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特集・コラム 2022-01-25

児童指導員とは? 仕事内容と活躍の場を紹介|児童指導員を目指すにはどうすればいいの?

近年、福祉・介護の業界において、需要と将来性の高さから「児童指導員」に注目が集まっています。今回は、児童指導員について詳しくご紹介していきます。

児童指導員とは|児童福祉施設に通所・入所する子どもたちの育成を支援


児童指導員とは、保護者のいない児童、障害を持つ児童などが入所する施設で、児童たちを健全に成長させるために支援および教育・指導をおこなう職種です。児童一人ひとりが持つ事情に合わせて支援計画を立て、学習・遊びなど適切なサポートをおこなっていきます。
ここでは、児童指導員の詳しい仕事内容について見ていきましょう。

児童指導員の仕事内容とは?

児童指導員の仕事内容は、児童が入所する施設の特徴や児童一人ひとりが抱える問題によって、少しずつ異なります。児童指導員の具体的な仕事内容、また施設の違いによって児童指導員に何が求められるかについて見ていきましょう。

1. 子どもたちの成長に合った支援計画を立ててサポートする

児童福祉施設に入所している児童の場合、児童一人ひとりが抱える問題をしっかりと把握したうえで、児童の成長に合った個別支援計画を作成します。「この子が健全に成長するには何が必要か、どんな指導が適切か」を考え、目標を立てて実施していくのです。

2. 日常生活の支援と指導|社会ルールの習得や学習・遊び

施設に入所している児童の多くは、保護者からの教育が受けられません。児童指導員は、保護者に代わり日常生活の支援・指導全般をおこないます。具体的な指導内容は、基礎的な挨拶や礼儀作法、食事の仕方、勉強や社会ルールの習得などです。

3. 進路相談|希望に応じた進学や就職ができるように

施設に入所している子どもたちの進学・就職をサポートするのも、児童指導員の仕事です。中学卒業時、または高校卒業時の進路相談でそれぞれの子どもの意思を汲み取り、希望に応じた進学・就職ができるように努めます。

4. 事務作業や送迎など

児童指導員は子どもたちが施設にいる間は子どもたちのサポートをおこない、子どもたちが学校に行っている時間帯は、おもに事務作業などをおこないます。事務作業は、個別支援計画の作成、日誌・活動記録の記入など。通所施設の場合、子どもたちの送迎も仕事のひとつです。

児童指導員が活躍できる場所とは?|児童福祉の現場で幅広く活躍


児童を支援する施設には、入所施設、通所施設、デイサービスセンターなど、さまざまです。施設の違いによって、児童が入所・通所する目的も異なります。児童指導員の勤務先の違いと各施設の特徴について見ていきましょう。

児童養護施設

児童養護施設は、事故、災害、病気、離婚などさまざまな事情によって保護者がいなくなってしまった児童、虐待によって保護された児童などが入所する施設です。年齢制限は2歳から18歳までとなっています。
児童指導員は、施設で共同生活を送る児童に対し、生活や学習、通学の面で指導・サポートを実施。進学・就職の支援も児童指導員の役割です。

児童発達支援施設

児童発達支援施設は、障害を持った就学前(小学校入学前)の児童が通所する施設です。児童発達支援施設は、福祉サービスをメインとする福祉型と、治療もあわせておこなう医療型の2種類があります。
児童指導員は児童の年齢・知能レベルなどに合わせて、遊びや学習の指導をおこない、生活に必要な基礎的な動作や集団生活における適応能力が身につけられるように努めます。

障害児入所施設

障害児入所施設は、身体障害、知的障害、精神障害、発達障害などの障害を持った児童が入所する施設です。対象年齢は0歳から18歳まで。児童発達支援施設と同様に、福祉型と医療型の2種類の施設に分けられます。
児童指導員は、日常的な動作(食事・入浴・排泄など)の介助、知識・技能・コミュニケーション能力向上のための指導をおこないます。

放課後等デイサービス

放課後等デイサービスは、障害を持った小学生~高校生(6~18歳)を対象とした通所施設です。利用者は、放課後や休日、夏休み・冬休みなどの長期休暇を利用して通所。児童指導員の支援・指導によって日常生活で身につけるべき動作、コミュニケーション能力、集団適応能力などを学んでいきます。施設によっては、社会性向上を目的とした地域交流もおこなわれます。

放課後デイサービスとは? 役割と仕事内容を紹介|放課後等デイサービスで働くには

児童指導員を目指すにはどうすればいいの?


児童指導員として働くには資格が必要なのかどうかという点は、気になるところです。ここからは、児童指導員として認められるための条件と、児童指導員を目指す場合にどんなルートがあるのかについて解説していきます。

児童指導員になるには資格が必要? 児童指導員を目指せる5つのルートを紹介

児童指導員になるには任用資格が必要!

児童指導員として働くためには、「児童指導員任用資格」が必要です。任用資格は国家資格や民間資格ではないので、試験や研修制度はありません。規定された任用資格の要件を満たすことで、誰でも児童指導員任用資格を得ることができます。

任用資格要件を満たす5つのルートを紹介

児童指導員として働くためには、児童指導員任用資格の要件を満たしていることを証明する書類(資格証明書・修了証書・実務経験証明書など)が必要になります。ここでは、任用資格を取得するためのルートについて見ていきましょう。

1. 4年制大学を卒業|社会福祉学や心理学を専修する学部や学科

4年制大学(通信制大学含む)で、社会福祉学、心理学、教育学、社会学を専修する学部・学科を卒業した人、または都道府県知事の指定する養成校を卒業した人は児童指導員任用資格が得られます。この場合、卒業証明書または履修科目証明書などの提示が必要です。

2. 社会福祉士か精神保健福祉士の資格を取得

国家資格である社会福祉士、または精神保健福祉士の資格を取得していれば、児童指導員任用資格を得ることができます。社会福祉士および精神保健福祉士の資格を取得するには、福祉系4年制大学または指定養成施設を卒業し、国家試験に合格しなければなりません。

3. 高校を卒業+2年以上児童福祉事業に従事

高校または短期大学を卒業した人の場合、卒業後に児童福祉事業所で2年以上の実務経験を積むことで、児童指導員任用資格が認められます。この場合は、卒業証明書と実務経験証明書の提示が必要です。

4. 3年以上児童福祉事業に従事+厚生労働大臣又は都道府県知事から認定

高校を卒業していない人の場合、児童福祉事業所で3年以上の実務経験を積み、厚生労働大臣または都道府県知事から「適当」と認められた場合、児童指導員任用資格を得ることができます。この場合も、実務経験証明書の提示が必要です。

5. 教員免許+厚生労働大臣又は都道府県知事から認定|幼稚園・小中学校・高校

幼稚園、小学校、中学校、高等学校の教員免許を取得し、厚生労働大臣または都道府県知事から「適当」と認められた場合、児童指導員任用資格を得ることができます。提示が必要な書類は、「教員免許状のコピー」です。なお、保育士免許は対象外のため注意が必要です。

児童指導員のお給料はどれくらいなの?


「児童指導員として働いてみたいけど、給料がどのくらいなのか気になる」という人もいるでしょう。福祉系の職種はさまざまありますが、児童指導員の場合給料・平均年収はどのくらいになるのでしょうか。最新のデータをもとに見ていきましょう。

平均年収は約398万円|2020年賃金構造基本統計調査

200¥20年賃金構造基本統計調査によると、児童指導員(その他の社会福祉専門職業従事者)の給与は以下のようになっています。

・企業規模10人以上の施設
平均月収は25万4千円、年間賞与額平均は59万3千円
・企業規模1,000人以上の施設
平均月収は27万9千円、年間賞与額平均は58万円

児童指導員として就業している人全体でみてみると、平均年収は380万円です。

児童指導員の需要は高い? 求人情報をチェック


児童指導員を目指す人のなかには、「児童指導員は需要が低くて転職が難しいのではないか」と不安になる人もいるのではないでしょうか。現在、児童指導員の需要はどれくらいあるのかについて、求人情報をもとにご紹介していきます。

児童指導員の需要はアリ! 将来性の高いお仕事

求人サイト・転職サイトの募集状況を確認してみると、児童指導員の募集数は非常に多いことが分かります。この背景には、障害児通所施設の増加があります。

児童発達支援施設の数は2012年の2,804から、2019年は7,654。放課後等デイサービスの数は2012年の3,107から、2019年は13,980。障害児相談支援施設は2012年の1,914から、2019年は7,254。
いずれも3倍以上の増加となっており、それにともない児童指導員の需要も高くなっているのです。

需要が高く転職しやすい、求人数が安定しているという点から見ても、児童指導員は将来性が高い職種といえるでしょう。

詳しい求人情報はこちら:https://relax-job.com/kaigo

児童指導員は子どもたちをサポートするやりがいのあるお仕事!


児童指導員は特別な資格がなくても、実務経験を積むことで誰でも転職が可能な職業です。日々、子どもたちを相手にさまざまな支援・サポートをおこなう仕事なので、子どもとの交流が好きな人、児童の教育に関心がある人は児童指導員を目指してみてはいかがでしょうか。

引用元サイト
職業情報提供サイト(日本版O-NET) 児童指導員
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/243
全国児童養護施設協議会 もっと、もっと知ってほしい児童養護施設
http://www.zenyokyo.gr.jp/pdf/pamphlet_2021.pdf
児童発達支援センターの位置づけについて
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000791881.pdf
厚生労働省 社会福祉士・介護福祉士等
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/shakai-kaigo-fukushi1/index.html
厚生労働省 精神保健福祉士について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/seisinhoken/index.html
賃金構造基本統計調査 / 令和2年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450091&tstat=000001011429&cycle=0&tclass1=000001152186&tclass2=000001152187&tclass3=000001152191&stat_infid=000032069431&tclass4val=0

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