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ヘルスケア 2020-12-02

【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.15】『JUMP OUT』堤由輔さんがスポーツトレーナーになったきっかけとは

ヘルスケア業界のさまざまな職種にフォーカスし、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく『もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事』企画。

今回は、フリーランスのスポーツトレーナーとして活動し、『脳から見る整体』をテーマにした整体院「JUMP OUT」を運営している堤由輔さんにインタビュー。スポーツトレーナーを目指したきっかけや、現在に至るまでの経緯をお聞きしました。

教えてくれたのは…

スポーツトレーナー 堤由輔さん

「カラダファクトリー」などを運営する株式会社ファクトリージャパングループに11年在籍。整体師として働くかたわら、会社初のスポーツトレーナーとしても活動を開始し、多くのスポーツチームやアスリートをサポートする。2016年に独立。現在、虎ノ門に「脳バランス整体院 JUMP OUT」を立ち上げ、アスリートから一般、子供まで幅広い身体のサポートを行っている。YouTube(スポーツトレーナーつつみのカラダ向上チャンネル)での動画配信やオンラインサロンでの情報発信、「カラダファクトリー 二子玉川店」運営など、幅広く活動中。

「好きなことを仕事に」。見つけたスポーツトレーナーという道

―はじめに、堤さんがスポーツトレーナーを目指したきっかけを教えてください。

高校生で進路を考える時期に、「好きなことを仕事にしたい。じゃあ僕の好きなことってなんだろう?」と考えて、スポーツが好きだから関われる仕事ってないかなと調べたんです。いろいろ調べるなかで、スポーツトレーナーという仕事を知って。サッカーの試合で選手が倒れたりすると、走ってきてチェックする人がいるじゃないですか。僕はサッカー部だったので、「あ、あれがトレーナーか」って。調べたなかで一番ピンときて、おもしろそうだと思ったんですよね。

―スポーツトレーナーというと、いろいろな働き方があると思いますが、堤さんが最初にイメージしたスポーツトレーナーは、チームにつくタイプの?

そうです。それしか知らなかったというか(笑)。

僕が高校生のころは、今みたいにたくさん、スポーツトレーナーになれる学部やコースがなかったんですよね。なので、「アスレティックトレーナー」の資格が取れる専門学校に行きました。アスレティックトレーナーというのは、チームに就いて選手の怪我のリハビリをして競技復帰をさせていったり、救命措置から怪我の応急処置をしたり、怪我の予防をするためのコンディショニングなど全般的なメディカルケアができる資格ですね。

―資格取得後は、整体の会社に入られたんですね。

就職はスポーツトレーナーの会社に内定をもらっていたんですが、入社直前になぜか連絡がつかなくなっちゃって(笑)。仕方ないからアルバイトをしようと思って、勉強したことも活かせるかなと、カラダファクトリーに入ったんです。

でも、やっぱりスポーツトレーナーの仕事がしたくて…。「トレーナーがしたいから辞めます」って当時の上司に言ったら、「それなら作ってやるよ」って会社内にスポーツトレーナーの事業部を作ってくれたんです。それで、社会人のアメフトチームにスポーツトレーナーとして行けることになって、その後も女子レスリングの日本代表の合宿に参加させてもらえたりして。「ここまでしてもらった恩返しをしたい」と思って社員になりました。そのころには、スポーツトレーナーの事業部も、ちゃんとかたちになってきていましたから。

社員になってすぐは店長として店舗運営に集中していたんですが、やっぱりトレーナーの仕事が好きなので、また活動を再開して。それからは、ビーチバレー選手やボクシング世界チャンピオンなど、個人の選手に帯同するかたちにシフトしていきました。

よりパーソナルで深いサポートを追求するため独立

―独立された理由は?

キャリアアップして事業部長になり、トレーナーの仕事と併行してマネジメント業務もしていたんですが、会社としてはマネジメントに専念して欲しいと。でも、僕はもう少しスポーツトレーナーを極めてみたいと思っていました。トレーナーの事業部も落ち着いたし、僕が会社でできる仕事はやり切れたかなと思ったので、独立することにしたんです。

―独立後は、どんなかたちでお仕事を?

独立してすぐは、友人が開いていたジムを時間で借りて、そこで施術をしていましたね。個人の選手に帯同して、いろんな国に行ったりもしました。2年くらいで、虎ノ門に現在のオフィスを開いて、それからは店舗での施術をメインに、チームに行ってケアをしたり、企業に研修をしに行ったりしています。

―会社所属当初のようにチームに就くというよりは、個人のケアをすることが多いんですね。

そうですね。いろいろ経験してみて、そちらのほうが僕の性に合っていると感じたんです。

チームでの仕事だと、全員を見ないといけないので、ひとりに時間をかけられないんですよね。あと、スポーツの現場にいると、脱臼や、流血や脳震盪で意識不明とか、そういう重めの怪我の対応もしなくてはならないんですが、僕はそれが結構怖くて、苦手でした。

今後チームのトレーナーをする! というのを目指している子達は、そういう重い怪我の対応もするんだという覚悟をもってやり始めると良いかと思います。

僕の場合は、試合が終わった後など虎ノ門のオフィスで体をじっくりケアしたり、怪我のリハビリをしたり、個人の選手の大会に帯同してケアしたりします。ヘッドトレーナーは別にいて慢性症状をケアするスペシャリスト的なポジションで関わったりするほうが、集中して取り組めるので良いなと。

―堤さんの一日のタイムスケジュールを教えてください。

コロナ流行後は、スポーツチームの活動もなかったので、お店にいることが多かったです。

―会社名の由来は?

「JUMP OUT」は、英語で「飛び出す」という意味。スポーツトレーナーという仕事をとおして、世界に飛び出していく日本人を増やしたい、世界に飛び出している人をサポートしたいという気持ちを込めました。日本人のスポーツトレーナーって、絶対世界で活躍できると思うんです。だからまずは、日本のなかでも、スポーツトレーナーっていう職業を広めていきたいと思っています。

新型コロナウイルス流行後は、スポーツ業界の自粛により活動が制限されたという堤さん。そんな状況のなかでも、自身の経験と知識を多くの人の体向上に役立てるため、YouTubeチャンネルを開設したそう。「スポーツトレーナーという職業を広めたい」、「スポーツトレーナーを目指す人の道すじを作りたい」という想いを語ってくださいました。

次回は、堤さんがお仕事をするうえで大切にしていること、これからスポーツトレーナーを目指す人たちへのアドバイスをお伺いします。

▽#2はこちら▽
【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.15】JUMP OUT 堤由輔さんが考えるスポーツトレーナーの魅力>>

取材・文/山本二季
撮影/高嶋佳代

Studio Data

JUMP OUT

住所:東京都港区西新橋2-13-14 パーク虎ノ門ビル2F

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