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介護福祉士
特集・コラム 2019-08-26

介護福祉士は年齢に関係なく目指せる職業!どの年代が多い? 介護職員の年齢構成をチェック

介護福祉士を目指す方の中には、年齢が若いほうが合格しやすいと考えている方もいるのではないでしょうか。しかし、介護福祉士は年齢に関係なく取得できる国家資格です。子育てが一段落した主婦や、リタイア、セミリタイアした中高年が国家資格を取り、介護職に就くケースも少なくありません。

ここでは、これから資格取得を目指す方へ、介護福祉士の年齢構成について、また国家資格取得までのルートについてご説明します。

介護福祉士は年齢に関係なく目指せる仕事!

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介護福祉士になるには、国家試験を受けて資格を得なければなりませんが、試験を受けるのに年齢制限はありません。まずは、国家試験の受検資格、および国家試験を受験するためのルートについてご説明します。

国家試験の受検資格はどうすれば取得できるの?

介護福祉士資格取得するには4つのルートがあります。
1つ目は「実務経験ルート」で、すでに介護職員として3年以上働いている方に受験資格が付与されます。2つ目は「養成施設ルート」で、高校卒業後、大学や専門学校で学んだ後、国家試験を受験します。3つ目は「福祉系高校ルート」で、高校で福祉に関する専門的な知識を学んだ後、国家試験を受けることができます。4つ目は「経済連携協定(EPA)ルート」で、外国人が国家資格を得るためのルートです。それぞれ詳しくご説明します。

①実務経験ルート 3年以上の実務+実務者研修(旧ホームヘルパー1級)

3年以上の実務経験者は、「実務経験ルート」で受験することが可能です。従業期間3年(1,095日)以上、かつ従事日数540日以上の両方を満たしたうえで、各都道府県指定の事業者が実施する450時間の研修「実務者研修(旧ホームヘルパー1級)」を修了した方は、実技試験が免除されます。筆記試験を合格すれば介護福祉士の資格取得ができます。

実務3年以上の経験者で「介護職員基礎研修・喀痰吸引等研」を修了している場合も、「実務者研修」を修了した方と同じに実技試験は免除されます。これらの受験資格は、国籍、性別、年齢、学歴等の制約はありません。すでに介護職員として働いているのであれば、検討すべきルートです。

②養成施設ルート 大学や専門学校などで学ぶ

「養成施設ルート」とは、高等学校卒業後、介護福祉士養成施設(2年以上)した方、または福祉系大学や社会福祉士養成施設等、あるいは保育士養成施設等を卒業した方が介護福祉養成施設1年以上実務を経験すると、筆記試験の受験資格を得ることができるというものです。

令和3年度までに卒業する方は、筆記試験を受ける場合と受けない場合の2ルートがあります。筆記試験を受験する場合、合格なら介護福祉士資格取得となります。不合格や試験を受けなかった場合、『卒業後5年間は介護福祉士資格取得者と見なされる』経過措置が設けられ、5年以上の実務経験を得るか筆記試験合格で介護福祉士資格を取得できます。

なお、筆記試験を受けない場合は、筆記試験不合格者と同じルートで介護福祉士資格を得ることとなります。2022年度以降に卒業する場合は、筆記試験を受験し、合格すれば介護福祉士資格取得となります。

③福祉系高校ルート 福祉系高校で学ぶ

「福祉系高校ルート」とは、福祉系高校を卒業して受験するルートですが、入学年度によって3コースに分かれます。

1つ目は「新カリキュラム」を修了するコースで、2009年度以降の入学者は卒業後、筆記試験を受験し合格すれば介護福祉士資格取得となります。

2つ目は「特例高校等」で、2009年度以降の入学者が対象です。卒業後9カ月以上の実務経験を積み、「介護技術講習」修了後に筆記試験を受験するか、介護技術講習を受講せずに筆記試験を受験するかを選びます。最終的に筆記試験に合格すれば介護福祉士資格取得となります。

3つ目は「旧カリキュラム」で、2008年度以前入学者が対象です。カリキュラム修了後、「介護技術講習」を受講して筆記試験を受けるか、受講せずに筆記試験を受験するかを選びます。

④経済連携協定(EPA)ルート 外国人介護職員

「経済連携協定(EPA)ルート」とは、外国人(インドネシア、フィリピン、ベトナム)が日本の施設で勤務しながら研修を受けて介護福祉士の資格を得るルートです。

EPS介護福祉候補者は3年以上の実務経験を経て筆記試験を受験するか、もしくは実務経験を経て、「介護技術講習」または「実務者研修」を修了した後、筆記試験を受験します。

筆記試験合格すると、介護福祉士または実務者研修を修了した方は実務試験が免除されますが、修了していない方は実務試験を受験する必要があります。これらの試験に合格した後、介護福祉資格取得となります。

介護福祉の国家試験の概要

「介護福祉士国家試験」は介護福祉士資格を取得するための試験で、筆記・実務が年に各1回ずつ実施されています。実務試験は筆記試験合格者のみ受験可能で、介護等に関する専門技能が問われます。筆記試験は全部で13科目あり、試験範囲は以下の通りです。

【領域:人間と社会】人間の尊厳と自立/人間関係とコミュニケーション/社会の理解
【領域:介護】介護の基本/コミュニケーション技術/生活支援技術/介護過程
【領域:こころとからだのしくみ】発達と老化の理解/認知症の理解/障害の理解/こころとからだのしくみ
【領域:医療的ケア】医療的ケア
【総合問題】総合問題

合格率と難易度は?

2016年に開催された第28回国家試験では、受験者数152,573人のうち合格者は88,300人、合格率は57.9%でした。第29回の合格率は72.1%、第30回は70.8%、そして直近の第31回は73.7%と上昇しています。

なお、第31回の筆記合格基準では、72点以上(全125問:1問1点)、11科目群すべて最低1問は正解すること、とされています。実技の合格基準は46.67(最高100点)以上となっています。

誰もが簡単に合格できる試験ではありませんし、筆記試験ならびに実技試験の両方に合格しなければ国家資格を得ることは不可能です。それでもこれだけの高い合格率をたたき出しているということは、受験される方が真剣に試験に取り組んでいるからだと言えるでしょう。

介護職員の年齢構成をチェック!

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介護職員はどのような年齢構成となっているのでしょう。2014年に厚生労働省が発表した「介護人材と介護福祉士の在り方について」という資料をもとに、介護職員と訪問介護員の年齢構成を割合を調べてみました。

介護施設で働く介護職員の年齢構成

介護施設で働介護職員の年齢構成は20歳未満が1.2%、20〜29歳が19.0%、30〜39歳が24.0%、40〜49歳が22.4%、50〜59歳が19.7%、60歳以上が12.0%となっています。男女比では男性23.3%、女性73.0%と圧倒的の女性職員が多いことがうかがえます。
介護福祉士

訪問介護で働く介護職員の年齢構成

一方、訪問介護員の年齢構成は以下の通りです。20歳未満が0.2%、20〜29歳が4.3%、30〜39歳が11.6%、40〜49歳が22.9%、50〜59歳が27.5%、60歳以上が31.6%となっており、圧倒的に中高年層が多いことがわかります。
訪問介護

介護福祉士は年令に関係なく目指せる職業!

介護福祉士

少子高齢化社会のいま、わたしたちの社会には介護の問題が大きくのしかかっています。個人レベルで対応するのではなく、社会が一丸となって取り組むべき問題です。そのためにも、国家資格を得た、より多くの介護福祉士が必要とされています。

介護福祉士は国家資格を取得する必用がありますが、自分に合った取得ルートを選ぶことで、筆記試験・実技試験の合格率も高まります。介護福祉士は、これから高齢化社会を支えていく重要な職業であると同時に、年齢を問わず目指せる職業なのです。

出典元
・公益財団法人 社会福祉振興・試験センター 受験資格(資格取得ルート図)
http://www.sssc.or.jp/shakai/shikaku/route.html
・厚生労働省 介護人材と介護福祉士の在り方について
https://www.mhlw.go.jp/file/

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