ヘルスケア&介護・看護・リハビリ業界の応援メディア
ヘルスケア 2020-11-02

【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.13】ランニングコーチ&セラピスト 高岡尚司さんの手技・技術をレクチャー

ヘルスケア業界のさまざまな職種にフォーカスし、その道で働くプロにお仕事の魅力や経 験談を語っていただく『もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事』の企画。

今回は、「ランニングコーチ」「セラピスト」として主に活躍されている高岡尚司さんをピックアップ。これまでは、高岡さんがこの道を目指されたきっかけや、ランニングコーチ・セラピストのお仕事の魅力を語っていただきました。今回は、高岡さんが発信しているランニングメソッドと、自宅で手軽にできるストレッチを教えていただきました。

「裸足」で走ることで、正しい走り方を体に教え込ませています

―高岡さんが教えているランニングメソッドを教えてください。

ときには、裸足や裸足感覚で走れる足袋のようなシューズを用いて走ることの大切さを「ゼロベースランニング」と称して発信しています。ゼロベースのゼロは、走り方次第でプラスにもマイナスにも変わる「真ん中」を意味していて、「シューズがないと走れない」という一つの先入観を取り払って走るという意味も込めています。

最近の靴はクッションが厚めに作られている傾向にあるので、仮に雑な走り方をしたとしてもある程度は平気なんですが、これを履いて走り続けると、足の筋肉が弱まる原因につながるだけでなく、ダメージを最小限にする走り方を覚えることが難しくなってしまうんです。けれど「裸足」は雑に走ると着地することができないので、正しい走り方の「しつけ」と、痛みの原因をつきとめる方法としてぴったりな走法なんです。実際に、僕のレッスンでも裸足でのワークアウトを取り入れています。

相手と同じ目線に立って接することをつねに意識しています

―高岡さんがレッスン時にとくに重要視していることを教えてください。

まずは、お客様・生徒さんの話をたくさん聞くようにしています。僕等の仕事は職人のような部分もあるので、つい自分の価値観を押しつけてしまいがちなのですが、僕はそうならないようにお客様が悩んでいることをしっかりヒアリングし、なるべく専門用語などは使わずに、その人と同じ目線で話をすることを意識しています。

―高岡さんは YouTubeも積極的に活用されていらっしゃいますが、動画を発信する際のポイントを教えてください。

YouTubeを見ている人の特性を把握するようにしています。僕は専門的な内容の動画と、エンターテインメント性を意識した動画の2パターンを使い分けています。専門的な内容の動画は視聴回数こそ伸びないのですが、教科書的な意味合いで活用するために発信しています。一方で、情報発信やたくさんの人に見てもらいたいときには、エンターテインメントの要素を盛り込んだ動画にするようにしています。

高岡さんが伝授! お腹を伸ばすストレッチ

効率的な走り方を身につけるためには、正しい姿勢が大切です。けれど、お腹が固まっていると前傾姿勢になりやすくなり、正しい姿勢をとることが難しくなります。また、前傾姿勢を改善するために無理に胸を張ると、腰に負担をかける原因にもつながります。そこで行なっていただきたいのが、正しい姿勢がとれる体へと近づけるための「お腹を伸ばすストレッチ」。早速やり方をご紹介します。
みぞおちの部分を指で押しながら深呼吸を繰り返します。日頃から習慣として行うと、より効果を感じやすくなります。

また、お腹まわりはイライラしたときにストレスを受けやすい場所でもあるので、ストレッチを行うことで気持ちを緩和する効果も得られます。
デスクワーク中などは、ペットボトルなどを使って座り姿勢のままお腹をほぐしてもOK。

ストレッチのポイント

背中が丸まった状態(写真左)で行なうのはNG。しっかり胸を張った状態(写真右)で行ないましょう。

「お腹を伸ばすストレッチ」を行なった後に!胸椎を前に伸ばす「胴伸ばし」

1.両手のひらとひざ下を腰幅に開き、床につけます。
2.1の状態から前ももを床につけ、お腹を伸ばしていきます。腰を伸ばすのではなく、お腹を伸ばすことを意識すると、みぞおちの裏(背中の真ん中あたり)に緊張感を感じられます。顔を正面に向け、ゆっくり深呼吸を10回程度行います。これを3セット繰り返しましょう。

ストレッチのポイント

腰に痛みを感じる方は、1の状態から肘を90度に曲げ、顔を正面に向けてもOKです。

お尻の筋力アップにも効果的!「カベスクワット」

1.両足の指先が外側になるように足を開き、体をできるだけ壁に近づけます。
2.1の状態から、できるところまでお尻を下げていきます。深呼吸を5回繰り返し、ゆっくり1の状態に戻していきます。これを10回3セット程度行いましょう。

スクワットのポイント
膝が中に入った状態でスクワットを行うと、膝や足首を痛める原因につながります。できるだけ膝は外に開き、膝とつま先が同じ向きになっていることを意識しながら行ないましょう。さらに、小指が浮かないようにするのもポイント。親指側に体重が乗ってしまうと太ももに力が入ってしまうので、小指側に体重を乗せることを意識してお尻に力が入るようにしましょう。

継続して行うことで、日々のランニングがより充実したものになりそうですね! おこもり期間による運動不足解消にもぴったりなストレッチなので、お家での空き時間にも是非行ってみてください。

▽#1はこちら▽
【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.13】ランニングコーチ&セラピスト 高岡尚司さんがこの道を目指したきっかけgt;>

取材・文/小沼奈央(レ・キャトル)
撮影/石原麻理絵 (fort)

教えてくれたのは…

ランニングコーチ、セラピスト 高岡尚司さん

ランニングコーチとして一般ランナーへのコーチングを行いながら、熊本国府高校陸上部のコーチも担当。鍼灸マッサージセラピストとしても活躍し、治療院の運営も行う。2021年1月には、ランナー向けに特化したフィットネスジムを神奈川県平塚市にオープン予定。

Store Data

ゼロベースランニングラボラトリー

URL:https://www.zerobaserunning.jp

この記事をシェアする

編集部のおすすめ

関連記事