報提供サイト(日本版O-NET) 細胞検査士
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/162
細胞検査士会 細胞検査士って何?
http://www.ctjsc.com/ct/whatCT.htm#nani
日本臨床細胞学会 細胞検査士とは
http://jscc.or.jp/others/others2/
臨床細胞学研究室 細胞検査士とは
https://www.kitasato-u.ac.jp/ahs/ml/clincyto/newpage4.html
日本臨床細胞学会 細胞検査士になるには
http://jscc.or.jp/others/others3/
日本臨床細胞学会 第54回細胞検査士資格認定試験実施要領(2021年度)
http://jscc.or.jp/exam/54ct-youryou/
杏林大学
https://www.kyorin-u.ac.jp
杏林大学 カリキュラム
https://www.kyorin-u.ac.jp/univ/faculty/health/rinken/curriculum/
杏林大学 【臨床検査技術学科 履修モデル】細胞検査士を希望する学生の履修例
https://www.kyorin-u.ac.jp/univ/faculty/health/rinken/curriculum/model/pdf/model_ms.pdf

この記事をシェアする

編集部のおすすめ

関連記事