児童指導員になるには大学や専門学校に行く必要があるの? 児童指導員を目指せるルートを解説!
放課後デイサービスや児童養護施設などで働いている児童指導員は、家庭や心身に問題を抱えた子どもたちの発育や発達を支えるための支援をおこなうやりがいのある仕事です。子どもたちの笑顔と成長のために、児童指導員として働けたらすてきですね。児童指導員になるためには、どのような要件が必要で、その要件を満たすためにはどのようなルートがあるのでしょうか。
児童指導員になるには大学や専門学校に行く必要があるの?
専門の大学や専門学校に通わないと児童指導員にはなれないと、あきらめている方もいるでしょう。今回は、児童指導員として働くための「児童指導員任用資格」について詳しく解説します。
児童指導員は厚生労働省が定めた任用資格!
児童指導員は、家庭環境や子ども自身の障害などといった理由で児童福祉施設や児童養護施設を利用している子どもの生活支援・指導、環境整備をおこなう仕事です。それぞれの子どもたちの家庭状況や成長発達をもとに個別支援計画をたて、その子に適した暮らしの場の選定や調整から18歳以降の進路の決定までをトータルにサポートをし、緊急支援にも対応します。
そのため、児童指導員には教育や医療、福祉に関する知識と、子どもの発育・発達・心理についての理解が求められるのです。そのため、児童指導員として働くためには厚生労働省の定めた「児童指導員任用資格」が必要とされています。
大学や専門学校経由は目指せるルートのひとつ
児童指導員になるのに必要な児童指導員任用資格には、大学や専門学校で取得するルートと2年以上の実務経験を積んで取得するルートがあります。それぞれのルートについてチェックしておきましょう。
大学経由のルートについて解説!
4年制大学や通信制大学で社会福祉学、心理学、教育学または社会学を専修する学部(学科)を卒業することで、児童指導員任用資格をえられます。卒業証書と成績証明書を提示することで、児童指導員任用資格があることの証明とする場合が多いようです。
社会福祉士や精神保健福祉士の資格を取得できる学部(学科)であれば、確実に児童指導員任用資格の要件を満たします。大学で教員免許を取り、厚生労働大臣または都道府県知事からの認定を受ける方法もあるのが特徴です。
専門学校経由のルートについて解説!
専門学校経由でも、児童指導員任用資格を取得できます。地方厚生局長等の指定する養成施設、つまり福祉系の専門学校を卒業したあと、2年以上児童福祉事業に従事した実務経験が必要です。
2019年4月から「児童福祉施設の説委および運営に関する基準の一部を改正する省令」により、幼稚園教諭二種の免許を「教員免許」とみなし、児童指導員任用資格を満たすことができるようになりました。ただし、保育士免許は教員免許とみなされないので実務経験を生かしたルートになります。
大学や専門学校へ通わなくてもOK! 児童指導員を目指せる実務ルートを解説
実務経験をもとに児童指導員を目指す実務経験を生かしたルートなら、大学や専門学校に通わなくても資格を取得することが可能です。福祉施設などでの実務経験で、まず社会福祉士や精神保健福祉士の国家試験受験資格を取る方法と、直接、児童指導員がいる放課後デイサービスなどで働いて実務経験を積み、資格の要件を満たす方法をご紹介します。
1. 実務ルートで社会福祉士、精神保健福祉士のいずれかの資格を取得する
社会福祉士や精神保健福祉士の有資格者は、児童指導員任用資格があるものとされます。それぞれの資格取得のためには「社会福祉士に関する科目を定める省令」「精神障害者の保健及び福祉に関する科目を定める省令」の基礎科目または指定科目がある大学や短期大学などに通うルートがあるのです。
基礎科目のみの履修の場合には卒業後短期養成施設に通わなければなりませんが、指定科目を履修している場合には直接「国家試験」を受け、登録することができます。高卒か同等の学歴がある場合は、実務経験で社会福祉士や精神保健福祉士の資格の取得が可能です。
社会福祉士は「相談援助業務の実務経験」が4年以上あれば、1年以上の一般養成施設に通うことで、精神保健福祉士は「精神障害者の社会復帰に関する相談援助を主たる業務とした実務経験」が4年以上あれば、1年以上の一般養成施設に通うことで受験資格をえられます。
2. 3年以上児童福祉事業に従事し、厚生労働大臣または都道府県知事から認定を受ける
高校を卒業していない場合でも、学歴要件なしで3年以上児童福祉事業に従事し、厚生労働大臣または都道府県の知事から認定されれば児童指導員任用資格を取得できるという実務経験を生かしたルートがあります。まずは放課後デイサービスなどの職員として働きながら、実務経験を積むことで児童指導員任用資格をえるところからはじめましょう。
児童指導員を目指せる大学・専門学校を紹介!
児童指導員を目指すために、社会福祉学、心理学、教育学または社会学を専修できる大学と専門学校についてご紹介します。
児童指導員を目指せるおすすめの大学を紹介!
児童指導員を目指すために必要なカリキュラムがあり、卒業と同時に児童相談員任用資格の条件を満たすことができるおすすめの大学をご紹介します。
東京福祉大学|社会福祉学部 社会福祉学科 社会福祉専攻 社会福祉コースなど
東京の池袋と北区王子にキャンパスがある東京福祉大学には大学と大学院、短期大学があり、いずれも通信教育課程も用意されています。
大学には保育児童学部と社会福祉学部、教育学部、心理学部があります。さらに、社会福祉学部社会福祉学科は社会福祉コース・介護福祉コース・精神保健福祉専攻・心理福祉専攻・経営福祉専攻にわかれており、目的や取りたい資格に応じて選ぶことが可能です。
社会福祉士コースを選べば社会福祉士の国家試験受験資格をえられますし、精神保健福祉専攻を選べば精神福祉士を目指せるでしょう。
参照元:東京福祉大学「学部・学科紹介」
社会福祉専攻社会福祉コースの学修内容とカリキュラム
東京未来大学|こども心理学部 こども心理学科
東京足立区にある東京未来大学には、モチベーション行動科学部とこども心理学部があります。さらに、こども心理学部こども心理学科では、心のスペシャリストを育成する心理専攻と保育士・幼稚園・小学校の先生を目指せるこども保育・教育専攻を選ぶことが可能です。そのため、教員ルートでも、児童指導員任用資格をえることができます。
参照元:東京未来大学「こども心理学部」
田園調布学園大学|子ども未来学科など
神奈川県川崎市にある田園調布大学には、人間福祉学部・人間科学学部・子ども未来学部があります。子ども未来学部では、学生全員が保育士資格と幼稚園教諭一種免許の取得を目指すので教員ルートでも児童指導員任用資格をえることが可能です。人間福祉学部は心理福祉学科と社会福祉学科にわかれ、社会福祉専攻コースでは社会福祉士の国家試験受験資格をえられます。
参照元:田園調布学園大学「学部・学科構成」
田園調布学園大学「子ども未来学科」
文京学院大学|人間学部
埼玉県ふじみの市にある文京学院大学に、は外国語学・経営学部・保健医療技術学部・人間学部があります。人間学部にはコミュニケーション社会学科・児童福祉学科・心理学科があり、いずれの学科でも卒業証書と成績証明書を提示することで児童指導員任用資格があることの証明とすることができるカリキュラムです。人間福祉学科では、社会福祉士と精神保健福祉士の国家試験受験資格をえられます。また、児童発達では幼稚園教諭か小学校教諭の取得が可能です。
参照元:文教学院大学「人間学部」
児童指導員を目指せるおすすめの専門学校を紹介!
専門学校で児童指導員を目指す場合は幼稚園二種などの教職免許を取得して目指すか、児童福祉施設などに勤めやすい資格取得して実務経験を積む方法があるのです。児童指導員を目指せるおすすめの専門学校をご紹介します。
大原医療秘書福祉保育専門学校|2年制保育士(幼稚園教諭)
教員ルートで児童指導員を目指せるのは、東京の大原医療秘書福祉保育専門学校の2年制保育士(幼稚園教諭)のコースです。幼稚園教諭免許取得にしぼったカリキュラムと豊富な実習で、即戦力になれる幼稚園教諭や児童福祉施設のスタッフを目指します。
参照元:大原医療秘書福祉保育専門学校「2年制保育士(幼稚園教諭)」
横浜こども専門学校|こども総合学科
神奈川県横浜市にある横浜こども専門学校のこども総合学科では、保育士・幼稚園教諭・学童保育支援員の、子どもに関する3つの資格を取得できます。構内に保育園があるので、実際の子どもの発育や発達を肌で感じたり、学んだことをすぐに実践できたりするのも魅力です。確実に就職につながるので、まずは児童福祉施設に就職して実務経験ルートを目指すこともできます。
自分に合った方法で児童指導員を目指そう!
児童指導員という資格はありませんが、児童指導員になるには「児童指導員任用資格」が必要です。任用資格の要件を満たすには福祉系の大学で決められたカリキュラムを履修する方法と、専門学校を卒業して児童福祉施設で2年間の実務経験を積む方法、教員資格・社会福祉士・精神保健福祉士のいずれかの資格を取得する方法があります。高校卒業程度であれば2年間、そうでなくても3年間の実務経験があれば可能ですので、自分に合った方法で目指してみましょう。
参照元:
厚生労働省職業情報提供サイト「児童指導員」
公益財団法人社会福祉振興・試験センター「精神保健福祉士国家試験」
公益財団法人社会福祉振興・試験センター「社会福祉士国家試験」