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介護・看護・リハビリ 2019-08-24

介護福祉士のキャリアパスを考える|認定福祉士になるには何が必要なの?

2012年、介護資格のキャリアパス制度が導入されました。これにより、それぞれの資格がどの段階にあたるのかがわかりやすくなりました。介護の資格はいくつかありますが、キャリアアップを目指す方におすすめの資格として、キャリアパスの最上位にあたる「認定介護福祉士」があります。

この記事では、まずキャリアパス制度についてご説明し、さらにキャリアパスの上位資格である認定介護福祉士に必要な要件についてお話ししていきます。

介護福祉士のキャリアパスとは? キャリア制度はナゼ必要なの?

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まずは、介護業界でキャリア制度がなぜ必要なのか、どうして導入されることになったのかについて、これからお話ししていきます。

ポイント解説! 介護業界にキャリアパス制度が導入された理由

2012年に導入されたキャリア制度は、さまざまな職種で導入され、介護業界にも導入されています。いくつかの目的はありますが、介護業界での一番の導入目的は「介護職員の処遇を改善すること」です。

その内容は内閣府が発行しているパンフレットに、詳細に記されています。
https://www.mhlw.go.jp/

人材確保と定着を図るため

介護業界はほかの業界と比べると離職率が高く、ほかの業種に転職してしまう方も多い傾向にあります。介護職の離職原因のひとつになっている「低賃金」も問題視していて、必要な人材をしっかりと確保し、定着させることで職場環境や賃金の改善を目指したのです。

キャリアアップをしやすく・分かりやすくするため

キャリアパスは、人材を育成することも目的のひとつです。その人の持つ能力や資格をどの施設でも同一基準で評価できるよう、4段階のレベルに分け、自分がどのレベルにいるのかがわかりやすくなりました。やりがいやキャリアアップへの意欲が高い人にとっては、より高いレベルのスキルを身につける指針にもなったのです。

介護福祉士はキャリア制度のどの段階?|キャリアは4段階+アルファ

介護の資格で上位に入る福祉士ですが、キャリア制度においてどの段階にあたるか気になる方は多いでしょう。ここからはそれぞれの介護資格がキャリア制度ではどの段階にあたるのか、説明していきます。

①介護職員初任者研修

介護職員初任者研修は、未経験者や無資格の方が最初に受ける研修です。キャリア制度では一番下のランクにあたり、研修は最短で1カ月、カリキュラムは130時間ほどで、知識がなくてもチャレンジが可能です。

②介護職員実務者研修

介護職員実務者研修はキャリアパスでは第二段階に当たり、未経験・無資格者でも受講可能です。450時間にわたるカリキュラムの受講が必要です。

ヘルパー2級資格保持者や介護職員初任者研修を修了している場合は、130時間のカリキュラムが免除されます。実務経験ルートで介護福祉士の国家試験を受ける場合は、実務者研修の修了が必須条件となっています。

③介護福祉士

介護福祉士はキャリア制度では第三段階の資格で、介護職の実務経験3年以上と実務者研修を修了していないと受験することができない国家資格です。さらに介護キャリアパスで最上位となる「認定介護福祉士」の資格を取得するために必要な資格になっています。

④認定介護福祉士

認定介護福祉士は介護におけるキャリアパスでは最上位の資格です。「一般社団法人 認定介護福祉士認証・認定機構」が認証・認定することで、2015年から取得できる民間の資格となっています。

介護福祉士のリーダーのような立ち位置で、介護職員に対してサービス面や介護などさまざまな指導をします。実務経験5年以上、介護福祉士の資格を取得していることと、認定介護福祉士の養成研修を修了する必要があります。

ケアマネージャー

介護福祉士の資格を取得することで、ケアマネージャーの資格を取得することも可能になります。ケアマネージャーは利用者に対するケアプランの作成がメインです。資格を取得して介護福祉士とケアマネージャーを兼務すれば、給与アップも見込めます。

認定介護福祉士とは? なるには何が必要なの?

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認定介護福祉士の資格を得るためには、決められた条件をクリアしなければなりません。ここからは認定介護福祉士について詳しく解説していきます。

認定介護福祉士とは?

認定介護福祉士の仕事がどんなものなのか、いまいちわからないという方もいることでしょう。まずは認定介護福祉士とはどのような職業なのかについて説明していきます。

認定介護福祉士の役割とは?

認定介護福祉士は、介護職を取りまとめるリーダー的存在で、介護サービスの質を上げるために、医療機関やほかのサービスとの連携を強化し、地域でのケア推進や業務の効率化など幅広い役割を求められる仕事です。

どこで働けるの?

認定介護福祉士は、介護福祉施設はもちろん、病院でも勤務が可能です。また行政など地域の介護関係の仕事に就くこともできます。

認定介護福祉士になるためには何が必要?

ここからは認定介護福祉士の資格を取得するための要件などについてお話ししていきます。

認定介護福祉士養成研修を受講|受講要件とは?

認定介護福祉士になるためには、養成研修を受講しなければなりません。受講要件には、Ⅰ類とⅡ類のふたつがあります。

Ⅰ類の条件は、介護福祉士として5年以上の実務経験と、現認研修を受講し内省・学習を習得することです。さらに、介護職の小さなチームでのリーダー経験や住宅・居住施設敬のサービスでの生活支援経験を持つことが望ましいとされています。

Ⅱ類の条件は、Ⅰ類を終了し介護職の小規模チームでのリーダー実務経験があることです。なお、住宅・住居系のサービス両方での生活支援経験があるとよいです。

資格認定試験はあるの?

認定介護福祉士の資格取得には、特に試験はおこなわれません。要件を満たしたうえで養成研修を受講し、認証・認定機構に対して申請をします。申請を受けた認証・認定機構の独自の審査を通過することで、認定介護福祉士の「認定証」が発行されて認定介護福祉士として活躍することができます。

認定介護福祉士養成研修はどこで受けられるの? スクールはある?

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介護の資格を取得するためのスクールはさまざまなものがありますが、ここでは認定介護福祉士養成研修の受講が可能なスクールをご紹介します。

認定介護福祉士養成研修は介護福祉士会が開催

認定介護福祉士養成研修をおこなっているスクールは、2019年8月現在は残念ながらありません。研修をおこなっているのは、各都道府県にある介護福祉士会という関連機関です。参考までに2019年に京都府でおこなわれる研修会の情報をご紹介しましょう。

・主催:(公社)日本介護福祉士会・(一社)京都府介護福祉士会
・開催日時:9月2日、10月5・19日、11月2日(オプションで11月9日に介護技術の講習あり)
・会場:京都社会福祉会館3階・第3会議室、または第6会議室
・受講資格:介護福祉士を取得後で実務経験2年未満の初任者、または2年以上で今後障害研修を受講する予定者
・定員:20名
・受験料(テキスト代含):会員18,000円・非会員28,000円
・申し込み期限:2019年9月9日

研修内容は、認定介護福祉士概論といったものから、疾患や障害などがある方への生活支援の連携、リハビリテーション知識だけでなく、福祉用具と住環境に関することや心理療法、地域生活の継続と家族支援など、幅広い分野について学ぶことができます。

認定介護福祉士は介護福祉士のキャリアアップにおすすめ!

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認定介護福祉士は、介護業界のキャリアパスで最もランクの高い資格です。スクールは存在しないため、福祉協会のおこなう養成講習を受講して認定の審査をパスしなければなりません。

現場ではチームリーダー的存在で、サービスの質を向上させるだけでなく、関連機関との連携や、介護を受けている方とその家族との橋渡しなど、業務の幅はかなり広くなります。やりがいのある仕事なので、介護業界でキャリアアップを目指すのならおすすめの資格です。

出典元
・内閣府 キャリア介護段位制度 パンフレット
https://www.mhlw.go.jp/
・京都府介護福祉士会 研修会情報(今年度)
http://kaccw.jp/information/

参考元
・介護の資格最短net 実務者研修と初任者研修の違いを徹底解説!
https://www.acpa-main.org/jitsumusha/shoshinsha.html

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