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特集・コラム 2021-08-25

地域活動支援センターとは? 機能強化事業の違いについて解説!

社会福祉士や精神保健福祉士の仕事場のひとつに、地域活動支援センターがあるのをご存知でしょうか。名前を聞いたことがあっても、どのような仕事をするのかなど、具体的な内容についてはよく知らない方もいらっしゃるかもしれません。

ここでは、就活サイトなどでの求人数も多い地域活動支援センターの目的や支援内容、機能強化事業の違いなどについてご紹介します。就活などの際の参考にしてみてくださいね。

地域活動支援センターとは? 目的や支援内容を解説

地域活動支援センターとは、そもそもどのような事業をおこなっているのでしょうか。ここでは、その目的や支援内容などについてご紹介します。

地域活動支援事業とは|障がい者の自立した日常生活・社会生活をサポート

地域活動支援事業とは、身体・精神・知的などに障がいを持つ障がい者や障がい児が自立した日常生活や社会生活を送ることができるようにサポートする事業のことです。利用者やその地域の実情に応じて、さまざまな形態の支援をおこないます。

障がいがあってもなくても互いに尊重し合い、すべての国民が安心して暮らせるような地域社会であることを目的としているのです。

地域活動支援センターとは|創作的活動や生産活動の機会を提供する

地域活動支援センターは、地域に暮らしている障がい者や障がい児が利用するために通う施設のことです。障がいを持っている方は、積極的に活動することがむずかしい場合もあり、地域で孤立しがちになってしまうこともあります。

地域活動支援センターは、そのような方たちの昼間の居場所や生きがいづくりのために、創作的活動や生産活動の機会などを提供しているのです。また、生活するうえでのさまざまな相談に乗って、地域社会とのつながりを持てるようにサポートするのが役目でもあります。

どんな支援をおこなうの?|バザー・環境美化活動など

地域活動支援センターは地域の障がい者や障がい児のための施設ですが、具体的にはどのような支援をおこなっているのでしょうか。ここでは、事業所や自治体によってさまざまな支援をおこなっている具体的な例についてご紹介します。

・創作的活動や生産活動の機会を提供
創作的活動や生産活動の機会を提供するのは、地域活動支援センターの「基礎的事業」の部分です。それに加えて、三つの類型ごとに異なる「機能強化事業」をおこないます。

創作的活動や生産活動の具体例としては、手工芸品を制作して、それをバザーなどで販売したり、書道や絵画の作品を制作したりするなどです。園芸や農作業、音楽や折り紙などをしたりすることもあります。

ほかには、料理講座やパソコン教室、SST(生活技能訓練)や就労セミナーなどの開催やレクリエーションとして、カラオケやボーリング、季節のイベントなどをおこなうことも。地域活動支援センターごとに活動内容は異なり、さまざまな活動がおこなわれているのです。

・日常生活の相談や支援
障がいをもっている方が日時的な家事や仕事、住宅などで困っていることがある際に相談に乗ったり、問題を解決したり、公的制度を利用するための手続きのサポートをおこないます。

・地域交流
公園の掃除などの環境美化活動をおこなったり、地域の行事へ参加したりします。講演会や研修などを開催することもあるのが特徴です。

・情報提供
住宅や就職、アルバイトや公共サービスなどについて、知りたい情報を提供します。

どこが違うの? 機能強化事業の違いについて解説

地域活動支援センターの事業には、基礎的事業と機能強化事業があり、基礎的事業は利用者のために創作的活動や生産活動の機会を提供することです。

一方、機能強化事業は、それぞれの地域活動支援センターが基礎的事業に加えておこなうもので、地域活動支援センターの機能をさらに充実させるための事業となっています。

地域活動支援センターにはⅠ型・Ⅱ型・Ⅲ型の三つがあり、基礎的事業はすべてに共通しますが、機能強化事業の内容が異なるのが特徴です。ここでは、その三つの違いについて見ていきましょう。

Ⅰ型|精神保健福祉士・社会福祉士などの専門職の配置が必要

Ⅰ型の事業の内容は、医療や福祉、地域社会とのつながりを強化するための調整をおこなうことです。地域の方々がボランティアに参加しやすいよう、精神保健講座などを開催してボランティア育成に努めたり、障がいに対する理解を深めるための活動をおこなったりします。

社会福祉士や精神保健福祉士などの資格を持っている専門職員の配置が義務づけられているので、それらの資格を持っている方には、こちらのⅠ型がおすすめです。

職員配置と利用者数

基礎的事業の職員配置が前提とされており、Ⅰ型・Ⅱ型・Ⅲ型のすべてにおいて、基礎的事業の職員配置が定められています。それに加えた人数が、機能強化事業の人数です。基礎的事業には2名以上の職員を配置して、そのうち1名は専任で業務をおこないます。

・Ⅰ型の職員配置(基礎的事業の職員配置と合わせて3名以上)
Ⅰ型は上述したように、社会福祉士や精神保健福祉士などの資格を持っている専門職員を配置しなければなりません。基礎的事業において配置される職員(2名以上)のほかに1名以上を配置して、そのうち2名以上が常勤として働く必要があります。

・Ⅰ型の利用者数
1日あたりの実利用者数が、20名以上であることが定められています。

Ⅱ型|地域の雇用・就労が困難な在宅障がい者が対象

Ⅱ型は、地域に住んでいる障がい者で雇用や就労の難しい方に対して、機能訓練や社会適応訓練、入浴などの生活支援のサービスをおこないます。

職員配置と利用者数

・Ⅱ型の職員配置(基礎的事業の職員配置と合わせて3名以上)
基礎的事業において配置される職員(2名以上)に加えて、1名以上の職員を配置して、そのうち1名が常勤しなければなりません。

・Ⅱ型の利用者数
1日あたりの実利用者数が、15名以上であることが定められています。

Ⅲ型|通所による援護事業の実績が5年以上

Ⅲ型は、地域の障がい者団体などが実施する通所による援護事業の実績が、おおむね5年以上あることが求められます。これは、過去に無許可作業所(小規模作業所、共同作業所)と呼ばれた作業所が、この類型として引き続き運営しやすいように設定されました。

さらに、自立支援給付にもとづく事業者に併設されていることも条件です。事業の内容についてはⅡ型と同様で、下述する職員配置と利用者数が異なります。

職員配置と利用者数

・Ⅲ型の職員配置(基礎的事業の職員配置と合わせて2名以上)
基礎的事業において配置される職員(2名以上)のうち、1名以上を常勤とします。

・Ⅲ型の利用者数
1日あたりの実利用者数が、10名以上であることが定められています。

地域活動支援センターは地域で障がい者の方を支える施設

地域活動支援センターは、障がい者や障がい児の方を支えるための大切な施設です。障がいを持つ方は地域のなかで孤立しがちになることもあるので、地域社会とのつながりを保ち、日常生活のサポートや相談窓口になるなど、さまざまな支援をしていきます。

地域活動支援センターはⅠ型の場合、社会福祉士や精神保健福祉士などの資格を持つ専門職員が必要です。そのため、上記のような資格を持っているのであれば、おすすめの仕事といえます。自分の資格を活かす仕事をしたいとお考えなのであれば、地域活動支援センターへの就職・転職を検討してみてはいかがでしょうか。

引用元:
厚生労働省 地域生活支援事業
厚生労働省 地域活動支援センターの概要
厚生労働省 地域生活支援事業の実施事例(平成18年度)
厚生労働省 地域活動支援センター事業

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