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介護・看護・リハビリ 2021-04-04

安心して楽しい日々を過ごせる場所にする 介護リレーインタビュー Vol.9【介護士 徳永千恵さん】#2

老人ホームなどの施設で食事から入浴、排泄などの介助の仕事全般を担う介護士。今回は、地域に根ざした特別養護老人ホーム「くみのき苑ゆらら」で介護士・特養副主任をされている徳永千恵さんにインタビュー。

前編では、特養副主任として目の前の課題にすぐに取り組むことが仕事を円滑に進めるための秘訣だと教えてくださいました。この後編では、人と接する仕事をする上で心がけていることや今後の目標についてお話を伺います。

《プロフィール》

徳永千恵さん…義母のパーキンソン病発症を機に、ヘルパー2級の資格を取得。高齢者の在宅介護や障害者のガイドヘルパーを経験後、社会福祉法人ラポール会 くみのき苑ゆららに入社。介護士・特養副主任として介護全般に携わるほか、技能実習生の育成を行う。介護職歴20年。

休日の過ごし方

おいしいものを食べて思いっきりおしゃべりする

左から3人目が徳永さん

――仕事で大変だと感じるところはどこですか?

やはり介護は人相手の仕事。認知症を患っている方もたくさんいらっしゃいますので、この時間にこれをやりたいんだけどできなかったなど、予定通りにいかないということがあります。

また、施設ではたくさんのスタッフとチームで働いています。それぞれ価値観が違いそれを統一することがとても難しく、悩むことがたくさんあります。でも、私にはゆらら開設時からずっと一緒に働いている同期がいます、その同期も副主任なんですね。悩みを相談すると共感してくれたり、アドバイスをくれたりといつも助けてくれるので、ストレスを抱えなくて済みます。誰かに相談できる環境はとても有難いです。私自身も職員からなんでも相談してもらえる存在になりたいと思っています。

――ストレスが溜まることはありますか?

そのときは、一瞬『ガーン』と落ち込むんですけれど、ポジティブというか、すぐ忘れるんですね(笑)。昔から切り替えが早い性格です。

――お仕事のオンとオフはどのように切り替えていますか?

食べる事が大好きなので、休日にはランチに行ったり、旅行に行っておいしいものをいっぱい食べて、思いっきりおしゃべりすると疲れが吹っ飛びます。

それと、庭で家庭菜園をしたり花を植えたりするときは無になれます。愛犬にもいつも癒してもらっています。

お仕事をするうえで心がけていること

声かけだけでなく、触れることが大切

――ご利用者様との接し方で心がけていることはありますか?

出勤時に、フロアのご利用者様ひとりひとりに声をかけ、手を握ったり、お元気ですか? と声をかけたりハイタッチしてみたり、できるだけ触れるようにしています。そうすることで熱感がある方や、体調不良に気づくことができるんです。普段、熱があっても、自分で訴えができない方もたくさんいらっしゃいますので、できるだけそういうのを早く察知できるように努力しています。

――おひとりおひとりに合わせて接し方を変えたりしますか?

性格も生活歴として育ってきた環境も違いますので、それぞれに合わせてお話ししたりとかがあります。関西の方ではない時は、そのかたの故郷の方言で、下手ですがしゃべってみたりとか。九州の方だったら、その方が喋っているのを真似てみたりとか、どうにかしてコミュニケーションをとるようにしています。

介護業界の課題

安心して楽しい日々を過ごせる場所にする

――介護業界のどんなところに課題を感じていますか?

新型コロナ感染予防の為、ご家族様の面会が禁止になっていますので、ご利用者様やご家族様は本当に寂しい気持ちでおられると思うんです。その家族の代わりにはなれないんですけど、できる限り、私たち職員がひとりひとりに寄り添って、体調管理をしっかりおこない、安心して楽しい日々を過ごして頂けるように取り組んでいきたいと思います。当施設には103歳の方を筆頭に90代の方がたくさん入所されています。コロナが施設で流行ってしまったら大変になりますので、介護士として、ちょっとした体調の変化も察知できるように関わらなければと思います。

――徳永さんの今後の目標を教えてください!

昨年、介護支援専門員実務研修試験に合格して、研修を受講しています。修了後はケアマネージャーにステップアップするかはまだ何も決めていませんが、今は与えられているお仕事を確実に熟せるように頑張りたいと思っています。

介護職に就いてこの20年間、実は腰痛になったことがありません。それは毎朝ストレッチをして筋肉をほぐしてから仕事にはいるというスタンスを続けているからだと思います。ですが、腰痛により仕事ができなくなること以外に、年齢的に夜勤のしんどさにより、定年まで勤務ができないという不安もあるため、日勤帯での介護の仕事も視野にいれて、勉強し続けたいと思っています。

――最後に、介護士を目指す人へメッセージをお願いします

楽しいこともいっぱいありますが、⼤変なこともたくさんあります。施設(特養)では、ご利⽤者様が「⽣活の場」として過ごされています。排泄されたり、お⾵呂に⼊られたりと、時間の過ごし⽅もさまざまです。私⾃⾝、祖⺟の経験により、⾃分がされて嫌なことはしないと心に決めています。ご利⽤者様、ご家族様の⽴場で物事を考える事を⼤切にしています。認知症を患っている⽅や寝たきりの方など、様々な⽅がご利⽤されています。日々いろいろな事が毎⽇あり、嬉しい事、楽しい事も、それと同じくらい不安な事、ご利⽤者様に対してどのように接していいのかわからなくなる事もあり、ただそれが日常なのです。介護ってたのしいからみなさんどうぞウエルカムっていうのは違うかなと思うんです。人と向きあうためには、ある程度度胸が座っていないとできない仕事だと考えています。

【介護士のココが魅力!】

1.感謝の気持ちを直接もらえる
2.年齢や性別に関係なく働ける
3.利用者の小さな変化に気づける

【編集後記】

相⼿が誰であれ、ほかの⼈と同じように、⾃分がどうされたら嫌でどうされたら嬉しいか、⾃分に置き換えて考えれば間違えではないとおっしゃっていた徳永さん。利⽤者様が楽しい⽇を送れるように努めたり、部下や実習⽣にとって働きやすい環境づくりをしたり、何事に対しても前向きな姿勢が印象的でした。

▽前編はこちら▽
ひとりひとりのご要望をできる限り受け入れたい 介護リレーインタビュー Vol.9【介護士 徳永千恵さん】#1>>

取材・文/ながいまき

Store Data

社会福祉法人ラポール会 特別養護老人ホーム くみのき苑ゆらら

住所:大阪府堺市東区南野田454-2
電話:072-289-1100
サービス提供時間:365日 24時間

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