【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.14】ヨガインストラクター 鈴木伸枝さんがこの道を目指したきっかけ
ヘルスケア業界のさまざまな職種にフォーカスし、その道で働くプロにお仕事の魅力や経 験談を語っていただく『もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事』の企画。
今回はフリーのヨガインストラクターとしてオンライン、パーソナルでのレクチャーを中心に行っている鈴木伸枝さんにインタビュー。鈴木さんがこの道を目指したきっかけと、現在に至るまでの経緯を教えていただきました。
教えてくれたのは…
ヨガインストラクター 鈴木伸枝さん
プロのダブルダッチパフォーマーとして活躍後、ヨガインストラクター養成コースの講師に転身。1,000名以上のヨガインストラクターを輩出し、カリキュラムの立ち上げにも携わる。約6年間講師を勤めた後、フリーのヨガインストラクターとして活動をスタート。北参道のパーソナルヨガスタジオ『nobuestyle』で、自分自身で心身をベストなコンディションへと導く「自己調整力を引き出すヨガ」をレクチャー。そのほかにも日本各地で行われるヨガイベントへの出演、ヨガ専門誌を始めとするメディアの監修も務めるなど、活動は多岐に渡る。
会社員になりたいという思いから「ヨガインストラクター」の仕事に興味を持つように
―始めに、鈴木さんがヨガインストラクターを志したきっかけを教えてください。
元々はフリーランスでパフォーマンスの仕事をしていたのですが、「好き」を仕事にしていただけに自分の中でのこだわりも多く、いろんな人と意見がぶつかることがよくありました。ならば、これからは「好き」と「仕事」を分け、仕事は仕事と割り切ろうと思い、新たな道に進むことに決めました。加えて、私は体育大学を卒業してすぐにフリーのパフォーマーになったので「会社員」としての経験がなかったことが気がかりでもあったんです。人生経験の一つとして自分も会社員の経験を積んでおきたいと思っていたので、次の仕事はフリーランスではなく、会社員になろうと決めました。
そこから就活を始めたものの、自由人気質の私は、すぐに就活独特の雰囲気に嫌気がさしてしまい(笑)、専門職に目を向けるように。資格の本を読み漁って自分に適した仕事を探している中で、元々体を動かすことが好きだった性分と、体育大学を卒業している経歴、パフォーマーとして人前に立っていた経験を活かせる点から「ヨガインストラクター」の仕事が目に留まりました。そこからすぐにヨガインストラクターの資格が取れる養成学校に通い始め、その学校の先生にも「私はフリーランスになるのではなくて就職がしたい」と話をしていたことで、ありがたいことに通っていた養成学校から講師のお誘いをいただけ、社員としてヨガインストラクターを育てる立場になりました。
忙しい毎日もヨガによって救われました
―実際に養成学校で勤めてみて、どうでしたか?
いきなりヨガインストラクターを育てるという場に入ってしまったので、入社して3年ぐらいは眠る時間がほとんど取れないぐらい大変でした。けれど、毎日クラスが何本もあるという恵まれた環境ではあったので、講義をもつ数や生徒さんを見る数も圧倒的に多く、たくさんの経験と、人を見る力を養うことができたと感じています。それこそ、私が1年で習得したスキルと経験値は、当時のフリーヨガインストラクター1年目の人に勝るものだったと思います。
―目まぐるしいほど多忙な毎日でヨガを嫌いになることはなかったんですか?
まずは自分自身がヨガをきちんと理解していないと講師を育てることはできないので、勉強と実践を重ねることに必死ではありました。ですが、そんな中でもヨガによって自分の調子が整っていくのを心身ともに感じられていたので、ヨガを嫌いになることは不思議となかったです。むしろ、目の前で教えている生徒さんがヨガによってどんどんよい方向に変化していくのを目の当たりにしていたので「ここまで自分も生徒さんも変えてくれるヨガってすごいものなのかも!?」と、ヨガの効果に驚く毎日でした。
たくさんの応援のおかげで、どんなときも諦めずに頑張ってよかったと思えました
―講師として働かれた後、フリーに踏み切ったきっかけを教えてください。
私は養成学校の講師を6年間勤めた後にフリーのインストラクターになることを決めました。これまでも徐々に「フリーに挑戦してみたい」という思いを抱き始めてはいたのですが、覚悟がなかなか決まらず、気づいたら管理職としてカリキュラムを考えたりする立場になっていました。そしてあるとき、一週間の有給をとって、自分がこの先やっていきたいことを考える時間を作ったときに、私は会社員として多くの人に何かを提供し続けるよりも、小さいことでもいいから自分の手で何かを成し遂げていきたいんだと気づきました。けれど管理職の立場である私が、会社で自分のやりたいことを実現することは難しかったので、フリーのインストラクターとして活動することを決めました。
―フリーになられた後、どのようにして幅広く活躍されている現在に至ったのですか?
まず、SNSを活用して自分をPRしていきました。そのほかにも雑誌の監修をさせていただいたり、いろんな方とのご縁の中でさまざまなメディアに出させていただいたりして認知度を広めていきました。私の場合は、業界内である程度認知していただいている段階でフリーに転身したので、ありがたいことに退社してからもさまざまなお仕事のご縁をいただくことができました。
加えて、退社するほぼ同時のタイミングで、パフォーマンスとして活動していたときにお世話になった方から「独立するのであれば何かサポートをさせてもらえないか」とお声をかけていただき、事務所に所属することが決まったんです。お仕事の企画、集客に関しては他のフリーランスの方たちと変わらず自分で行っていますが、スタジオ設立の手助けや、私のやりたいことに対してのバックアップをしていただいています。
―鈴木さんの出社から退社までの一日のタイムスケジュールを教えてください。
平日通常時のタイムスケジュールです。毎朝インスタライブでのヨガ配信からスタートし、1日3回程度レッスンを行っています。
「会社員になりたい」という思いからヨガインストラクターのお仕事に出会った鈴木さん。多くの人を惹きつける人柄が、インタビューをさせていただきながらも伝わってきました! 次回は、ヨガインストラクターとして活動するために大切なことや、これから同じ道を目指す人たちへのアドバイスをお聞きします。
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【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.14】ヨガインストラクター 鈴木伸枝さんが語る「ヨガインストラクターとして大切なこと」>>
取材・文/小沼奈央(レ・キャトル)
撮影/岩田 慶(fort)