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特集・コラム 2022-02-24

保育士が公務員として働くには?|公務員保育士のメリット・デメリット

保育士として働くうえで大きく公務員保育士と私立保育士のふたつに分けられます。公務員保育士は人気があり、給与が比較的高いです。今回は、保育士が公務員として働くためにはどうしたらよいか、メリット・デメリットについてご紹介します。

保育士が公務員として働くには?

公務員保育士とは、地方自治体が運営している公立の保育園などで働く保育士のことです。おもな勤務先は公立の保育施設で、地方公務員として扱われます。

保育士が公務員として働くにはどうしたらよいのでしょうか。ここでは、公務員保育士として働く方法をご紹介します。

保育士の資格+職員採用試験合格が必要

公務員保育士として働くためには、大前提として保育士の資格を持っていることが必須です。さらに地方自治体が実施する職員採用試験を受験して合格する必要があります。

地方自治体によっては保育士の職員採用試験を実施しない年度もあるため、受験を考えている人は注意しましょう。

職員採用試験とは?|受験資格と試験内容を紹介

職員採用試験では、どのような受験資格が必要でどんな試験がおこなわれるのでしょうか。東京都武蔵野市で実施された2022年度職員採用試験の募集要項をもとに、受験資格や試験内容について確認していきましょう。

なおこちらの募集はすでに終了しているため、希望する自治体の募集要項を確認してください。

受験資格

1985年4月2日から2000年4月1日までに生まれた人のうち、以下に当てはまる人が受験対象です。

・保育士試験に合格して保育士資格を持っている
・2022年3月以前に保育士養成校などを卒業して保育士資格を持っている、もしくは取得見込みがある

年齢制限のある場合が多いため、受験希望の場合は各自治体の募集要項を確認しましょう。

試験内容|筆記・面接など

1次試験の内容は、専門知識の筆記試験と小論文試験です。専門試験では社会福祉・家庭福祉・保育心理学・子どもの保健などで、小論文は600字以内で論題については明記されていません。

2次試験は個別面接で、複数の面接官が相手です。最終試験も同じく個別面接ですが、武蔵野市の理事が面接相手となります。

【注意】採用候補者名簿の有効期間は名簿登載の日から1年間

職員採用試験に合格しても、必ず公務員保育士として働けるわけではありません。合格をすると採用候補者名簿に登録されるのみであり、1年以内に保育園から採用される必要があります。1年以内に就職先が決まらなければ、もう一度試験を受けて合格しなければなりません。

臨時職員としての募集があることも|会計年度任用職員

公務員保育士は、一般職だけでなく臨時職員としての募集もあります。違いは任期が限られており、勤務時間が短い場合が多いことです。

2022年度の千代田区を例に挙げると、会計年度任用職員としての採用で任期は1年間となっており、勤務時間と日数は5つの選択肢から選べます。

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公務員保育士は私立施設の保育士とどこが違うの?

公務員保育士は私立施設の保育士との違いは勤務先・保育方針・勤務時間の長さ・福利厚生と給与・異動の有無などです。公務員保育士は地方公務員の扱いとなるため、これらの違いが生じます。

ここからは、公務員保育士は私立保育士とどのように違うのか、その特徴について詳しくご紹介します。

勤務先|公立保育園

公務員保育士の勤務先は公立の保育園などになります。市町村が運営する保育園・託児所・相談所・学童保育施設で、ほぼすべての保育施設が児童福祉法の基準を満たしている認可保育園です。

一方、私立保育士は社会福祉法人やNPO法人が運営する私立の保育園が勤務先で、認可保育園と認可外保育園どちらもあります。

保育方針|園によって変わることがない

同じ地方自治体内での公立保育施設の保育方針はすべて統一されています。どこの保育施設に勤めても同様の保育できるため、安定した保育方針で仕事をしたい人には向いているといえるでしょう。

私立の保育施設では各施設に保育方針があります。子どもに合わせた保育をしたい人にはよいかもしれません。

勤務時間|土日は休めることも

公務員保育士の場合では、保育施設の保育時間が明確に定められており、延長保育や休日保育はおこなわれていない傾向があります。そのため、勤務時間が一定で、土日に休めることも多いのが特徴です。

私立の保育施設では、それぞれ保育時間を設定していたり、休日保育や延長保育に対応していたりすることも少なくありません。

福利厚生・給与|地方公務員の基準が適応される

公務員保育士は、地方公務員として扱われるため、福利厚生や給与も同等のものになります。そのため、待遇はかなり手厚く、有給・産休・育休は比較的取りやすいでしょう。
私立保育士は、勤務先によって福利厚生や給与面に違いがあります。

保育士のお給料・平均年収はどれくらい?|収入UPを目指す4つの方法

異動|自治体内での異動がある

公務員保育士は地方公務員であるため、自治体内で勤務先の異動があります。異動の目安は2~4年ですが、同じ自治体内での異動のため遠くに赴任しなければいけないということは考えにくいです。

私立保育士の異動は、機会として少ないでしょう。単独経営している場合はありませんが、運営母体が複数経営している場合はグループ内の異動を打診されることもあります。

公務員保育士のメリット・デメリットとは?

ここまで、公務員保育士と私立保育士が違う点についてご紹介しました。それぞれ、よい点もあればそうでない点もあるのではないでしょうか。

ここからは、公務員保育士のメリットとデメリットをご紹介します。公務員保育士と私立保育士のどちらを目指すか迷っている人は参考にしてみてください。

公務員保育士のメリットとは?

公務員保育士として働くメリットはどういったことがあるのでしょうか。メリットとして考えられることはさまざまありますが、とくに給与面と福利厚生面での待遇が私立保育士と比較してよいといえます。

公務員保育士のメリットについて、給与面と福利厚生面のふたつに焦点を当ててご紹介します。

1. 給与が高く昇給もある

給与面でのメリットは、給与が高めに設定されている場合が多いことと、定期的な昇給があることです。
地方公務員としての採用であるため、安定した給与額が支給されます。また昇給もあることから、長く勤めて役職がつけば、給与はさらに上がるでしょう。必ず退職金も支給される点もメリットといえます。

2. 福利厚生が充実している

福利厚生面でのメリットは、有給・産休・育休などが取りやすいという点です。

近年では男性の保育士も増えていますが、女性保育士のほうがまだまだ多いのが現状です。女性は、出産をきっかけに仕事を辞めるという人も少なくありません。公務員保育士の場合であれば休暇の制度が整備されているため、仕事を辞めることなく働き続けることが可能です。

公務員保育士のデメリットとは?

ここまで公務員保育士のメリットについて解説してきましたが、逆にデメリットはどういったことにあるのでしょうか。ここからは、公務員保育士として働くうえでのデメリットについて、詳しくご紹介します。

1. 人気のため競争率が高い

もっとも大きなデメリットとして、職員採用試験の合格がむずかしい点があげられます。公務員保育士は、給与や福利厚生が手厚いことから、希望する人が多いのが特徴です。自治体によりますが、求人数が少なく、倍率が高い傾向にあります。

さらに職員採用試験に合格しても、1年以内に就職先が決まらないと、もう一度採用試験を受ける必要がある点もデメリットといえるでしょう。

2. 異動がある

公務員保育士の場合、2~4年の間で異動があることがほとんどです。また、原則として異動の拒否することはできません。
さまざまな保育施設で働けることについては、経験を積む意味ではよいことといえますが、環境が変わるのが苦手な人にとってはデメリットといえます。

保育士が公務員として働くには職員採用試験合格が必要!

公務員保育士として働くには、職員採用試験に合格して、1年以内に就職先が決まることが必要になります。メリットは給与や福利厚生などで優遇されていること、デメリットは採用試験の倍率が高いことや人によっては異動があることです。
公務員保育士を目指す人は、各自治体の採用情報を確認して試験対策しましょう。

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