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ヘルスケア 2021-05-24

コミュニケーション能力があれば即戦力になれる【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.30『ママ専門整体』南 絢子さん】

ヘルスケア業界のさまざまな職業にフォーカスして、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく『もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事』。

前回につづき、「ママの骨盤矯正」で働く南 絢子さんが登場。前回は、産後ママ専門の出張整体「ママの骨盤矯正」での働き方や、鍼灸から整体へ転身したきっかけについてインタビュー。ママであることをハンデにせず、強みにできる働き方を教えていただきました。

今回は、「ママ専門」の整体で働く魅力をさらに深掘り。産後ママにターゲットをしぼることのメリットや、産後ママの施術で南さんが心がけていることについて、詳しく教えていただきました。

女性のお客様のライフステージの変化に対応できる施術者を目指すなら、ぜひ知っておきたいことばかりです!

教えてくれたのは…

「ママの骨盤矯正」鍼灸師 南 絢子さん

鍼灸接骨院で働きながら鍼灸師の資格を取得後、
「ママの骨盤矯正」に入社。
2歳の女の子のママ、現在妊娠9カ月。
産後ママの気持ちと身体に寄り添った施術が人気

コミュニケーション力を磨けば、すぐにでもお客様の役に立てる

ご自身もママの南さん。
ゆったりと優しい話し方で、おしゃべりするだけで癒やされます

―南さんが感じている、ヘルスケア業界で働く魅力はなんですか?

「ママの骨盤矯正」は、出産後のママのご自宅に出張して施術を行います。出産を終えてすぐは、身体も心もお辛い時期です。そんな産後ママさんたちに寄り添って、少しでも力になれる。そこに、とてもやりがいを感じます。

ママの身体がラクになると子育てにも余裕が出ますし、ママが笑顔になることで、パパや赤ちゃんも嬉しくなると思うんです。家族の幸せのお手伝いができるのは、嬉しいですよね。

ビジネス的な面では、自分の強みさえ見つけてしまえば、経験年数に関係なく、お客様の力になれるお仕事だという点も魅力です。技術以外のところ、とくにコミュニケーションの部分ですね。

―コミュニケーションを強みにすれば、すぐに活躍できるということですか?

そうですね。技術力は経験値が大切です。数をこなすことで身につく部分が大きいと思います。でもそれ以外の施術の大半は、お客様とのコミュニケーションです。ヘルスケア業界であれば、どこに所属していても対「人」ですから、やっぱりコミュニケーション能力が大事ですよね。

コミュニケーション能力が磨ければ、技術力が育ってくる前でも、お客様のお力になれると思います。話を聞いてほしいというお客様は多いですし、コミュニケーションを取るなかで心がほぐれると、身体までほぐれることもあるんですよ。

ターゲットを絞ることで、力を入れるポイントをわかりやすく

「会話のなかで心がほぐれていくと、
辛さの原因にたどり着きやすいんです」

―産後ママは体の負担が大きく、気落ちが不安定な方も多いと思います。コミュニケーションで気をつけていることはありますか?

産後はホルモンバランスの影響で気が立っていたり、ナーバスな方もいらっしゃるので、コミュニケーションをとる際は気遣いがとても大切です。とくに言葉選びは慎重にしていますね。

産後は人とあまり会えず、大人と話す機会もないので、「会話をする」というだけでスッキリしたり。産後だからこそ、コミュニケーションが、いい効果をもたらすことも多いと感じています。

お身体が辛くて利用する方が多いですが、「話したい」という部分もあるんじゃないかなと思います。初回は緊張や疲れから暗い印象だった方が、回を重ねるうちに明るくなり、最後は別人のように「先生、またメンテナンスで!」と声をかけてくださったりするんですよ。心までスッキリされたんだな、と感じられますね。

―産後ママにターゲットを絞るビジネス的メリットはありますか?

こちらで「産後ママ専門」と言っている分、お客様がリーチしやすい、探しやすいというメリットはあると思います。

お客様の状態や環境も似ているので、悩みの原因を探りやすいという部分もありますね。産後特有のお悩みだったり、同じような姿勢の崩れ方だったり、共通する部分は多くなるので、施術の方針なども立てやすいです。

大切なのは、お客様に寄りそう気持ち

「心も身体もラクになっていただけたら、一番いいですよね」

―ヘルスケア業界を目指されている方にアドバイスをお願いします。「これはしておくといいよ」ということはありますか?

自分がお客様として、いろいろな治療やサービスを受ける。実際に体感するのは、大切だと思います。

この押し方は心地いいとか、これは不快とか、そういう感覚を身につけられると、いざ自分が施術者側になったときに、相手の気持ちが考えられるようになるんじゃないでしょうか。

あとは、コミュニケーション能力を磨くこと。そのためじゃないですけど、私の場合は、これまでビジネス本やコミュニケーションについての本を、いろいろ読んできました。そういうのも、よかったのかなと今は思います。

―南さん流、施術者を続けていくための心得3か条は?

1.自分の主観を押し付けない

自分の感覚、フィーリングや手の感覚は大事だと思います。でも、「お客様がどう感じられているか」のほうが大切。それをきちんと拾えるように、常に自分はフラットでいること、自分の主観や感覚を押し付けないように気をつけています。

2.わかりやすく伝える

お客様は、今出ている不調を取ってほしいだけかもしれません。でも、その場だけ改善しても意味がない。何が原因で不調が起きているか、どうすれば改善されるのかを、わかりやすく伝えるようにしています。そうするとイメージを共有できて、日常から気をつけていただけるようになります。

3.お客様に合った言葉選び

例えば、セルフケアについてお伝えするとき、強めに「やってくださいね」と言うことが、負担に感じてしまう方もいれば、そのほうが続けられるという方もいます。お客様の状況、メンタル面なども注意しながら、慎重に言葉を選んで使い分けることが大切だなと感じます。

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「私も産後は、大人と話すだけでスッキリしたんですよ」と、笑顔でコミュニケーションの大切さを語ってくださった南さん。一般のお客様の施術においても、技術と同じくらい重要なコミュニケーション能力。とくに産後ママの施術においては、より大切なスキルなのだとわかりました。

優しく明るい会話は、南さんの強みにもなっているんですね。次回は、「ママの骨盤矯正」の施術についてフォーカス。産後ママの施術で重視している点について、詳しく教えていただきます。

▽#3はこちら▽
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取材・文/山本二季
撮影/高嶋佳代

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